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伊藤 努 院長の独自取材記事

医療法人社団 青山歯科医院

(港区/表参道駅)

最終更新日:2021/10/12

伊藤努院長 医療法人社団 青山歯科医院 main

東京メトロ表参道駅すぐというアクセスにも便利な場所にある「青山歯科医院」。ビル入り口から院内まではすべてバリアフリー設計。7台あるユニットのうち1台は障害者専用の診察台で、車いすの人や障害のある人でも無理なく受診できるよう工夫されている。この誰に対しても配慮するクリニックの在り方と同じく、同院を預かる伊藤努院長も包み込むような穏やかさにあふれている。父の代からこの地で地域医療に身を尽くしてきた伊藤院長。医療人としての職責と義務を常に考え、日々高みをめざしてきたその自信と自覚が、この優しい笑顔となって現れ出ているのだろう。歯科業界の発展のために日々奔走する院長にたっぷりと話を聞いた。

(取材日2013年2月14日)

歯科技工室が遊び場だった子ども時代

小さい頃はどのようなお子さんだったのですか?

伊藤努院長 医療法人社団 青山歯科医院1

父が歯科医師、母が眼科の医師という家に生まれました。母は帝国女子医学専門学校を卒業して父親の医業を手伝っていました。その後結婚して子どもができたので家庭に入りましたが、「もう一度医者をやりたい」と大学に行き直し、50歳で再び眼科を開院したような人です。父は、開業前は日本赤十字社中央病院の歯科医長をしていました、戦後の復興期、このエリアには歯科がほとんどありませんでしたが、住民は比較的多かったので、患者さんが表参道で開業するとよいのではないかと提案してくれ、自宅と併用でこの場所に開業したのが当院のルーツなんです。そういった環境で育ってきましたので医療はいつも身近でした。幼い頃、雨の日の遊び場は歯科技工室だったんです。歯型を採る印象材で自分の手形を採ってみたり、技工士さんに金属を炉で溶かすところを見せてもらったり……。子どもにはすごく面白い、実験室のような空間でした。

ご両親からさまざまな影響を受けられたのですね。

例えば父から受け継いでいることの一つが診療時間です。父は1960年代半ば頃から日本歯科医師会の活動が忙しくなり、診療時間が取れなくなっていたんです。でも患者さんは大勢来てくださっている。じゃあどうするか。父は朝5時から歯科医院を開けました。午後から自分は歯科医師会に詰めなきゃいけないから、患者さんが迷惑しないよう、朝5時から昼12時まで診察していました。そんな姿を見てきましたので、現在も朝8時から診療を行っています。

会社勤めの人でも出勤前に来ることができますね。

伊藤努院長 医療法人社団 青山歯科医院2

朝早い時間帯は出勤前の会社員や学生さん、夜遅くは帰宅された地域の患者さんや会社帰りの方が来院しやすいようにと思い、基本的には8時から20時まで診療しています。しかしこれを続けていると私たちのほうが壊れてしまいますので(笑)、月・水・金曜は20時まで、火・木曜は18時までの診療にしています。父の教えに、「病気に休みなし」という言葉があります。診療室が休みだからって病気は休んでくれませんよね。ですからなるべく開いている時間を多く、たとえ自分が診察できなくても、開いている場所があるだけでも助けになればと。また当院はバリアフリー設計で、障害者専用の診察台も用意していますので、障害のある方やお年寄りにも安心して来ていただけると思います。さまざまな人を受け入れるだけの設備を備えておくことは、医療の基本だと考えてクリニックづくりを行っています。

全身疾患を診られる歯科医師をめざして

先生のご専門の分野は?

伊藤努院長 医療法人社団 青山歯科医院3

歯科麻酔です。技工室で遊ぶような子どもですから、もともと歯科は好きでした。手先も器用なほうでしたし、大学で学ぶうち、歯科医師は私に向いていると思いました。しかし一方で、歯科が治療できる領域はとても限られます。この部分だけ、この治療だけという、限りが見える医療は学生の私には少しつまらなく思えました。そんな時、学校で麻酔の授業があったんです。とても難しくて大嫌いで、いつも再試験になったりと散々でしたが(笑)、なぜか興味がどんどん湧いて。将来は歯科領域だけではなくオールマイティーな歯科医師になりたいと思っていたので、全身を管理する麻酔を本格的に勉強しようと卒業後は大学病院の歯科麻酔科に入局したのです。

どのようなことを中心に経験を積まれたのですか?

