武内崇博院長の独自取材記事

みなきたデンタルクリニック

(横浜市都筑区／センター北駅)

最終更新日：2023/03/27

センター北駅から徒歩約3分のビル1階に2023年2月オープンしたのが、「みなきたデンタルクリニック」だ。外からの光が降り注ぐ大きな窓と、北欧モダンを意識したというおしゃれで温かみのある院内が印象的な同院。武内崇博院長は、これまで大学病院や日本歯周病学会歯周病専門医が理事長の歯科医院などで、歯周治療を中心に幅広く臨床や研究にあたってきた歯科医師。同院でも、その豊富な知識や経験を生かしながら、口の中の健康を通じて人々のQOLの向上に寄与することに尽力している。「町の小さな大学病院になることをめざしています」と気さくに話す武内院長に、同院のことや歯科診療にかける意気込みなどを聞いた。

（取材日2023年3月8日）

めざすのは、町の小さな大学病院
歯周病専門医として高度な治療を追求し続ける
患者や同業者もみんなが集まる場にしていきたい

めざすのは、町の小さな大学病院

まずは、こちらの歯科医院を紹介していただけますか？

当院は、今年の2月に開院しました。診療としては、虫歯や歯周病の治療などの歯科一般からインプラント治療、セラミック治療、予防歯科、審美歯科などまで幅広く対応しています。その中で、私自身は日本歯周病学会歯周病専門医ですが、ほかにも専門性の高い歯科医師や歯科衛生士が集結する「小さな大学病院」になること。また、歯周病専門医が口腔ケアのプログラムを提供できる地域の予防拠点になることをめざしています。また、私はもともと横浜出身なので、絶対に横浜で開業するということを以前より心に強く決めていました。加えて、患者さんの通院のしやすさやスタッフの通勤などの利便性を考え、みんなが集える場所にしたいという想いから駅から近くの場所を探していたんです。今回、その願いがかなってセンター北駅から徒歩3分の場所に開業することができ、とてもうれしく思っています。

すてきな院内ですが、こだわったところはありますか？

結構、頑張りました（笑）。内装は北欧モダンの雰囲気で、高級感はあるけど嫌味がなく、入りやすい空間をめざしました。それに、歯科にはどうしても怖いイメージがありますから、患者さんがなるべくリラックスできる雰囲気になるよう木目や石目を多用して、色も白やグレー、ベージュのやわらかいものだけを使って、シンプルな感じにしてあります。設備は、歯科用CTやマイクロスコープ、口腔外バキューム、歯科用拡大鏡、インプラントを埋入するための装置、根管治療で歯髄を取り除くための装置、痛みに配慮した電動麻酔器など、必要なものはほとんど取りそろえています。

力を入れているのは、どのようなことでしょうか？

まずは歯を支えるためにどんな治療の基礎にもなる歯周病の治療です。歯周病をちゃんと診査・診断するには、歯周ポケット検査やエックス線撮影、口腔内写真撮影などの検査を順を追ってしっかり行う必要があります。また、大学病院にいたこともあって歯周病に関する論文は山ほど読んできていますし、私自身も歯周組織再生療法に関する学位論文を執筆するなど、これまで歯周病の臨床と研究に取り組んできました。当院でも、それらの知識や経験を生かしながら、歯周病の予防から初期の治療、歯周組織再生療法といった専門性の高い治療まで対応可能です。加えて、治療計画や方針などを科学的根拠に基づいて立案、説明できる点も強みだと考えています。

歯周病専門医として高度な治療を追求し続ける

歯周病専門医として具体的にどのような治療を行っていますか？

例えば、口の中のお掃除は、一般的な歯科医院だと見えている部分のみ清掃することが多いと思います。歯周病の原因は細菌です。歯周ポケット内部に侵入した細菌により歯周ポケットが深くなり、深くに付着したプラークや歯石は通常のお掃除や歯ブラシでは取ることができないため、専門的なケアが必要となります。そのため、段階を追ってしっかり掃除ができるプログラムを立てていきます。重度な場合には歯茎を切開して掃除をする必要があり、私はそういった処置も得意としています。加えて、骨が溶けてしまっている場合には歯周組織再生療法で骨の再生を促します。これは、いってみれば時間を巻き戻すような治療です。歯が生えたての頃のようには戻せないにしても、10年でも15年でも時を巻き戻すことができれば、その分だけ自分の歯を長持ちさせることがめざせるわけです。

