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寺島 達秀 院長の独自取材記事

オレンジ歯科

(船橋市/前原駅)

最終更新日:2024/04/15

寺島達秀院長 オレンジ歯科 main

新京成線前原駅から徒歩1分という便利な場所に、2024年2月にオープンしたばかりの「オレンジ歯科」。テラコッタ調のオレンジ色の屋根が目印で、気兼ねなく通院できそうな温かみのある歯科クリニックだ。白い格子窓から光が差し込む明るい院内で迎えてくれる寺島達秀院長のやわらかな笑顔にホッとする患者も多いだろう。大学病院で補綴の研鑽を積んだ後に、訪問歯科の世界に飛び込んだ寺島院長。幅広い経験があるからこそ、近隣住民の多様なニーズに臨機応変に応えるのも得意とするところだ。現在は通院患者をメインとしているが、ゆくゆくは足立区の本院同様に訪問診療にも注力していきたいと考えている。船橋エリアの地域医療のために今後どのような取り組みをしていきたいのか、診療にかける思いと併せて詳しく聞いた。

(取材日2024年3月11日)

船橋エリアでも訪問診療を届けたいという思いで開業

まず、歯科医師をめざしたきっかけやご経歴を教えてください。

寺島達秀院長 オレンジ歯科1

両親ともに歯科医師で、ごく自然に同じ道を志すようになりました。といっても決して「良い子」だったわけではなく、反抗期には「喧嘩するならまずは同じ土俵に立ってから」という考えもありましたね(笑)。父のように大学で研究を続けようと東京歯科大学で補綴学の講座に在籍していたこともあり、補綴分野は今でも僕の強みの一つです。大学病院で臨床に携わる日々は充実していましたが、一人ひとりの患者さんともっと密接に関わりたいという思いも正直なところありました。大学病院だとどうしても次回の予約までの時間が空いてしまいますからね。そんな時、大学の先輩が声をかけてくれて、足立区の本院で、訪問歯科という新しい世界に飛び込むチャンスを頂いたんです。

訪問歯科という新たな領域に挑み、何を感じましたか。

訪問診療に取り組むようになってから、患者さんとの距離は非常に近くなったと感じました。前回の記憶がフレッシュなうちに次回につなげていけるので、よりスピーディーな治療ができるようになった点は非常にうれしかったです。ただ、予約枠がしっかりと決まっている大学病院と違い、訪問診療では患者さんや施設の都合に合わせて柔軟に対応していかなければいけません。ケアマネジャーさんとの連携も欠かせず、スケジュール調整に苦労することもありますが、だからこそ、すべてが整った時のやりがいは大きいですね。

今回、船橋市にこちらのクリニックを立ち上げた理由をお聞かせください。

寺島達秀院長 オレンジ歯科2

現在厚生労働省により、訪問診療を保険診療で行う場合は、医療機関と訪問先は半径16km以内であることとされていますが、本院がある足立区からでは範囲外になってしまうエリアにも対応していきたいと考えました。船橋市は足立区からもほど近く、患者さんの緊急事態に本院からでも分院からでも駆けつけることができるというのも決め手でしたね。また、実はこの建物には長い間「老川歯科医院」という歯科クリニックがあったのですが、老川先生がワイヤレスの口腔内カメラや口腔外バキューム、高圧蒸気滅菌器などの設備をすべて譲ってくださったので、スムーズに開業することができて感謝しています。これまで老川先生のところに通っていた患者さんも続けて来てくださっているので、混乱して不安になることのないよう、内装などパッと目につく部分はできるだけ変えないようにしました。

患者サイドに立った恐怖を与えない治療を重視

現在、どのような治療を行っていますか。

寺島達秀院長 オレンジ歯科3

今のところは通院の患者さんをメインに診ています。年齢は40〜70代と幅広く主訴はさまざまですね。虫歯や歯周病の治療はもちろん、補綴治療なども行っていますが、すべてにおいて「ご自身の口でおいしく食べていただく」というのを大事にしています。僕自身、食べることが大好きなので、決して他人事と思っていません。患者さんの生活の質の維持と向上のためにも、自分の口で楽しく食事ができる時間を少しでも長く保てるようにしていきたいです。それは、訪問歯科でも変わりません。今後、ご依頼があれば当院でも本院と同じように「一生のかかりつけ歯科」として訪問診療に取り組みたいと思っています。

