根本 哲宏 院長の独自取材記事
鎌倉脳神経MRIクリニック
(鎌倉市／鎌倉駅)
最終更新日：2024/05/21
鎌倉駅からすぐの江ノ電鎌倉ビル3階に位置する「鎌倉脳神経MRIクリニック」は2023年5月に開院した。ベージュを基調とした落ち着いたシックな院内は開放感ある空間。日頃の喧騒から離れて、少しでもリラックスしてほしいという願いが込められている。院長の根本哲宏（ねもと・あきひろ）先生は、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医の資格を持ち、数多くの症例に携わってきた脳神経外科のエキスパート。クリニックでありながらMRI、CTの両方を備え、病院と同レベルの検査の提供に努めている。「脳神経外科の敷居をできるだけ下げ、地域の方々が気軽に受診できるような、鎌倉を中心とした湘南エリアに根づいたクリニックをめざしたい」と話す根本院長の、診療への誠実な想いを伝えてもらった。
（取材日2023年5月29日）
MRIとCTを備え、病院と同レベルの検査の提供を
2023年5月の開院だそうですね。クリニックの特徴を教えてください。
鎌倉市でMRIとCTを両方とも備えているクリニックは数少ないと思います。加えて、エコー、エックス線を導入しており、周りの病院と比べても遜色ないレベルの検査ができるよう体制を整えていますし、当日に検査結果を出しての説明が可能です。患者さんの時間的な負担が少なく、小回りが利くというクリニックのメリットを感じていただけるのではないでしょうか。現在は、頭痛や認知症でお悩みの患者さんが多いですね。まずは患者さんのお話を聞き、採血やMRIなど適切な検査を提案します。また当院は認知症ケアを専門としている言語聴覚士が2人おり、専門性の高い認知症の検査が可能です。そのため、どういった種類の認知症かを見極めた上で治療提案を行っています。また家族を含めてのケアや継続的なフォローなど、半年ごとに定期検査を行い病状の進行を管理します。薬物療法だけを行っているのではないというのが当院の強みだと考えます。
患者さんに脳神経クリニックをどのように利用してもらいたいですか？
脳神経クリニックを受診することは敷居が高いと感じることもあると思いますが、気軽に来ることができるようにしたいです。とっかかりは何でもいいんです。例えば、頭に関することだけでなく「気になることがあるけど脳なのかな」といった疑問を持って来てくださってもいいと思います。きちんと診断をして、もしも脳の病気でなかったら、信頼できる専門の先生をご紹介できますし、脳に関することなら当院でご対応します。
患者さんとの関わりにおいて、大切になさっていることは？
患者さんと話をする際に、言葉遣いや話の間などに気を配り、堅苦しくしたくないと思っています。「お医者さま」というのは嫌ですから、何でも相談しやすい雰囲気がいいですね。患者さんの話を引き出していくのがとても大事だと考えていて、医師がぶすっとした表情だったり、偉そうにしていたら患者さんは話しづらいでしょう。医師になりたての時に、先輩から「医師だからって偉いと思っているんじゃない」って教育を受けたんです。患者さんが構えてしまうと、よく見せようとされたり、言いたいことがうまく伝えられなくなったりで、まったく違う問診になってしまいます。医師と患者さんとの距離がいつも近いような関係性を築いていけるよう心がけ、自由に話せる雰囲気をつくりたいですね。
脳神経外科専門の医師が多くの選択肢から治療の提案を
どんなスタッフが活躍していますか？
看護師、臨床検査技師、放射線技師といった専門のスタッフが常駐していますので、脳に関する検査は一通りできます。大きい病院に行かなくても当院で検査を行い、重症な病気が見つかったら紹介するといった流れです。そして、当院が大切にしていることは「患者さんを第一に考える」ことと「笑顔とあいさつ」。特に受付スタッフは、患者さんへの対応については特に気を配ってもらっていますね。スタッフ全員が当院が大切にしていることを心がけ、一丸となって患者さんをサポートしています。
