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古家 正 院長の独自取材記事

古家内科医院

(横浜市港南区/上永谷駅)

最終更新日:2021/10/12

古家正院長 古家内科医院 main

上永谷駅から徒歩10分ほどの閑静な住宅街にたたずむ「古家内科医院」。古家正院長の父が1981年に開業して以来、地域住民の健康を見守ってきた。2020年10月にリニューアル工事が完了し、快適な環境が整った同院。バリアフリー設計とスペースに余裕を持った造りで、高齢者も安心して受診できそうだ。待合スペースと通路の間には美しいステンドグラスが施され、訪れた人の心を和ませる。呼吸器内科が専門の古家院長は、大学病院で診療経験を積んだベテランドクター。同院では呼吸器疾患の専門治療はもちろんのこと、広く一般内科の診療にも力を尽くす。「丁寧な説明を心がけ、患者さんと一緒に治療に取り組んでいきたい」と語る古家院長に、患者への思いや診療スタンスなどをじっくり聞いた。

(取材日2020年11月20日)

より通いやすく快適なクリニックへとリニューアル

今回のリニューアルの狙いを教えてください。

古家正院長 古家内科医院1

前の建物が古くなり手狭に感じていたこと、バリアフリーが不十分であったことなどから建て替えを決意しました。この先20年以上は診療を続けるだろうと考えたとき、今がそのタイミングだろうと思ったんです。患者さんに安心して来ていただけるクリニック、リラックスしていただける温かい雰囲気をめざしました。バリアフリーを徹底し、スペースに余裕を持たせて安全面にもしっかり配慮。加えて、待ち時間を快適に過ごしていただける空間づくりに力を入れ、通いやすさと過ごしやすさを追求しました。長年お付き合いのある患者さんからもご好評をいただいています。

1階と2階に診療室、待合室をそれぞれ設置されたのは、感染症対策を考えたからでしょうか。

今回の建て替えは昨年から計画しており、工事が始まったのは今年の2月です。2階は半分をスタッフの部屋として使い、残りの半分は具体的な用途を決めずに臨機応変に有効に使えればと考えていたんです。そのような中、新型コロナウイルス感染症への対策を迫られる状況になったため、感染防止対策に活用しています。一般の患者さんは1階フロアで診療。風邪の症状がある患者さんの診療は、別の時間帯に2階で行っています。感染の可能性がある方を時間的・空間的に分けて接触を避け、万全を期することに努めながら診療にあたっています。予約制ですし、待合室も広く取っているので、密にならない環境で安心して受診いただけるでしょう。

お父さまの時代から約40年、診療を続けてこられた中でのモットーを教えてください。

古家正院長 古家内科医院2

特別なことは何もしていません。私の専門である呼吸器・アレルギーに関するクリニックレベルの診療をしっかり行うのは当然のこととして、がんなど専門治療が必要となる病気は決して見逃してはならないと肝に銘じています。また、他の疾患で来られる患者さんに関しては、当院で対応できるか否かを早めに判断し、必要であればタイミングを逸することなく専門医療機関へ紹介することが、かかりつけ医としての役割だと考えています。基本的に、病気は患者さんと一緒に治療していくというスタンス。医師が強制的に治療を決めるのではなく、患者さんに病気のことを丁寧に説明し、相談しながら一緒に選んで進めていくというスタイルを続けています。

呼吸器の専門家として、長期にわたる治療に寄り添う

喘息の治療にあたり、大切にされていることをお聞かせください。

古家正院長 古家内科医院3

喘息は気道に慢性の炎症が起こる病気で、それをコントロールし悪化させないためには、基本的には吸入薬を使った治療を継続しなければなりません。症状が治まったからと自己判断で吸入をやめると、炎症が悪化して再び発作を起こしたり、炎症が放置されることで壁が固くなり、気道が狭まってしまったりします。そうならないよう、病気の仕組みを繰り返しご説明し、継続的な治療が不可欠であるとご理解いただくことが何より重要なんです。また、薬が合っているかどうかを定期的に確認し、一人ひとりの生活スタイルに合わせてスムーズに治療を続けられるよう、相談しながら進める必要があります。そのために大切なのは患者さんと医師との信頼関係。いかに納得して治療に主体的に取り組んでもらうかが鍵になります。向かいにある調剤薬局とも連携し、薬剤師による吸入指導や使用器具の見直しも定期的に行うなど、こまやかな治療を実践しています。

