全国のドクター9,299人の想いを取材
クリニック・病院 158,579件の情報を掲載(2024年6月11日現在)

  1. TOP
  2. 岐阜県
  3. 不破郡垂井町
  4. 垂井駅
  5. いその耳鼻咽喉科医院
  6. 磯野 泰大 院長

磯野 泰大 院長の独自取材記事

いその耳鼻咽喉科医院

(不破郡垂井町/垂井駅)

最終更新日:2024/05/13

磯野泰大院長 いその耳鼻咽喉科医院 main

垂井駅から徒歩6分の場所に「いその耳鼻咽喉科医院」はある。2023年9月1日に磯野泰大院長が開業した。カフェのようなおしゃれな外観に、木のぬくもりを感じる院内は、来院する患者の心まで明るくしてくれそうだ。磯野院長の地元でもある垂井町での開業で、「地元で開業する安心感は何にも代えられないものがあります」と親しみやすい笑顔で磯野院長は話す。高齢化の進む地域であっても子どもやその保護者の来院が多いのも、磯野院長の気さくで居丈高になることのない、優しい人柄があってのことだろう。磯野院長は耳鼻咽喉科の中でもとりわけ耳と音声を専門とし、補聴器が必要な高齢者にも気軽に利用してほしいと呼びかける。そんな磯野院長に、開業への思い、自身の専門、今後の展望など、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2024年4月9日)

地域に積極的に関わっていけるクリニックでありたい

すてきなクリニックですね。こだわりはありますか?

磯野泰大院長 いその耳鼻咽喉科医院1

なるべく地元の方々に携わっていただきたかったので、設計は地元の設計士さんにお願いしました。院内の椅子も地元の木工職人さんに作っていただいたんですよ。あとは、待合室のカウンターですね。私自身、受付の方と面と向かって待つのが苦手でしたので、外の景色を見て待っていただける配置にしました。あとは携帯電話が充電できるよう電源を備えつけて、フリーの無線LANも用意しています。また、待ち時間が少なくなるようウェブ予約システムも導入しました。待ち時間が極力ないように、あってもストレスが少なくなるように意識しましたね。自分だったらこんなクリニックがいいなというイメージを形にしたかったんです。

垂井町ご出身とのことですが、開業にあたって地元を選んだきっかけは?

新型コロナウイルス感染症流行の影響は大きかったですね。もともと飲みに出歩くのが大好きだったのですが、行動制限がかかって自由に人に会えなくなった時に、家族とのつながりの重要性をすごく感じたんです。あとは、環境もあります。山や川が近くにあって、のどかで、ここにいると自然を身近に感じられます。私は横浜市に長くいたのですが、都会は季節ごとに感じる自然のにおいがしないんですよ。ここは自然のにおいを感じられます。そういったにおいで昔の記憶を思い出すのですが、それがすごく良いことだなと思っているんですね。この辺りには耳鼻咽喉科が少ないこともわかっていたので、私がずっとやってきた仕事で、少しでも地域の役に立てたらという気持ちもありましたね。

どのような患者さんが多く来院されますか?

磯野泰大院長 いその耳鼻咽喉科医院2

この地域はもちろんですが、滋賀県から来院される方もいます。半分ほどがお子さんで、次にその親御さんが多いです。高齢化が進む地域ですが、ご高齢の方の来院は少なく、お子さんの姿が多いのは驚きでした。お子さんが多いので、風邪、鼻水が出る、耳が痛いといったことでの来院が顕著ですね。発熱の患者さんを受けつける外来もありますので、熱が出た方も多いです。花粉症シーズンが診察数のピーク時期です。

地域に向けて、学んできたことを発信していきたい

磯野院長の今までのご経験を教えてください。

磯野泰大院長 いその耳鼻咽喉科医院3

開業する前に勤めていたのが大学病院の分院だったのですが、そこで人工内耳の手術に多く携わりました。他に先天性の難聴のお子さんや、中途失聴された大人の手術もしていましたし、手術の適用がない方には補聴器のご相談にも対応していました。専門としている音声については、声がかれるといった方の声帯自体に病気がないか診察したり、言語聴覚士さんのもとで行う声の出し方のトレーニングのアドバイスなどをしたり、声帯麻痺の方の手術を行ったりしていました。実は今も2ヵ月に1回、音声が専門の外来の勉強に行っているんです。自分の専門性を生かした仕事に、今後もっと携われたらいいなと考えています。

今までの経験で、記憶に残っているエピソードはありますか?

