全国のドクター9,253人の想いを取材
クリニック・病院 158,515件の情報を掲載(2024年6月02日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 品川区
  4. 北品川駅
  5. 大木歯科医院
  6. 大木 研一 院長

大木 研一 院長の独自取材記事

大木歯科医院

(品川区/北品川駅)

最終更新日:2023/02/14

大木研一院長 大木歯科医院 main

東京・品川の「大木歯科医院」は、メンテナンス主体の診療をする歯科クリニックだ。始めたらとことんやるタイプと自身を評する大木研一院長は、強面な外見とは裏腹に温厚な人柄が印象的。専門知識を十分に咀嚼してわかりやすく伝える語りには、治療の不安を和らげ、歯科への関心と通院のモチベーションを自然に高める魅力がある。そして大木院長から最も言葉があふれたのは、スタッフへの感謝を口にした時だ。「僕あってのクリニックというより、スタッフあっての僕」「一所懸命に支えてくれるから頭が上がらない」「感謝どころではない」など、聞いているだけで、その場にいない働き者のスタッフたちの姿が目に浮かぶようだった。開業から27年目、新型コロナウイルス感染症流行による患者減少を乗り越え、意欲も新たな大木院長にインタビューした。

(取材日2023年1月11日)

診療に集中させてくれるスタッフの存在が何よりの自慢

初めに、先生が歯科医師を志したきっかけから教えてください。

大木研一院長 大木歯科医院1

父親が母校の大学の教授だった関係で、僕は子どもの頃から、若い医局の先生たちと旅行に行ったりスキーに出かけたりして育ちました。なので、歯科医師を志したというよりほとんど洗脳ですね(笑)。中学生の時に反抗して「そんなものにはなりたくない!」と言ったこともありましたし、実はパイロットになりたい夢があり、身内に内緒で航空学校を受験したりもしましたが、結局は自分で今の仕事を選びました。歯学部にいた当時は、勉強よりもスポーツに励んでいた時間のほうが多かったかも。僕は中2からバスケットボールの経験があったので、優勝をめざし活動を行っていたバスケットボール部に入部しました。そして、大学5年生の時に歯学部の全国大会で優勝、次の年にも優勝を飾り、在学中に2連覇することができました。チームの仲間たちにも恵まれ、自分にとって居心地のいい場所にいるうちに職業が決まったという感じでしょうか。

開業して26年余り、医院に関する新しいニュースはありますか?

3台ある歯科ユニットを新しくしたばかりです。開業以来ずっと同じものを使っていたのですが、スタッフが毎年の大掃除でピカピカに磨き上げてくれていたので、替える必要がありませんでした。ですが、さすがに26年も使うと不具合が目立つようになり、とうとうメーカーの方から「先生、もう部品が手に入りません」と言うので、愛着のあるユニットでしたが手放して新しいものを導入しました。こんなふうに、僕の自慢は、診療方針を理解してくれる患者さんももちろんですが、優秀なスタッフの存在なんです。スタッフあっての僕だと言っても過言ではありません。

せっかくなので、スタッフ自慢をもう少し続けてください。

大木研一院長 大木歯科医院2

自分たちで診療や受付、院内の設備のことなどをノートにびっしり書いてまとめ、誰のシフトの時でも同じように仕事ができる環境をつくっていることに感心します。最近新しく入ってきた人もすぐに順応してくれましたし、いつも1つ先、2つ先のことまで考えて動いてくれるので、僕は仕事上で彼女たちにしゃべることがなくなってしまうんですよ。それぐらいありがたいし、頼りにしていますね。自分が若い頃はうるさいこともたくさん言いましたが、今はみんなのおかげで、迷いなく診療に集中できます。毎年引き受けている歯科衛生士学校の実習生への対応も申し分ありません。学生さんの評判もいいらしく、最近はその学校の出身者がスタッフの主流になってきています。みんなにはどれだけ感謝しても足りないですね。

26年の診療でメンテナンス重視が再治療を防ぐと確信

メンテナンスには特に時間を割いているそうですね。

大木研一院長 大木歯科医院3

はい。「口の中をきれいにしてからじゃないと治療しない」が僕のポリシーなので、患者さんには1回1時間は頂くようにお願いしています。虫歯で痛みが出ている場合などは治療から入りますけれど、基本的には衛生士によるメンテナンスと治療を並行して行うか、メンテナンス先行ですね。例えば、詰め物が外れてしまい、そこに虫歯ができていたとしましょう。虫歯の治療は当然しますが、その歯を修復するとき、周りが汚れた状態のまま歯型を採ると上手く歯型が採れない場合もあります。たとえ詰め物1個でも、周りがきれいじゃなければ納得のいく治療は難しくなってしまいます。同じ歯を再治療する患者さんが出ないよう、こういうスタイルの診療を26年やってきました。最初の頃はメンテナンスを敬遠する方もいましたが、曲げずに続けてきて良かったなと思っていますね。

