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正しい知識で冷静に向き合いたい
小さな子どもの心疾患対処法

うちやま小児科こどもクリニック

(高槻市/摂津富田駅)

最終更新日:2024/04/08

うちやま小児科こどもクリニック 正しい知識で冷静に向き合いたい 小さな子どもの心疾患対処法 うちやま小児科こどもクリニック 正しい知識で冷静に向き合いたい 小さな子どもの心疾患対処法
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わが子に健やかに育ってほしいと願うほど、もしかしたら重大な病気が潜んでいないかという不安が頭をよぎるもの。中でも大きな心配の種となるのが、心臓に起こる子どもの心疾患。胎児のうちから先天性心疾患と診断されてショックを受けたなど、さまざまな体験談を耳にして不安を覚える親もいることだろう。そうした子どもの心疾患に深く関わり、豊富な経験からアドバイスをしてくれるのが「うちやま小児科こどもクリニック」の内山敬達(うちやま・たかみち)院長。冷静に向き合って確実な診断・治療につなげるために、親として押さえておきたい大切なポイントは何か、同院ならではの診療アプローチを交えて詳しく解説してもらった。

(取材日2024年3月14日)

わずかなリスクを見落とさず、早期診断・治療へつなげることが最重要テーマ

Q子どもの心疾患にはどのようなものがありますか?
A
うちやま小児科こどもクリニック 早期診断・治療が重要。子どもの受診基準を確認しておくと良い

▲早期診断・治療が重要。子どもの受診基準を確認しておくと良い

心疾患は心臓病とも呼ばれ、大きく3つに分類されます。まずは先天性心疾患で、お母さんのおなかにいるうちから胎児心エコー(超音波)検査などで心疾患と診断がつき、出生直後に手術や治療を受けるケースが現在では主流です。2つ目は、出生した後に重症な心疾患が見つかるケース。以前に比べるとかなり減りましたが、胎児心エコーでは見つかりにくい病気もあり、症状があれば乳幼児期のうちに積極的に心疾患を疑ってみる必要があります。3つ目が後天性の心疾患で、肥大型や拡張型の心筋症、川崎病などのほか、非常にまれなケースでは突然死につながる病気も存在するため、見落とすことなく早期のうちに診断につなげることが重要です。

Q受診のきっかけや目安について教えてください。
A
うちやま小児科こどもクリニック 子どもの様子に注意を払うことが病気の発見につながると語る院長

▲子どもの様子に注意を払うことが病気の発見につながると語る院長

超音波技術が進歩する以前は、生まれた後に顔色が悪い、ミルクの飲みが悪いというので調べてみると先天性心疾患が見つかったというケースがよくありました。同じような症状や、乳幼児健診で体重増加不良や心雑音が指摘された場合は、速やかに小児循環器の知識のある医療機関を受診すべきでしょう。一方の後天性心疾患は、学童期になって不整脈が見つかったり、発熱後の胸の痛みから心筋炎見つかったりすることがあります。乳幼児の場合は症状をうまく訴えることができませんから、元気がなかったり不機嫌だったりといった徴候に常に注意を払い、いかにピットフォール(見落とし)を防いで悪くなる前に見つけていくかが課題といえるでしょう。

Q診断ではどのような検査を行うのですか?
A
うちやま小児科こどもクリニック 心疾患を発見するためにエコーや心電図検査を用いる

▲心疾患を発見するためにエコーや心電図検査を用いる

心疾患の検査でまず代表的なのはエコー検査で、心臓の動きや病態をリアルタイムに確認するのに向いています。心臓だけでなく頭部や腹部の様子もわかるため、外科的緊急性を要する疾患など、さまざまな原因を短時間でスクリーニングできることもメリットです。また、不整脈や虚血性心疾患のチェックには心電図検査が有用で、学校心臓検査で異常が認められた場合の再検査などに用いられます。他にCTやMRI検査が必要ケースもありますが、エコーや心電図は極めて低侵襲で、子どもの負担が少ないことも特徴といえるでしょう。いずれにしても単体で判断するのではなく、複数の検査を重層的に行い、より確実な診断につなげることが望まれます。

Q最初から大きな病院にかかったほうが良いのでしょうか?
A
うちやま小児科こどもクリニック 長年にわたり、小児心疾患の経験を積んできた院長

▲長年にわたり、小児心疾患の経験を積んできた院長

エコーや心電図などの検査設備や専門知識がしっかりと備わっていれば、クリニックでも十分に診断が可能です。放射線やカテーテルなどの検査を必要とする場合を除き、検査や診断のためにわざわざ病院を受診する必要はありません。ただし手術などの入院治療は病院で行いますし、時に緊急性を要するケースもあるため、やはり病院との連携がしっかりとれているクリニックを受診しておくことが大切です。退院後はまたクリニックに戻っていただき、経過観察や薬の処方、点滴投与などを必要に応じて継続していきます。多くの場合は病院よりも長いお付き合いになるわけですから、お子さんのためにも信頼できるホームドクターを見つけておいてください。

Qこちらのクリニックならではのメリットを教えてください。
A
うちやま小児科こどもクリニック 緊急時のために病院と連携しているクリニックの受診を勧める

▲緊急時のために病院と連携しているクリニックの受診を勧める

私は大学病院や関連病院で小児心疾患に専門的に携わった経験が長く、開業医の先生から紹介で送られてくる患者さんを過去に数え切れないほど診てきました。逆の立場となった今も、専門家の一人として検査・診断には常に全力を注いでいます。特にエコーは先進的な機種を導入し、心臓に直接関係がないような症状であっても積極的に活用して不安要素を排除するよう努めています。また、当院の連携病院である高槻病院は私のかつての勤務先で、小児救命救急センターもありますから、万一の場合にもスムーズな連携が可能です。検査・診断から入院手術、経過観察まで安心してお任せいただけるとうれしいですね。

ドクターからのメッセージ

内山 敬達院長

子どもの心疾患を診療する上で大切なのは「疑う」ことです。たとえそれが非常にまれなケースであったとしても、中には冠動脈起始異常や肥大型心筋症といった、見つかった時には一大事という病気が潜んでいる可能性がゼロとはいえません。もっと早く見つけておけば良かったと後悔する前に、日々の診療の中で心疾患のリスクをチェックしておくことをお勧めします。今のお母さんは、ほとんどの方が妊娠中にエコー検査を体験され、ほとんど痛くないことをよくご存じでしょう。お子さんの診察の際に気軽にご相談ください。

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