全国のドクター9,253人の想いを取材
クリニック・病院 158,515件の情報を掲載(2024年6月02日現在)

  1. TOP
  2. 岐阜県
  3. 岐阜市
  4. 名鉄岐阜駅
  5. おぐら産科婦人科クリニック
  6. 小倉 寛則 院長

小倉 寛則 院長の独自取材記事

おぐら産科婦人科クリニック

(岐阜市/名鉄岐阜駅)

最終更新日:2024/05/07

小倉寛則院長 おぐら産科婦人科クリニック main

岐阜駅からバスで約20分のところにある、2023年10月に開業した「おぐら産科婦人科クリニック」。「診察室の椅子は背もたれが回転します。おなかがつらい患者さんが来院されたときに、前に背もたれを持ってきて、前傾で座れたら楽かなと考えたんです」と、患者に寄り添った診療を行うのは、院長の小倉寛則(おぐら・とものり)先生だ。小倉院長は、祖父・父ともに産婦人科の医師家系に育ち、親子3代にわたって産婦人科での医療を提供。がん検診で異常が指摘された場合は、精密検査や小手術も行う。また出産・自然分娩も扱う産婦人科として3階に入院室を備え、骨盤底筋トレーニングの指導も行い、産後ケアにも力を入れている。地域に根差した診療を行う小倉院長に、開業のきっかけや診療内容、心がけていることについて聞いた。

(取材日2023年11月15日)

生まれ育った岐阜で産婦人科医療に貢献したい

なぜ岐阜での開業を決めたのでしょうか?

小倉寛則院長 おぐら産科婦人科クリニック1

医師である祖父との約束が大きかったと思います。実は私の祖父も父も産婦人科の医師で、この岐阜の地に開業し、長年地域医療に尽力してきました。私が大学の医学部に入るとき、医師の道を応援してくれていた祖父と「いつかおじいちゃんの後を継ぐから」と約束を交わしていたんですよ。大学卒業後、勤務医として九州地方で異動を繰り返していたのですが、「医師として経験を積んだら、いつか祖父や父のように、生まれ育った岐阜の地域医療に貢献したい」とずっと思っていました。そして九州から岐阜の病院へ異動し、岩砂病院など地元の病院での勤務を経て、この度、父のクリニックの隣に開業を決めました。

おじいさまの代から通う地域の患者さんも多くいらっしゃいますか?

ありがたいことに祖父の代からご家族で通っていただいている患者さんもいます。患者さんの年齢層が10~80代と幅広いことが特徴の一つでしょうか。祖父が取り上げた赤ちゃんが大人になり、私のクリニックに通われていたりもします。以前勤めていた岩砂病院では、お産を担当したお母さんが、父のクリニックで生まれた方だったことも何度もあります。昨日は岩砂病院で担当していた患者さんが私の開業を聞きつけて来てくださって、とてもうれしく思いました。

日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医の資格をお持ちですが、その経験はどのように今生かされていますか?

小倉寛則院長 おぐら産科婦人科クリニック2

勤務医時代に九州がんセンターをはじめ、多くの患者さんの腫瘍を診る機会がありました。その経験の蓄積から腫瘍の状態をパッと診て「これは悪い状態かもしれない」など勘が働くといいますか、鋭い観察眼を持っていることは強みかもしれません。例えば病院勤務時代、検査機関から「がんではない」という検査結果がプレパラートとともに返ってきたことがありました。しかし私がそのプレパラートを顕微鏡で念のため確認したところ、やはりがんだったというケースがあったんです。そういうことはまれですが、今でも、自分の目でも確認するように気をつけています。

子宮頸がんの前がん病変に対して、レーザー治療も行っているのですね。

婦人科腫瘍の専門家として、治療器の扱いに慣れているので、患者さんの選択肢を増やせればと思い、導入しました。子宮頸がん検診で引っかかった患者さんの中には、がんになる手前の状態の前がん病変と診断される方も多くいます。前がん病変とは、「がんではないけれど、正常に比べてがんの発生しやすい細胞がある状態」で、つまりどっちつかずの状態です。経過観察か手術の対応になりますが、前者だと自然に消えるまで、長ければ何年も通院しなければなりません。後者だと2泊3日程度のまとまった日数が必要です。しかしレーザー治療であれば日帰りで焼くことができ、早ければ1回で病変を焼失させることがめざせるんです。