歯が駄目になる原因は汚れのほかに「力」も大きく関係しているという話もよくされているとか。

力とはつまり、噛みしめ、食いしばりのことです。1人の患者さんを長く診ているとわかってくるのですが、努力してきれいにしているはずの歯がどんどんダメになっていく人がいて、朝起きたらいつも顎が疲れているとか歯が痛いとかおっしゃる人がいるんです。睡眠中の食いしばりの典型的な証拠ですね。いくらプラークコントロールに熱心でも、体の疲れや緊張状態が続くと、噛みしめ、食いしばりが起きやすくなります。特に経験上、子育て中のママさんたちは知覚過敏に要注意ですね。これらは、皆さん歯を食いしばって頑張っている表れでしょう。

それだけ子育てのストレスは大きいということですね。診療中はどんなふうに声をかけていますか?

大木研一院長 大木歯科医院4

特別にあれこれ言うことはないですけれど、僕も20数年前に幼い息子の育児を経験しましたから、よくわかりますよ、言葉も通じないし大変ですねという話はよくします。これも時間がたって経験からおぼろげに見えてきたことですが、お子さんが幼稚園や学校に入って少し手がかからなくなった頃、ピタッと知覚過敏が収まるパターンもあるんです。そうかと思えば、今の僕ぐらいの年齢になって親の介護を始めたら、また途端に歯の不調を訴えるパターンもあります。人生の局面局面でどうしても歯を食いしばっていないと乗りきれないことは誰にでもあるでしょうから、せめてこの診療室で座っている間は一息ついて、日頃酷使している歯をいたわるきっかけにしてもらえたらなと思いますね。

これからも口の中の健康について患者と一緒に考えたい

品川区が行っている後期高齢者歯科検診のマニュアル作成に協力されたそうですね。

大木研一院長 大木歯科医院5

はい。2019年度のスタートに向けて各専門の先生方が編さんに参加され、僕もお手伝いしました。この検診は口腔機能の低下が体の衰えと密接に関係していることに着目したもので、対象の方は、区内のクリニックで一般的な口腔内のチェックのほか、咀嚼能力や舌の機能の評価、さらには全身と日常生活に関するフレイルチェックを受けられます。歯科で口の中以外の評価や指導を行う行政主導の取り組みは、当時としては全国にも例のないものでした。口は体全体の入り口ですから、汚くしていたら体に障るのは当然。こういった視点は普段の診療にも生かしていきたいですね。

診療を離れた時間はどのように過ごしていますか?

最近は忙しさにかまけてスポーツで体を動かすこともままならない状態ですが、診療に堪える体をつくるためにも、生活リズムを変えなきゃいけませんね。息子が大学でアメリカンフットボールをやっていた時には、試合の応援に行くこともありました。監督やヘッドコーチと話す機会があり、つい好奇心からプレー中のマウスガードについて質問したところ、安い既製品を使っているとのことだったので、会話の行きがかり上、僕が作ることになりました。内心では作る気まんまんでしたね(笑)。一時は100人以上いる部員が入れ替わりで医院を訪れ、型を採っては作るの繰り返しでした。今は、チームのメンバー限定で対応しています。これでは、余暇の過ごし方の話ではありませんね(笑)。

最後に、患者へのメッセージをお願いします。

大木研一院長 大木歯科医院6

患者さんに伝えたいのはただ1つ、「ご自身の口の中の健康について一緒に考えましょう」です。診療中は僕も教わることがいっぱいありますし、そもそも治しているのは僕ではなく、患者さんの体が自ら治していると思っているので、「一緒に考えましょう」という表現がしっくりきます。僕がしているのは治るためのお手伝い。歯を削ったり詰め物をしたりなど、少しは技術を用いるところもありますが、基本的には、自分で治るようにできている体の働きを助け、それを妨げるものがあれば、なるべく取り除く努力をするというのが僕の診療に向かうスタンスです。口腔内に気になることがある方やメンテナンスを始めたい方は、北品川に通院が可能でしたら、ぜひ一度ご相談ください。

Access