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宮永 宜明 院長の独自取材記事

鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック

(鹿児島市/鹿児島中央駅)

最終更新日:2023/10/25

宮永宜明院長 鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック main

鹿児島中央駅に接続した商業施設の中にある「鹿児島中央駅耳鼻(みみはな)日帰り手術クリニック」。宮崎市の「宮永ENTクリニック」から理念や診療スタイルを引き継ぎ、分院という形で2023年5月に開業。地域住民を中心に、駅を利用する人々の耳・鼻・喉に関する悩みに対応しながら、慢性中耳炎や慢性副鼻腔炎などの日帰り手術も行う。医学博士である宮永宜明院長は、医師になりたての頃から鹿児島を仕事で訪れ、鹿児島市立病院での勤務経験もあるなど鹿児島と縁の深い人物。耳に症状がありながらも、それを長年放置している人が多いことに危機感を感じてきた。「当院であれば日帰りでも手術ができると知ってもらい、受診や手術のきっかけになれば」と語る宮永院長に、クリニックの診療方針や日帰り手術、地域に対する思いなど話を聞いた。

(取材日2023年8月29日)

幅広い診療と日帰り手術で地域に根差した診療を行う

まず、こちらはどのようなクリニックなのか教えてください。

宮永宜明院長 鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック1

宮崎市にある耳鼻咽喉科「宮永ENTクリニック」の分院として、2023年5月に開業しました。本院が掲げる理念や築き上げた診療スタイルはそのままに、中耳炎やアレルギー性鼻炎など、耳・鼻・喉に関する病気を幅広く診療しています。当院の特徴は、慢性中耳炎や慢性副鼻腔炎をはじめとした病気の日帰り手術が可能だというところです。そのことを広く認知してもらうため、クリニック名に「日帰り手術」と入れました。手術だけではなく通常の外来診療も行っており、鹿児島中央駅に直結した建物に入っているので、近隣・県内のみならず県外から来られる患者さんも多く、時には出張や旅行の最中に体調を崩したという方も。年齢も10代から上は90代まで、さまざまな年代の方にご利用いただいています。

鹿児島は、院長にとってゆかりのある土地だそうですね。

私自身は宮崎出身で、福岡の大学卒業後は宮崎大学病院に入局したのですが、当時から学校健診や外来診療のために鹿児島に来る機会が多くあり、それ以外にも鹿児島市立病院に1年間勤務した経験があります。鹿児島に来て診療する中で感じたのは、宮崎に比べて耳に関する悩みを抱えている方が多いということです。違和感や症状があるのに放置してしまい、結果として重症化したり難聴になってしまったりした患者さんが多い印象でした。もともと「人を治したい」という強い思いから医師になったこともあり、この現状をなんとかしたいという気持ちがありました。実際に開業してみると「長年抱えていた耳の悩みを相談したい」と受診する方も多く、とてもうれしく感じています。

とてもおしゃれな内装で驚きました。院内で工夫した部分があれば教えてください。

宮永宜明院長 鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック2

性格的に目新しく斬新なものが好きなので、人の目を引く、興味を持ってもらえるようなデザインにしようといろいろ考えました。スペースごとに趣向を変えて、待合室は美術館やカフェをイメージして木目を基調にした、閉塞感がないオープンスペースにしました。アートを取り入れた部屋もあり、いい意味でクリニックらしくない内装になっていると思います。一方で、手術やレーザー治療のための設備も取りそろえており、手術室やカウンセリングルームは清潔感があってリラックスできる空間にしました。面白さと安心感、その両方を兼ね備えたクリニックにしていきたいと思っています。

患者の負担を最小限に抑えるための日帰り手術

耳鼻咽喉科で日帰り手術を行っているところは少ないと思います。「日帰り」にこだわる理由は何ですか。

宮永宜明院長 鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック3

当院は「ただ治すだけではなく、患者さんの負担を最小限に」という目標のもと診療にあたっています。耳や鼻の手術となると、一般的には全身麻酔であったり、入院期間が1週間近くかかってしまうため仕事を長期間休まなければならなかったり、お金もかかったりと患者さんの負担が大きくなることがほとんどです。当院では、局所麻酔による日帰りの手術を行うことで、そうした生活面や心身、経済面への負担を最小限に抑えて、手術に対するハードルを下げてもらいたいという思いがあります。日帰り手術は、先進の医療技術と医師の経験・技術を要するため、どこのクリニックでもできるわけではありません。患者さんの中でも特に、仕事が忙しい方や、小さなお子さんがいて長期間家を離れられない方、受験や学業でまとまった時間が取れない方に、日帰り手術という選択肢があることを知っていただきたいですね。

どのような病気を対象に手術を行っているのでしょうか? また、得意としている手術はありますか?