患者さんの意識向上にも努めていると伺いました。

はい。そのために力を入れているのが、口の状態の「見える化」です。当院では、口腔内カメラや顕微鏡の画像・映像をすぐにタブレット型端末やモニターに転送して、患者さんにお見せしながら、口の中の状態を詳しく説明します。患者さん自身の口の中の状態のデータを共有して、理解してもらうことでモチベーションの向上につなげていきたいと考えています。例えば、歯は1日3回しっかり磨いていますとおっしゃる方は少なくありません。でも、前歯など見えるところはきれいだけど、裏側などは結構汚れていることが多いのです。つまり「磨いている」と「磨けている」は違うんですね。そこで、実際の写真を拡大して見てもらうことで、どれだけ汚れているのかを皆さんに気づいてもらい、その日からはそこを注意して磨いていただけるようお伝えします。このように自分の口腔内の状況をまずは知ってもらうことがもっとも大切なことだと思っています。

ほかに力を入れていることはありますか？

口のお悩みには、歯周病や虫歯以外に審美的なものもあります。例えば、歯茎が下がる歯肉退縮、歯茎が見えすぎるガミースマイルで悩んでいる人もいます。ガミースマイルの原因は複合していることが多く、矯正が必要になることがありますが、当院でご提案ができますので、気にしている方はぜひ相談にお越しください。また、私はインプラント治療も得意としています。インプラント治療でも、歯がないところにただ入れるのではなく、歯茎の移植や骨造成などにも対応して、残っている歯もしっかりケアしながら治療することを大切にしています。

患者や同業者もみんなが集まる場にしていきたい

診療の際に心がけていることはありますか？

歯科治療にはさまざまな工程がありますが、それを端折らずに丁寧に行うこと、ですね。歯科治療で決められた手順には必ず意味があって、そのとおりにやらないと結局は再治療につながってしまいます。ですから、再治療が必要にならないよう丁寧に治療を進めることは大切にしています。あとは、「見える化」などを進めて患者さんの理解を深めること。それは、自身の口の中のこともそうですし、なぜそういうケアや治療が必要なのかなどのメカニズムを理解してもらうことも重視しています。それが歯を長持ちさせることにつながりますし、歯科への信頼も高めることにもなると考えているからです。初診の時は講義みたいになってしまうのですが（笑）、経験や思いつきではなくて、ちゃんと根拠があるものをお伝えするよう心がけています。

ところで、先生はなぜ歯科医師を志したのですか？

私の家は代々歯科医師で、私は4代目なんです。自宅が歯科医院を兼ねていたので、小さな頃は診察室でスタッフの人に遊んでもらったり、昼休みには白衣姿の祖父や父がいたり、そんな環境でしたから、自然と歯科医師を志していましたね。歯周病を専門にしようと思ったのは、歯科大学に入学して歯周病について勉強をしたときです。最初に行う歯周基本治療というのがあるのですが、それに、歯科のほぼすべての治療が含まれているんです。つまり、それができるようになったら全部できるようになると考えたんです。それに、海外では歯周病が専門の歯科医師がインプラントを入れるのが一般的になっているというのも聞いていて、いずれ日本でもそうなるだろうということで、歯周病を専門に選びました。

今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

まずは多くの患者さんにご利用いただいて、皆さんの口の中の健康に対するモチベーションを上げていきたいです。加えて、いずれは後進の育成も行い地域医療の底上げを図れるように取り組んでいきたいとも考えています。当院を若手の歯科医師が研鑽を積める場所にしたいとも考えています。患者さんも同業者も、みんなが集まる、そんな歯科医院が理想ですね。そして、今日お話ししたような診療を通じて、地域の皆さんが末永く自分の歯で生活できるような手助けをしていきたいと考えています。当院のポリシーやスタンスに共感していただける方はぜひお気軽にお越しください。心からお待ちしています。