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佐野 仁志 院長の独自取材記事

さのこどもクリニック

(米子市/三本松口駅)

最終更新日:2023/12/01

佐野仁志院長 さのこどもクリニック main

鳥取県米子市に2023年11月に開業した「さのこどもクリニック」。県道47号線「内浜産業道路」沿いのフクロウの親子の看板が目印だ。院内は明るい色合いが基調のウッディな内装に、待合室には大きな木のオブジェ、診察室のドアはやわらかいピンクや水色、黄緑色などで描いたアーチが囲み、まるで幼稚園のような雰囲気。これは「子どもたちが来やすいクリニックにしたい」という佐野仁志院長のこだわりだ。大学病院や総合病院で、風邪や肺炎、喘息、アレルギー疾患から小児がん、血友病まで幅広く子どもの診療に携わってきた佐野院長。今後は地域のかかりつけの小児科医として「より身近に長いスパンでお子さんの健康と成長に関わり、ご家族を支えたい」と話す。開業を間近に控えて忙しい中、穏やかな笑顔と語り口でインタビューに答えてくれた。

(取材日2023年10月30日)

かかりつけ医として子どもの成長を見守りたい

なぜ、小児血液腫瘍の道を選んだのですか。

佐野仁志院長 さのこどもクリニック1

人の役に立つ仕事をしたいと思い、父が薬局の店長をしていたこともあり、医療系に関心を持ち、鳥取大学医学部に進学しました。小児科は病気だけではなく、新生児から大人になるまでの成長過程も見守っていけるとても魅力的な診療科だと思い、卒業後は鳥取大学小児科に入局しました。医師3年目で鳥取県立中央病院に異動となりましたが、このような時に白血病のお子さんの主治医となりました。長期で関わることになりましたが、患者さんの成長や人生に寄り添い、さらにはお話を伺うことがご家族の不安解消になるなど、深く関わることができる小児血液腫瘍の医療にやりがいを感じました。数年後にその子が就職したと聞いた時には本当にうれしかったですね。そのような経験もあり、大学に戻ってから血液・腫瘍グループに入りましたが、多くの患者さん・ご家族と触れ合う中で自分も成長させていただいたと感じています。

勤務医時代は、どのように研鑽を積んでこられたのですか。

1年間ほど群馬県の小児科専門の病院にいた以外は、鳥取県内の大学病院や総合病院に勤務し、風邪や肺炎、喘息、アレルギー疾患から小児がん、血友病まで、さまざまな症例に携わりました。周産期医療を行う病院では、早産児や先天異常児など重篤なお子さんも含め、新生児の医療ケアも担いました。臨床現場では、診療の技術的な面だけでなく、患者さんとの関わり方を学べたのも大きいです。例えば、こちらがいい治療法だと思っても、患者さんやご家族は、「どうしてこういう治療になるの?」と、疑問に思われることもあります。ですから、丁寧に説明して、相手が理解して納得した上で治療を進めていくことの大切さを身をもって学べたんです。

開業への思いをお聞かせください。

佐野仁志院長 さのこどもクリニック2

大きな医療機関で診療を行ううちに、身近なところで長期的に患者さんやご家族に関われる地域医療をやってみたいと考えるようになりました。ちょっとした体調不良や相談で気軽に受診することができるような、かかりつけの小児科クリニックとして、患者さんの成長を見守り、ご家族の安心に寄り添っていきたいと思ったんです。まず最初の受け皿として、地域の皆さんに頼っていただけるクリニックにしたいですね。その上で、必要な場合は専門的な医療機関に紹介させていただくなど、フォロー体制も整えます。

リラックスできる環境で幅広く小児医療を提供

開業にこの場所を選んだ理由をお聞かせください。

佐野仁志院長 さのこどもクリニック3

幼稚園から高校まで兵庫県伊丹市で育ち、米子との関わりは鳥取大学に進学してからになります。受験で初めて来たときは、雪が積もっていて、今より駅前もにぎわっていなくて、伊丹とのギャップに驚きましたよ。でも、入学して暮らしてみたら、「いいところだな」と、とても気に入って、住みついてしまいました。今も休みの日に犬の散歩を楽しんだり、時々、趣味のゴルフに行ったり、屋外で過ごすのが好きなので、自然が豊かな土地は合っているんでしょうね。開業にあたってこの場所を選んだのは、幹線道路に面していてアクセスが良く、すぐ近くにスーパーや衣料品店などもあり、お子さんを連れて受診するにも便利かなと感じたからです。