耳については、慢性中耳炎の方が中心で、鼓膜穿孔や難聴、耳垂れなどの症状がある方に顕微鏡による手術を行います。鼻については、一般的には蓄膿症といわれる慢性副鼻腔炎。症状としては鼻詰まりや鼻水、喉の違和感で悩まれている方が多い病気で、内視鏡による手術を行います。得意としているのは、鼓室形成術という手術です。慢性中耳炎で鼓膜に穴が開いている方、もしくは炎症で聞こえが悪くなり、鼓膜の奥にある鼓室の中を作り直す必要のある方に行う手術になります。慢性的な炎症などによって腫瘍ができた場合にも、その腫瘍を取るための手術を行います。どの手術も局所麻酔で行い、手術が終わったらその日のうちに帰宅することができます。

日帰り手術の流れと、手術の準備や経過観察で大切なことを教えてください。

宮永宜明院長 鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック4

まず基本的な手術の流れですが、最初の来院で病気や症状に合わせて聴力検査や内視鏡検査を行い、手術が必要かどうかを判断します。検査の結果、日帰り手術が望ましいとなった場合には、2回目の来院でCT検査や聴力検査、血液検査などの術前検査を行って、3回目の来院で手術、当日帰宅というかたちになります。術後状態を確認するためにも、手術翌日は必ず受診してもらうことにしています。日帰り手術は入院の必要がない一方で、手術内容をしっかり理解してもらい、手術後は安静に過ごすなど、患者さん本人やご家族の協力も必要になります。手術や前後の過ごし方に関して不安や疑問がありましたら、何でも質問してください。

地域に早期治療の重要性を伝え、意識改革につなげたい

診療の際、どのようなことを心がけていますか?

宮永宜明院長 鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック5

患者さんの中には、ご自身で手術を望んで来られる方もいれば、手術に対して恐怖心を持っている方もいますので、そうした怖いというイメージを持った方々の意識をどう変えていけるかを一番に考えています。1つは丁寧でわかりやすい説明をすること。プロジェクターで患部の写真や検査結果を示しながら、現在の状態や手術の目的、手術を行うことで毎日の生活にどのような変化が期待できるのか、そこをしっかりお話しするようにしています。もう1つは実績ですね。宮崎の本院は私の父が開業したのですが、当院で提供しているのはそこで何十年も行ってきた治療であることをお伝えし、患者さんの安心や信頼につなげています。全身麻酔ではないという点も、人によって安心材料となるのではないでしょうか。

忙しい日々を過ごされていると思いますが、趣味やリフレッシュ方法はありますか?

釣りとドライブすることですね。学生時代には自動車部の部長を務めていたぐらい、昔から車が好きなんです。さまざまな道でタイムを競うラリーという自動車競技にも出ていたことがあり、集中力を磨く鍛錬になっていました。競技からはすでに10年以上離れていますが、ライセンスはまだ保持していますし、当時の経験が手術の際の集中力にも少しは影響を与えていると思います。今後、鹿児島各地で釣りを楽しみながら、車でいろいろな場所を見て回るのが楽しみです。

最後に、これからの目標と読者へのメッセージをお願いします。

宮永宜明院長 鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック6

鹿児島で診療を始めてから、特に耳に関して「もっと早く治療していれば……」とおっしゃる患者さんに何人も出会ってきました。開業したからこそ、そういった患者さんのためにもできることはたくさんあります。まずは地域の方に当院の存在を知ってもらい、早期の段階で相談していただくことで「耳に対する違和感や症状を放置してしまいがち」という地域の人たちの意識を変えていきたいですね。また、近いうちに10歳以下のお子さんも診療できる準備を整え、小児の耳鼻咽喉科治療にも力を入れたいと考えています。日帰り手術だけでなく通常の外来についても、最低限の通院回数で効果が望めるよう、工夫しながら取り組んでいます。日曜も診察しておりますので、普段仕事が忙しく、平日はなかなかクリニックへ行けないという方も、ぜひ当院にご相談ください。

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