患者の負担や苦痛、プライバシーに配慮した
大腸内視鏡検査

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました！

Q大腸内視鏡検査ではどのようなことがわかるのでしょうか？

A

まず、大腸ポリープや大腸がんなどの腫瘍性の病気を早期発見できます。ポリープについては、拡大内視鏡で良性・悪性の大方の区別がつきます。潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性疾患、感染性の腸炎、消化管出血などもわかります。内視鏡検査のメリットは検査と同時に治療ができることです。5ミリ以下のポリープはがんの可能性は低いとされていますので、5ミリが切除の目安になります。大腸がんは増えていますので、当院では年に1回の検査をお勧めしており、50歳以上の人は、一度は受けたほうがいいでしょう。便秘の原因の一つに大腸がんがありますので、突然に便が出にくくなった場合なども検査を受けたほうがいいですね。

Q内視鏡検査は「痛い」「つらい」というイメージがあります。

A

長い大腸にファイバースコープを入れますのでまったく何も感じないとは言いきれませんが、できるだけ痛みやつらさを抑えるために鎮静剤を使って検査を行います。ファイバー挿入時の苦痛を抑えるのも医師の技術力や経験値によるところが大きく、挿入法もいろいろありますが、当院では患者さんの苦痛をできるだけ軽減できるような方法を導入しております。医師と内視鏡技師とで行う、腹部を圧迫することで腸の伸びを抑えることを図る腹壁圧迫法も経験が大切な施術です。腸が伸びてしまうと内視鏡が入りにくいため、スライディングチューブという器具を使って腸を束ねて腸の空気を抜きながら検査を行います。

Qこちらの医院の大腸内視鏡検査の特徴を教えてください。

A

先端の内視鏡を導入していますので、ハイビジョンモニターによる鮮明な画像での内視鏡観察が可能になり、色素内視鏡、特殊光観察、拡大観察で精密な診断を行っています。内視鏡の機器については、一方向の動線で管理しているため、微生物による感染リスクを抑えることを図り、検査室はコード類が床につかないよう清潔で機能的な設計になっています。その他の特徴としては、前処置専用のトイレつきの個室が3つありますので、大腸内視鏡検査前に行われる下剤を飲む前処置を、個室で周囲を気にせず受けていただけます。

検診・治療START！ステップで紹介します

1問診と検査前日の準備

問診の際に検査の説明を受ける。検査前日の就寝前に下剤を飲み、ある程度便を出してから翌日の検査を受けること。前日の食事は便がつくられにくい検査食などを朝昼晩に食べるとよりスムーズな検査につながるという。

2当日の前処置

検査当日は、3室用意されている前処置専用の個室にて、約1～1.5Lの腸管洗浄液を服用し、2～3時間かけて便を出す。トイレつきの個室なので、周りを気にせずにゆっくりと処置を行うことが可能。腸管洗浄剤はできるだけ飲用量が少ないものを導入し、患者の負担の軽減を図るという。

3大腸内視鏡検査

検査を行う際は、可能な限り苦痛を抑えるために年齢や体重に応じた鎮静剤を使用。通常、実際の検査時間は挿入5分、観察時間を入れても10分ほどで終わるとのこと。

4リカバリールームで休息

大腸内視鏡検査が終わると、寝たままストレッチャーでリカバリールームに移動。1時間ほど休息を取り、体調を整える。

5検査後の説明

検査中に組織を切除した場合は、数日後に出血する後出血を起こす可能性があるため、検査後1週間ほどは刺激物やアルコールの摂取を控える。また、重い物を持つ、長時間歩く・走る、プールでの水中ウォーキングなど体の負担になる運動など、腹圧がかかるようなことは避ける。