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久保 信彦 院長の独自取材記事

あずま通りクリニック

(豊島区/池袋駅)

最終更新日:2024/03/04

久保信彦院長 あずま通りクリニック main

池袋駅から徒歩8分、あずま通り沿いにある「あずま通りクリニック」。内科・小児科・皮膚科を標榜する同院の院長は、2005年に第三者承継した久保信彦先生だ。血液形態などを調べる研究をしてきた経験や、2度のアメリカ留学経験を生かし、主標榜科の内科のみならず、どの科にかかるべきかわからない症状や、ちょっとした体の不調も含め、幅広く相談に乗る。院長のほかに週3回、小児外科の医師3人が外来を担当していることも特徴。さらに、在宅療養支援診療所としてケアマネジャーやホームヘルパーとも連携し、通院が難しい患者向けの在宅医療も行う。地域で暮らすどんな人も支えられる医療体制をめざす同院はまさに「町のよろず診療所」だ。地域のかかりつけ医として患者の思いに応え続ける院長に、同院の特徴や地域への思いについて話を聞いた。

(取材日2023年9月22日)

幅広い悩みを相談できる「町のよろず診療所」

まずは、クリニックの特徴についてお聞かせください。

久保信彦院長 あずま通りクリニック1

当院のコンセプトは、地域の患者さんが何らかの心身の不調を感じた際に、まず頼っていただける「町のよろず診療所」です。症状がはっきりしている患者さんはもちろん「どの科にかかればいいのかわからない」「専門の病院を掛け持ちするのが難しい」といったお悩みにも応えられるよう、標榜する科にとらわれない幅広い診療体制を整えています。地域のより多くの患者さんのお力になれるよう、在宅医療や私以外の小児外科医による外来診療を行っているほか、訪問看護ステーションや行政、専門病院との連携体制も備えていますので、何かあったときの最初の相談所と考えていただければと思います。

開業にいたるまでは、どのような経緯があったのでしょうか。

最初は内科医として10年ほど勤務していました。その後、一度外の世界を見るために、臨床検査医学研究の道へ。そこで徐々に、血液に関する興味が湧いてきたんです。そんなときに「自治医科大学に来ないか」と声をかけていただきました。その後のへき地医療に携わったのも、アメリカ留学に行ったのも、そのとき出会った人に影響されたことがきっかけです。そして開業医も経験してみたいと考えていたタイミングで、当院が継承者を募集しているのを見つけました。その時点、その時点で私にとって一番いいと思う選択をしていった結果が、今につながっていると感じています。現在は自身の専門性やこれまでの経験を生かしながら、幅広い診療に携わることで地域のお役に立ちたいと考えています。

内科・小児科・皮膚科を標榜されていますが、来院される患者さんの割合を教えてください。

久保信彦院長 あずま通りクリニック2

患者さんの割合は内科が4割、小児科が3割、皮膚科が2割といったところでしょうか。残りがそれ以外の「どこにかかったらいいのかわからない」「ほかに相談できる人がいない」という理由で、何らかの体の不調を訴える方です。症状によってはしかるべき専門病院を紹介しますので、ちょっとした体の不調や気になることがあれば相談してもらって、お役に立てればうれしいです。メンタルに問題を抱えながらも精神科や心療内科に行くことに抵抗があるという方も相談にいらっしゃいますし、検診や検査、ワクチン接種を希望する方も多いですね。最近はありがたいことに、親子3代で通ってくださっている患者さんも増えています。

小児外科や在宅医療など、幅広い年代の患者に対応

子どもの患者さんはどのようなことを訴えて受診することが多いですか?

久保信彦院長 あずま通りクリニック3

症状としては、発熱、腹痛、乳児湿疹などが多い印象です。それから、予防接種もとても多いですね。当院はたくさんのお子さんに来ていただいているので、待合室にも子どもの病気やワクチンに関するわかりやすいパンフレットを置いています。例えば、都市に住んでいると仕事や生活に追われ、夜寝るのが遅くなることが多々ありますが、乳幼児に関しては心と体の基礎を育てるため、なるべく早めに寝かせるよう努めてほしいということなどが記載されていますね。どうして早く寝ないことが良くないのか、どんな影響があるのかについても詳しく説明させていただきますよ。