脳神経外科専門の医師がいることのメリットは何だと思われますか？
私は過去の臨床経験から本当に怖い病状を多く見てきています。脳卒中や脳梗塞に一度なってしまうと、後遺症が残ります。30代でも脳出血で命を落とされた方もいらっしゃいました。ですから、そうならないようにしてあげたいという強い想いがあります。そのため、患者さんにとって何が一番いいのかをしっかりと考慮して、いろいろな経験を生かして治療を提案できることが脳神経外科専門の医師がいることのメリットだと思います。例えば、検査一つとっても、やみくもに多くを行うのがいいわけではない。必要なものを必要なだけ。治療についても多くの選択肢の中から提案していきます。とはいえ、やはり病気にならないよう予防の大切さをとことんお伝えしていくことも大切だと思っています。
薬だけに頼らないアプローチが魅力ですね。
薬はなるべく少ないほうがいいですから、食事指導や運動指導を取り入れながら、適切な量を必要なだけ摂取できるよう、きちんとした摂取量をアドバイスしていきたいです。脳梗塞や脳出血など脳神経に関わる疾患は、血圧、コレステロール、高血糖、喫煙、飲酒等と密接に関わっています。何か起こってしまった大きな病気は病院で扱い、当院は病気にならないよう未然に防ぐための医療機関と捉えていただければいいと思います。脳に関わる病気は、なってしまってからでは遅い、なってからでは完治は見込めません。
体のゆがみや筋緊張を整える面から根本的改善を
整体院も併設されているそうですね。
当院の敷地内に整体院を併設しています。頭痛やめまいの8割以上は、脳に異常がなくてストレスや疲れ、寝不足から生じる自律神経症状の乱れと関連していると考えられています。現代はスマートフォンなどの影響で、姿勢が乱れ、首や肩が凝ることによって頭痛が引き起こされる場合もあります。そういった場合、頭痛薬だけ飲んでも根本的な原因を取り除けていないわけです。すると再発を繰り返して薬がどんどん増え、薬物乱用頭痛を引き起こしかねません。そのため、薬に頼るだけでなく、体のゆがみや筋緊張を整えて根本的な改善をめざしていきたいと考え、整体院を併設しました。頭痛の場合、すぐに薬を処方するクリニックが多いので、当院のような考え方でサポートしているところは少ないでしょう。
脳ドックについても教えてください。
当院の脳ドックは、電話やウェブから簡単に予約ができ、約20分でMRI撮影は終わります。また、当日説明はありませんが、来院から会計まで約40分で検査を受けられ、後日、結果をご自宅へ郵送するプランなど、さまざまなコースを用意しています。脳ドックではMRIとMRAを行いますが、MRIはCTよりも細部まで観察でき、細かな脳梗塞を検出するために有用です。またMRAは、脳の詰まりかけの血管、脳動脈瘤を検出するために有用で、将来的に脳梗塞やくも膜下出血になるリスクの有無を確認できるため、発症する前の予防目的の手術や内服治療、定期検査の促進につながります。多くの方は自覚症状がないため「自分は大丈夫」と思っている方でも、脳血管の狭窄や動脈瘤が見つかることもあります。40歳を超えたら皆さん検査を受けてほしいですね。また、くも膜下出血や動脈瘤の方がいらっしゃるような家族歴がある方は特に受けていただきたいです。
将来の展望や読者へのメッセージをお聞かせください。
脳神経クリニックと聞くと、「こんなので脳神経クリニックに行っていいのかな」と、敷居を高く感じる方が多いのではないでしょうか。そういった行きにくさを感じさせないクリニックとして、とりあえず頭のことなら気軽に相談できる、詳しい近所のおじさんくらいに思ってもらえたらうれしいですね（笑）。鎌倉駅からすぐのビルですからアクセスも抜群。待合室は開放的で間接照明がリラックスできる空間です。頭痛やめまい、しびれや物忘れ、頭部外傷、脳卒中後の治療や予防など、「頭の病気かもしれない」と少しでも心配なことがありましたら、お気軽にまずは一度ご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック／2万9000円～