産後まで母親が安心できるように

診察室が広々としていて、内装も明るく、居心地が良いですね。

小倉寛則院長 おぐら産科婦人科クリニック3

実は、妊婦の方の救急搬送に備えて、救急車のストレッチャーが入るように広く造りました。玄関からの動線も確保しています。救急搬送はないに越したことはありませんが、万が一に備えています。内装は患者さんにリラックスしていただけるように、白を基調として設計しました。3階の入院室は、ピンクや水色など淡くかわいいテーマカラーを部屋ごとに決めて設計しています。あとは、入院時のセキュリティーをしっかりさせたいと思い、エレベーターを含めて警備システムを設置しました。不審者の侵入はもちろん、ガラスが割れたなどでも警報が鳴るようになっています。安心して出産に臨んでほしいです。

産後のケアにも力を入れていると伺いました。

出産後のお母さんやご家族の支援のために、母乳相談を行っています。授乳やおっぱいについて困ったこと、わからないこと、話を聞いてほしいことなど、じっくりと伺います。

骨盤底筋トレーニングについて教えてください。

小倉寛則院長 おぐら産科婦人科クリニック4

骨盤臓器脱に精通したスタッフがいますので、希望される方にマンツーマンで骨盤底筋トレーニングの指導を行うことが可能です。骨盤臓器脱とは骨盤底が緩むことで、膣から子宮や膀胱、直腸などがはみ出る病気です。実は出産経験者の約4割が経験するといわれています。骨盤が緩む原因としては、妊娠出産による骨盤底筋や神経の損傷以外にも、肥満や便秘、加齢による女性ホルモンの低下なども挙げられます。つまり女性にとって身近な病気なんです。骨盤臓器脱は自然に改善することはありません。骨盤底筋を鍛えることで症状の予防がめざせます。また骨盤底筋を鍛えることは、腹圧性の尿失禁の症状改善にもつながる可能性が期待できます。気になった方は一度ご相談ください。

いつでも気兼ねなく頼れる岐阜の産婦人科をめざして

医師をめざしたきっかけと、その中でも産婦人科を選んだ理由をお聞かせください。

小倉寛則院長 おぐら産科婦人科クリニック5

実は父から「医師になれ」と言われたことは一度もないんです。でも、幼稚園のときから将来の夢は、自然と「医師」と思っていました。学校に入ってからもずっとです。祖父や父が医師として働く姿を見て、「朝も早いのによく働いていてすごいな」と子どもながらに感心していたので、自然と医師という職業が頭にインプットされていたのかもしれません。もともと勉強が好きで、医学部をめざす勉強にやりがいを感じていた部分もあると思います。医学部の学生時代に内科や放射線科にも魅力を感じましたが、「多く手術に携われるほうがいい」と思い、産婦人科に決めました。産婦人科医になって働いてみて、やはり赤ちゃんが元気に生まれた瞬間の喜びはひとしおで、産婦人科の医師になって良かったと思います。

第3日曜日以外は毎日診療されていると伺って驚きました。貴重な休日はどのようにお過ごしですか?

隣に父のクリニックがあるのですが、診察内容によっては、父が患者さんに私のクリニックをご案内することもあるんです。そのため、父のクリニックと同じく第3日曜日以外は毎日診察を行うことにしました。平日は診察に来ることが難しい方も気兼ねなく来ていただければうれしいですね。休日は、小学校6年生と4年生、年中の子どもがいるので、一緒に遊んでリフレッシュしています。1人のときはテレビを見たり、料理したりしていますね。

最後に読者へメッセージをお願いします。

小倉寛則院長 おぐら産科婦人科クリニック6

診察では図を描いたりモニターで示したり、患者さんにわかりやすいようにご説明することを心がけています。機械の使用の際にも、患者さんがなるべく痛みを感じないよう、不安を感じないように細心の注意を払っていますが、もし何かあればいつでも気軽におっしゃってください。また私のクリニックでは、第3日曜日以外毎日診療を行っています。容態が急変した、少し体調が優れない、病気かどうかわからないけれど相談したいときなど、「おぐら産科婦人科クリニックがあるからいつでも安心だな」と、地域の皆さんに頼りにしていただけるようなクリニックをめざしていきます。

Access