最新の治療技術と設備、精神的サポートまで
一人一人にあったオーダーメイドの不妊治療
三軒茶屋ウィメンズクリニック
(世田谷区/三軒茶屋駅)
最終更新日:2021/10/12
「子どもが欲しいけれど、なかなか授からない」。そんな悩みを抱える30代、40代は増えている。実際、不妊症治療で婦人科を訪れる人は年々増加の一途。当事者でなくとも不妊で悩んでいる知人や友人を持つ人も少なからずいるのではないだろうか。不妊症はいまや現代病といわれ、メジャーな疾患ではあるが、いざ当事者となった時、治療への一歩を踏み出すのには大きな勇気がいる疾患であることも確か。そこで、平成23年2月に新しくオープンした「三軒茶屋ウィメンズクリニック」の保坂猛院長を訪ね、長く不妊治療に携わってきたスペシャリストの観点から、不妊症の現状や最新の治療、治療のプロセスなどを伺った。
(取材日2011年7月4日)
目次
不妊症を取り巻く現状と、クリニックが行う不妊症治療について伺いました。
- Q不妊症が増加しているとのことですが、その原因はなんでしょう?
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A
出産年齢の上昇が一番の原因だと思います。女性の社会進出に伴って仕事を持つ女性が増え、結果、晩婚化、出産の高年齢化が進んでいるのです。全国統計によると1990年には25〜30歳での出産が一番多かったのに対し、今ではピークが30〜34歳とプラス5歳も上昇。とくに核家族が多い都市部にその傾向が強いようです。出産後、保育所にもあきがない。かといって仕事を辞めれば家計を切り詰めざるをえないわけで、これらさまざまな問題が妊娠、出産の時期を遅らせているのです。つまり、不妊症の増加は個人の問題というより、社会的な問題だと言えるでしょう。ではなぜ、晩婚化や出産の高齢化が不妊へとつながるのか。それは人生で経験する月経の回数が影響しています。月経回数が多いことで誘発される病気は数多くあり、その最たるものが子宮内膜症や子宮筋腫。いずれも不妊症の原因になるといわれる病気です。また最近では、不妊の原因が男性側にあるケースも少なくないことがわかってきています。
- Qクリニックではどのような不妊治療に取り組まれているのですか?
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A
一般不妊治療としてタイミング治療や排卵誘発、ホルモン療法、生殖補助として人工授精や、顕微授精、卵を凍結し移植する凍結胚移植をはじめとする体外受精全般を行っています。院内には培養室も完備し、最新かつ高度な治療もすべてここで対応できます。煩雑な作業や検査をマニュアル化(ダブルチェックなど)すること、さらに非常用電源もしっかり備えることによって治療環境の安全性にも注意を払っています。また、いずれ症例数が増えてきたら治療の成績を院内に掲示し、通ってくださる患者さんに役立つような情報提供に力を入れたいですね。ソフト面でもハード面でも、今できるなかで最善の医療を行いたいと考えています。
- Q治療の流れについて教えてください。
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A
まず各種検査をし、ご夫婦ともに異常がない場合はタイミング法の指導、排卵誘発など一般の不妊治療を行います。数回繰り返しても妊娠できなかった場合は人工授精、それでも結果が出ないときは体外受精というように、段階的に治療の選択肢を用意しています。クリニックの得意分野としては体外受精全般が挙げられますが、あくまで僕の理想は低コストで極力薬を使わない、できるだけ自然に近いかたちでの妊娠。ただし、不妊治療には年齢が大きく影響するため、30代の方と40代の方では治療スタンスは変わります。残された時間を考え、より有効な時間の使い方をすべきですから。患者さん個々のケースに応じてプランをたてる、オーダーメイドの治療がクリニックの特徴です。
- Q不妊治療には、患者の心のサポートも重要だと伺いました。
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A
精神的なケアはたいせつです。失敗した時の患者さんの喪失感はものすごく大きいと思うんですよ。長いスパンでみると決して安い治療費ではないのでなおさらです。時には「あなたの場合、この治療法では結果が出にくいようです」と、事実を告げなければいけない局面も出てきますが、そんなときこそ「じゃあ、次はこうしていきましょう」と、前向きな提案を心掛けています。大事なのは一緒に頑張っていこうという姿勢でいることじゃないでしょうか。医師と患者さんとの間で信頼関係が築けられれば、精神的につらい時でも乗り越えていけるはずだと考えています。患者さんがこのクリニックを選んだのは、治療成績がいいから、清潔だから、家から近いから……、いろんな理由がおありでしょう。でも最終的には「先生がいいから、信頼できるからここで治療をしたい」、そう思っていただけたらとても嬉しいですし、僕自身そういうスタンスで患者さんと向き合っています。