耳鼻咽喉科の医師になって1年目の横浜市の病院に勤めていた頃、上司の患者さんとの関係性の築き方に衝撃を受けたことがありました。がんが再発された方へその告知を上司がしていたのですが、とても穏やかな時間が流れていたんです。重い話ですし患者さんにとっては悪いニュースであるにもかかわらず、実に朗らかに会話していました。診療中に重ねられたコミュニケーションで、二人がわかり合えていたのでしょうね。そんな関係性はどうしたらつくり出せるんだろう、私もそんな医師になりたいと思うようになりました。この経験は人生においても強いインパクトがあり、今も折にふれて思い出しますね。

そもそも磯野院長が医師を志したきっかけは何でしょう?

磯野泰大院長 いその耳鼻咽喉科医院4

父が歯科医師で医療関係の仕事に就いていたので、イメージが湧きやすかったことが医師を志す土台となったと思います。進学した東海中学・東海高校には、医学部へ進学する生徒が多かったという環境的要因もありました。決して崇高な志で医師になったのではないのですが、地元に帰ってきて「耳鼻咽喉科ができて良かった」と言ってもらえると、この職業に就けて良かったと心から思います。専門を耳鼻咽喉科に選んだきっかけはいくつかあります。学生時代に左耳が音響外傷という病気になって、耳鼻咽喉科にお世話になったのが一つ。風邪や一般的な病気を診ることができて、手術もできる診療科だったことも理由の一つです。耳鼻咽喉科は診療の幅だけでなく、年齢層も幅広くて、バリエーションに飛んでいて刺激もあり、飽きっぽい自分にぴったりの診療科でしたね。

どういったことに力を入れていきたいとお考えですか?

高齢化が進む中で、予防などの医学的な知識を受診した方にお伝えするだけではなくて、地域の方に広めていけたらと思っています。特に今、難聴の高齢者が補聴器はうるさいというイメージを持たれていて、嫌だとおっしゃることが多いのです。しかし、補聴器は眼鏡のようにぱっとつけてぱっと視力の改善を図れるといった類のものではなく、一人ひとりに合った調整や使い方の訓練が必要な道具なんです。そういった説明ができたらいいなと考えていますが、診療時間内ですべてをお話するのは難しいですね。先入観を取り除くのは時間がかかると思いますが、少しずつでも減らしていきたいと考えています。どういった啓発をしていくのが良いか、模索しています。

「高齢だから難聴は仕方ない」と諦める前に、相談を

診療時はどういったことを心がけていますか?

磯野泰大院長 いその耳鼻咽喉科医院5

例えばお子さんですと、事前に診察は痛くしているのではないよとちゃんと伝えて、痛くないと思ってもらえるように配慮しています。そして、どんなに小さいお子さんでも、これから何をするかを伝えています。そうすると、進んで診せてくれるようになるんですよね。耳鼻咽喉科は患者さんにとって喜んで向かう場所ではありませんので、多少なりとも嫌な思いをさせてしまうこともあります。ですが、鼻の吸引をすれば鼻が通るように導けるといったように、診療を通して苦しさの改善が見込めるんです。どんな年齢の方であっても、お互いにハッピーになれるような診療を心がけています。

今後の展望を教えてください。

耳鼻咽喉科を受診する必要性のある病気、あるいは症状に対して、まずはしっかりと対応していきたいですね。また、地域の人たちと積極的に関わっていきたいとも思っています。去年3人制のバスケットボールチームが新しくこの地域に発足したんですが、そのスポンサーをさせていただいているんです。お子さんが楽しくなるような活動を推進して、この地域が元気になれば、住む人も増えて、地域自体が元気になる。ここで生まれ育った一個人としても、こうした活動にどんどん関わっていきたいですね。

読者にメッセージをお願いします。

磯野泰大院長 いその耳鼻咽喉科医院6

子育て世代の方はとても忙しい日々を送られていると思います。時間が取れない中でも、ご自身が受診する際に負担が少なく、お子さんも連れてきやすいクリニックにしていきたいです。地域を担っていく重要な世代ですので、そういった方たちが生活しやすい町づくりに関われるクリニックでありたいと思っています。より良くするためのご意見があれば、積極的に教えてください。また、ご高齢の方は難聴を歳のせいにされて、治らない疾患と思われているケースも多いですが、中には病気が隠れている場合もあります。そのような場合も含め診察させていただいていますので、諦める前にご相談ください。耳鼻咽喉科は首から上の脳や目以外が診療範囲です。そのエリアでお困りのことがあれば、気軽にご相談いただければと思います。

Access