先生がこれまで行ってきた訪問診療について詳しくお聞かせください。

ご自宅や施設に小型のエックス線検査機器も含めた本格的な機器を持参して伺い、クリニック内で行うのとほぼ同じ内容の虫歯や歯周病の治療、入れ歯の調整や作製などを行っていました。特に悪いところがない方にも歯磨き指導や唾液腺のマッサージなどを実施していたのは、口腔内を清潔に保つことが全身の健康にもつながるからです。歯周病菌やそれが出す毒素が全身に影響を及ぼすといわれているため、注意しなくてはいけません。また、高齢になると低下しやすい嚥下機能については、舌、唇、頬などの口腔周囲の筋肉を鍛えて誤嚥性肺炎を予防するための取り組みも行っていました。人材と機材の問題をクリアして、一日も早く当院でもこのような訪問診療を実施したいと思っています。

先生が診療において大切にしていることは何ですか。

寺島達秀院長 オレンジ歯科4

訪問診療は多くの場合、ご高齢の方が対象です。さまざまな手を尽くしてやっと健康な口腔内が完成する一歩手前で亡くなってしまった方もいました。やはり、ご高齢だと突然のお別れというケースもありますが、それでもどんな方にも最期まで最善を尽くしたいと思っています。また、通院も含めすべての診療において患者さんに恐怖を与えないように気をつけています。僕自身、歯科医師でありながら歯科治療が怖いんです(笑)。治療を受ける側だった時、自分が嫌だと思ったことをよく覚えているので、患者さんに同じ思いをさせないようにしています。例えば、治療中に不意に襲われる痛みほど不快なものはありません。だからこそ「これから少しチクッとしますよ」など、前もって予告するように心がけています。かといって患者さんを怖がらせてしまっては無意味ですし、さじ加減には細心の注意を払うようにしていますね。

大学病院とも密に連携し地域医療に貢献したい

今後の展望についてお聞かせください。

寺島達秀院長 オレンジ歯科5

この地域で長く診療してきた歯科クリニックと同じ場所で開業させていただいたので、当面は手が届く範囲の近隣の方々をしっかりと診ていきたいと思っています。地域に根差してやっていきたいというのが1つ目の目標です。2つ目の目標は、やはり本院と同じような訪問診療を一日も早く軌道に乗せたいです。ここから半径16kmというと南は葛西、北は印西とさまざまなエリアに足を延ばすこともできますが、まずは船橋近辺から広げていけたらと考えています。通院と訪問の比率をどれぐらいにしようという目標は設定していなくて、あくまでも患者さんのニーズ次第で柔軟に対応していきたいです。

お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか。

たまっていた雑務をこなして食料などの買い出しをしていたら、いつの間にか一日が終わっています(笑)。食べることが好きなので、ラーメンを食べに行くこともありますね。チャレンジできそうな時はガッツリ系のお店で野菜、にんにく、背脂などを倍増してもらうこともあります。しっかり食べて元気をチャージするのがリフレッシュになっているかもしれません。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

寺島達秀院長 オレンジ歯科6

船橋エリアにお住まいで訪問診療を希望される方は、ぜひご相談いただければと思っています。もちろん、今後ともクリニック内での治療も続けていくのでどんな小さなお悩みでも気軽にお立ち寄りください。もし、高度医療が必要と判断されたとしても、東京歯科大学にはともに学んだ仲間がまだたくさん残っているので、すぐに紹介することができます。逆に何も問題を抱えていなかったとしても、そんな時こそ予防歯科への受診を始めるベストタイミングです。町の小さな歯科クリニックではありますが、末永く皆さまの歯の健康を守っていきたいと願っています。

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