小児外科は、専門の医師が外来を担当しているそうですね。

水・木・金曜日には、日本大学医学部附属板橋病院小児外科医局に所属する3人の小児外科医師が非常勤で外来を担当しています。小児外科はお子さんの外科ですので、対象となる年齢は生まれたばかりの赤ちゃんから乳児、幼児、16才未満の学童までと幅広いです。お子さんの体は発育に伴って機能が変化しますし、新生児や乳幼児には成人とは違った生理的特徴があるため、対応が成人の場合とはかなり異なります。そのため、専門性を持つ小児外科医師が担当するのです。余談ですが、小児外科専門の医師は、専門性を追求する上で、大人を診る外科専門の医師でなければなりません。従って、大人の外科も診ることができます。

具体的に、小児外科ではどんな病気を診療するのですか?

久保信彦院長 あずま通りクリニック4

小児外科で対応する病気は、鼠径ヘルニア(脱腸)、へそヘルニア、腸重積症、急性虫垂炎(盲腸)などがあります。当院は、生まれつき肛門がないお子さんや腸の神経の異常で便秘になるお子さんの手術、便秘の指導が得意です。健診で異常を指摘された際の停留睾丸、移動性精巣やへそヘルニアなども数多く診察してきました。また、便秘や便秘に合併することがある夜尿症の診察、さまざまな小児外科疾患の経過観察や指導も行います。超音波検査で手術が必要か判断し、必要な場合は大学病院や都立病院などを紹介した上で、術後のお子さんの経過観察を行います。そのほか、外傷や異物誤飲、まれな先天性疾患に対する手術や障害のあるお子さんの生活の質向上をめざした手術の相談も可能です。

在宅医療にも対応されているのですね。

在宅療養支援診療所として、ケアマネジャーさんやホームヘルパーさんと連携を取って、在宅医療を求める患者さんをサポートしています。今までクリニックにかかっていたけれど、歩くのがつらくなった方の往診を行うこともあります。実は豊島区は独居高齢者が非常に多いんです。近くに家族が住んでいれば良いのですが、家族が遠方にいる、または身よりのない方の生活には在宅医療の関与が欠かせません。また、当院はバリアフリーなので、歩くのが困難な方も車いすで安心してお越しいただけると思います。

患者の思いをくみ取る診療で、地域を支える

診療の際に心がけていることを教えてください。

久保信彦院長 あずま通りクリニック5

患者さんは診察室の椅子に座っても、なかなか本当のことを話してくれない場合があります。理由はさまざまで、医療に不安があったり、そのとき思い浮かばなかったり、自分で気づいていないこともある。だからこそ必ずしも医学的な話ばかりではなく、それぞれの年代によって興味のあることや生活背景、家族などの人間関係の話もよく伺うようにしています。一見関係がないようなお話も、すべて病気とつながっているのです。そうしたお話を通して、患者さんが本当は何を求めているのか、何を訴えたいのか、どんな病気が隠れているのかを考えることが、診断や治療に大きく影響します。よくお話を伺うことはもちろんですが、言葉にならない気持ちに気づいて、検査や治療方法について説明したり提示したりすることも心がけていますね。

地域で暮らすどんな世代の人も相談できる点が心強いですね。

この地域には、子育て世帯や昼間忙しく働いている方、高齢者の方など、幅広い世代の方が暮らしています。近くにはインターナショナルスクールやホテルなどもありますので、外国籍の患者さんが来られることもあるんですよ。もちろん、私一人では抱えきれない部分もありますので、当院のスタッフや医師、外部の訪問看護ステーション、専門病院などとも手を取り合いながら、多様な患者さんのさまざまな相談に応えることができればと考えています。

読者へのメッセージをお願いします。

久保信彦院長 あずま通りクリニック6

特に子育て世代の保護者の方にお伝えしたいのですが、お子さんのことばかりでなく、ご自身の健康のことも大切にしていただきたいです。もちろん子育ては大切なことですが、保護者の方はその分、自身の健康をないがしろにしてしまうこともありますよね。そうではなく、ご自分のことも大切にして、定期健診をきちんと受けること、無理しないことを心がけていただきたいです。当院については「町のよろず診療所」として、地域から必要とされることに今後も最前線で取り組んでいきたいと考えています。地域の皆さんとともに老い、ともに生きていけるクリニックでありたいです。

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