歯科麻酔科は歯を削るなどの具体的な治療ではなく、全身を診る科です。手術や治療の際に全身をコントロールする役目ですね。麻酔科にはさまざまな患者さんがいらっしゃいます。体に疾患のある方に麻酔をするには、歯科以外の疾患に関しても、専門の医学部と同じレベルまで理解していないと全身麻酔はさせてもらえません。この病気の患者さんに麻酔をした場合、どのような危険性があるかを見極めて麻酔をするわけです。歯科と医科の両方を深く知ってアプローチする必要がありますので、仕事が終わった後は勉強の日々でした。麻酔科には10年勤務し、全身疾患のある患者さんの歯科治療をはじめ、ペインクリニック、口腔外科などさまざまな経験を積みました。またその間に日本大学医学部附属板橋病院の麻酔科で、乳児からお年寄りまでありとあらゆる疾患で麻酔のトレーニングを積み、その経験はとても自信になっています。

先生は後進の指導にも熱心でいらっしゃいますね。

伊藤努院長 医療法人社団 青山歯科医院4

当院には非常勤で大学の歯科麻酔、小児歯科、口腔外科の歯科医師や、地元の歯科の先生方が研鑽に来られています。医療人として一番大切なのは、全身を診る目を持つこと。私たちは患者さんが来られたら最初に診断をします。その次に治療。そこで初めて技術が出てきます。技術は訓練を積めばレベルアップできますが、診る目は若いうちに養わないと一生身につきません。病院に来る皆さんはどこかを病んでいらっしゃいます。その時にまずしなければいけないことは的確な診断です。そして少なくとも痛みを和らげ、解放して差し上げる。何らかのかたちで来て良かったと満足してもらえないと、医療者である意味がありません。ですから私が今までの経験をどう生かして、そして今後どう生かしていくか。そういったものを開業医でしかわからない教え方で未来の歯科医療を担う人間に伝えることも、今の私の務めの一つだと思っています。

徹底した時間の有効活用で、人生をフルパワーに生きる

休日はどのように過ごされているのですか?

伊藤努院長 医療法人社団 青山歯科医院5

アクティブに動くことが大好きなので、スポーツはなんでも大好きです。今は毎週ゴルフをやっています。でも私は遊びのゴルフは嫌いなんです。土曜の13時に診療が終わると、午後から2時間、横須賀のティーチングプロのもとで練習をしています。そしてそこで習ったことを日曜に実践するんです。私は基本的に寝る時以外は休みません。動くことが好きだからでもありますが、何事も全力でやりますし、時間に対する考え方もはっきりと決まっています。人間の一生なんてわずかですから、無駄に使っていたらすぐに終わってしまう。先ほどお話しした診療時間のことにも通じますが、できる限りすべてにおいて、時間をどう有効に使おうかといつも考えているんですよ。

その姿勢が医療にも通じているわけですね。

その時にできることはすべてやる、というのが私の基本姿勢です。後回しにしない。悔いを残さない。偽らないでやる。つまり本心で生きるということですね。周りからどう評価されるかではなく、自分が経験してきたことに対して、こういうふうな生き方をしようと心に決めているんです。私は今年還暦を迎えましたが、ここにきてようやく邪念がなくなり、そうした生き方に確信が持てるようになりました。ですから今は、人生において迷いはないですね。仕事でもプライベートでも、自分のやったことに責任を取れる自信がありますから。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

伊藤努院長 医療法人社団 青山歯科医院6

医療の基本は人と人の関係です。心のない人間が医療をしても、良い結果は生まれません。もちろん相性もありますが、お付き合いの中で患者さんが安心できる対応ができないと、いくら技術があっても片手落ちだと思うんです。「また何かあったらこの歯科医院に来よう」と思っていただける対応が自然にできることは、歯科医師としての必須条件だと私は考えます。それがつくりものだと必ずボロが出ます。人のために自分の人生を費やす心、それが医療人としての根本的な考えであり、それを実践できる人が良い医療を生み出し、そこで初めて患者さんと心が通じると思うんですね。皆さんも医師や歯科医師を探される時には一度診察を受けてみて心が伝わるか、そして信頼し合えるかどうかを確かめてみてください。それが結局はベストなクリニック探しの近道になると思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/45万円

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