最近、長引く咳に悩む人が増えていると聞きます。

2週間以上咳が続く場合、肺結核や気管支拡張症、気管支喘息、咳喘息、胃食道逆流症、鼻の病気などさまざまな可能性が考えられます。当院では詳しい問診と各種検査により、しつこい咳の原因を突き止め、しっかり治まるまで患者さんと一緒に治療に取り組んでいます。実は近々、呼吸抵抗を測る検査機器を導入予定なんです。一般的な肺機能検査は、新型コロナウイルス感染症拡大の原因になる飛沫が飛ぶ可能性があり、現在休止中ですが、呼吸抵抗の検査は思いっきり空気を吐く必要がないため感染リスクが抑えられると考えています。また私が週1回外来診療を担当する病院でも活用されていることから、呼吸器の状態を知るための評価の1つにしようと考えています。咳喘息と診断されたものの、なかなか良くならないという方は、他の病気が隠れている可能性や薬が合っていない可能性もあります。専門の医師による精密検査・診断を受けることをお勧めします。

理学療法士を招き、呼吸器の病気がある人に体調管理のアドバイスもしていると聞きました。

古家正院長 古家内科医院4

慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎の患者さんをはじめとして、呼吸機能が低下している人や痩せてきたという人に対し、主に栄養状態を把握しながら呼吸や嚥下に関する理学療法を行っている理学療法士の協力のもと、症状に合った運動や栄養摂取のアドバイスをしています。呼吸器に病気がある人には、動くと息苦しい、痰をうまく出せない、痩せやすくなるという症状が多くみられます。最近気管支拡張症に非結核性抗酸菌症を合併している方が増えてきているように感じますが、痩せ型の女性が多く、体重の減少に伴い病気が悪化する印象があります。そこで体重減少をコントロールすることで改善につながらないかと考えています。当院では隔週火曜日の午前中に呼吸ケア専門の時間を設置し、理学療法士とともに診察を行っており、症状、生活、栄養状態に応じた助言、生活指導、提案を行っています。

広い視野を持ち、地域医療に貢献し続けたい

地域密着の診療を大切にされていますね。

古家正院長 古家内科医院5

当院の役割は、呼吸器・アレルギーの専門領域の診断・治療とともに、内科全般やその他の不調についてご相談いただき、各分野の専門家に適切にご紹介することだと考えています。クリニックは医師個人への信頼で来院くださる患者さんが多く、「よろず悩み相談所」のように感じていただけるのは本当にうれしいことです。また家族ぐるみで通院くださっている方も多く、それぞれの診療を通して垣間見える家庭環境などから、診断や治療へのヒントを得られることもあります。これからも、ご家族の健康についてトータルでアドバイスできるような存在でありたいですね。

みなと赤十字病院での外来診療や、研究活動にも携わっていらっしゃるそうですね。

幸いにも週1回、みなと赤十字病院で診療する機会をいただき、多くの先進的な医療を学ぶ機会に恵まれています。また、大学病院時代の恩師から「科学的な視線を持ちながら臨床にしっかり取り組む医師になれ」と言われたこともあって、診療データをまとめて発表するといった活動も地道に続けています。自分の診療を振り返ることにもなり、より良い治療につながります。さらに、発表することでより広く治療に役立ててもらえる可能性も出てきます。当院の患者さんのみならず、多くの患者さんの治療のレベルアップに貢献できるような活動にも力を注いでいきたいですね。

最後に読者へメッセージをお願いします。

古家正院長 古家内科医院6

感染症に対する警戒感が強く、感染リスクを恐れて受診を控える方もいらっしゃいますが、それにより重大な病気が見過ごされるということはあってはなりません。当院では、風邪症状のある方とそうでない方を空間的、時間的に完全に分け、私もスタッフも感染防御策を徹底して診療を行っています。リニューアルにより待合室が広くなり、また予約制により同じ時間帯の来院者数をコントロールし、密にならない環境を整えていますので、安心してご来院ください。今後とも、身近なかかりつけ医として広い視野で診療を手がけるとともに、呼吸器内科の専門性を生かし、一人ひとりに合った治療に取り組んでまいります。

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