どのような診療を受けることができますか。

小児科全般です。風邪などの感染症をはじめとする体調不良、アレルギー疾患など、幅広く対応します。院内には感染症の患者さん専用の個室を3部屋用意し、インターネット予約・呼び出しシステムを導入して待ち時間の短縮を図るなど、感染症対策を徹底しますので、安心して受診してください。乳幼児健診は、3~4ヵ月健診、9~10ヵ月健診、1歳6ヵ月健診を実施します。予防接種は、四種混合、BCGからインフルエンザ、水疱瘡、おたふく風邪、日本脳炎、ロタウイルスなどの子どもに多い感染症、さらにB型肝炎、子宮頸がんワクチンなどの接種が可能です。新生児の医療ケアに携わった経験から、乳幼児の健康や子育て不安のご相談にも対応いたします。

子どもが喜びそうな院内の装飾には、こだわりを感じます。

佐野仁志院長 さのこどもクリニック4

クリニックのデザインは、友人にも相談しながら、設計士さんと一緒になって考えました。待合室に大きな木のオブジェを設置するなど、院内は森をイメージしたデザインです。子どもにとって嫌な処置や苦痛な注射などをすることもあるので、できるだけ子どもが怖い場所と思わず、気軽に来られる雰囲気づくりにこだわりました。安全面に配慮し、壁は一部クッション性のある素材にしています。2部屋ある点滴室は、空と宇宙のイメージ。長くかかる点滴中に楽しくリラックスした気分になれるように、畳敷のお部屋にして、雲や気球、ロケット、星をあしらいました。また、待ち時間や予防接種後の待機時間などに気分転換できるように、テラスもご用意しました。

丁寧な説明で、家族も安心・納得できる診療を

普段、診療の際に心がけていることを教えてください。

佐野仁志院長 さのこどもクリニック5

子どもに接するときには、声かけや表情で恐怖心を与えないように気を配っています。そして、付き添いのご家族には、お子さんの状態や治療内容などを丁寧にご説明し、納得していただけるように努めます。お子さんが体調が悪いときには不安に思うのも無理はありません。もし不安を抱えておられるなら、何が心配なのか確認し、不安を少しでも和らげられるように、しっかりお話しいたします。また、検査をご希望の場合、本当に検査は必要なのか、きちんと説明した上で、どうするか相談させていただきます。スタッフも皆、話しやすいメンバーがそろっていますので、気兼ねなく何でもおっしゃっていただきたいですね。

育児中の方に向けて、子どもの健康を守るためのアドバイスはありますか。

病気だけでなく、けがや事故から子どもを守ることも大切です。子どもは、思いもかけない場面で溺れたりやけどを負ったり、意外なものを誤飲したり、日常の中でも事故に巻き込まれる危険があります。例えば日本小児科学会のホームページでは、全国の医療機関から報告された、実際の子どもの事故の状況について知ることができます。日常の中に潜むリスクを知るだけでも、危険なものを置かないとか、お子さんから目を離さないなど、事故を未然に防ぐことにつながるはずです。

最後に、今後の展望と読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

佐野仁志院長 さのこどもクリニック6

当院は、お子さんの健康や成長に関するお悩みを何でも気軽に相談できるクリニックをめざしています。風邪などの体調不良だけでなく、お子さんの状態で気になることがあるなら、どんなことで受診していただいても構いません。例えば、メンタルヘルスは専門外ではありますが、長期入院中のお子さんが落ち込んだときにフォローした経験などはありますので、いきなり心療内科はハードルが高い、というときにご相談いただければ、専門的な医療機関をご紹介することも可能です。「こんなこと相談していいのかな」と、悩まずに、まずはご相談ください。

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