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松本 譲二 院長の独自取材記事

松本クリニック

(西条市/伊予西条駅)

最終更新日:2023/02/21

松本譲二院長 松本クリニック main

2022年7月開業の「松本クリニック」。産婦人科の医師として約半世紀、日本医科大学付属病院やその関連病院、愛媛労災病院にて勤務し、産婦人科領域を超えて幅広くさまざまな症状の患者を診てきた松本譲二先生が院長を務める婦人科と内科のクリニックだ。長きにわたり培ってきた経験と知識を生かし、生理痛や更年期障害など、ライフサイクルの変化によってさまざまな問題に直面する女性に寄り添い、丁寧な診療でその心を解きほぐす。「何か不安に感じることがあったら、それが最高の受診理由。このくらいで受診してもいいのかな? と思っている方にこそ、気軽にご相談いただきたい」と話す松本院長に、これまでの経験やクリニックの診療方針について聞いた。

(取材日2022年11月29日)

地域のかかりつけ婦人科・内科クリニック

まずはこれまでのご経歴について教えてください。

松本譲二院長 松本クリニック1

医学部を卒業後、産婦人科の医師として大学の付属病院や関連病院で研鑽を積んできました。当初は産科を専門としていたのですが、アメリカ留学を経て、帰国し婦人科に転向しました。その後、婦人科領域における腹腔鏡手術の先駆けの時代に接し、婦人科がんや子宮脱などの手術に携わってきました。勤務医時代は臨床と研究の日々で、3年ごとに開催される産科婦人科団体の世界大会にもほぼ毎回出席、研究結果の発表を行ってきました。医師生活40年以上を東京で過ごしてきましたが、高齢の母の介護のことも考え、地元西条市に帰郷。愛媛労災病院での勤務を経て、開業を決意しました。

婦人科と内科がありますが、どういう患者さんがいらっしゃいますか?

2022年7月に開業してまだ半年ですが、現状はほとんどが婦人科の患者さんです。婦人科の疾患として多い子宮体がんや子宮脱などは50代以降が中心で、勤務医時代も閉経後の患者さんを主に診ていたのですが、開業後は予想以上に20代の方が多く驚いています。ご相談内容としては、生理痛や生理不順などの生理にまつわるトラブルや月経移動、低用量ピルなどの服用に関するものが多いですね。また閉経前後の40代・50代の方は更年期障害の症状で来られるケースが多いです。まだ内科の患者さんは少数ですが、高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や腹痛、下痢などの一般内科症状も併せて、患者さんの健康をサポートできたらと考えています。

生理痛の相談でも受診していいのですね。

松本譲二院長 松本クリニック2

もちろんです。強い下腹部痛や腰痛など、一般的に生理痛と呼ばれる症状は、月経困難症という病気の一つ。他にも頭痛や疲労、脱力感、食欲不振、イライラ、また生理時の経血量が多いなど、月経困難症や月経前症候群(PMS)の症状により、日常生活に支障が出ている方も多いのではないでしょうか。当院では、避妊目的だけでなく月経関連症状の緩和目的で処方するピルも取り扱っています。患者さんの症状やご意向に沿ったお薬やピルをご提案しますので、軽い症状で受診を迷っている方もお気軽にご相談ください。

子宮頸がんや子宮体がんの予防・早期発見に注力

更年期障害の治療についてはどのような流れになりますか?

松本譲二院長 松本クリニック3

更年期障害は、閉経前後に女性ホルモンが急に減少することにより起こる、その名のとおり更年期の症状です。まったく症状が出ない人もいれば、つらい症状が出ている人もいますので、まずはお話を詳しく伺い、患者さんが現在置かれている症状の段階をご説明します。治療法としては、減少したホルモンを補充する原因療法と、それぞれの症状に対してお薬を処方する対処療法があります。ただし、子宮体がんや乳がん、脳梗塞、心筋梗塞などを罹患している人にはホルモンが使えないため、持病についても確認した上で、診療ガイドラインにのっとって適切な治療方法をご提案します。

子宮頸がんの予防にも注力されていますね。

子宮頸がんの主な発症原因はHPVというウイルスへの感染ということが明らかになっているのでワクチンでの予防が可能なのですが、日本では近年、罹患率、死亡率ともに増加傾向にあります。それはワクチンの接種率が世界的に見ても極端に低いからだと思われます。以前、ワクチンによる副作用の問題がクローズアップされたことから、躊躇している人も多いのではないでしょうか。当院では、公費助成対象者となる小学6年生から高校1年生相当の女子の定期接種に加え、その期間を越えて公費での接種が可能な対象者に向けたキャッチアップ接種、どなたでも可能な任意接種を実施。HPVワクチンについて丁寧にご説明を行い、少しでも不安を取り除けたらと考えています。また、男性も接種することで女性への感染予防に加え、咽頭がんや尖圭コンジローマなどの病気を予防することが期待できます。

子宮体がんについては、豊富なご経験を積まれてきたと伺いました。

松本譲二院長 松本クリニック4

婦人科のがんで、一番患者数が多いのが子宮体がんです。これまでは治療に携わってきましたが、今後は早期発見に力を注いでいきたいと考えています。子宮体がんの自覚症状で最も多いのは不正出血。子宮体がんの発症年代は比較的高齢ですから、閉経後や更年期での不正出血には注意が必要です。子宮体がんになると子宮内膜の厚みが増すことが多く、超音波検査でも多くのことがわかりますので、不正出血があれば必ず受診いただきたいと思います。

実施されている検査についてもお聞かせください。

当院では子宮頸がん検診や子宮体がんの超音波検査、性感染症検査など婦人科の検査に加え、腹部エコーや血液検査、尿検査、心電図検査なども実施しています。現在も愛媛労災病院にて毎週木曜に健康診断を担当していますので、当院でもできる限りの検査は導入しようと考えました。毎日たくさんのCTやMRI画像に目を通すことで、がんなどの病変を見つけられるよう努めています。早期発見ができれば、早期治療につなげることができますからね。

不安を感じたら、それが最高の受診理由

患者さんに対して大切にしていることはありますか?

松本譲二院長 松本クリニック5

まずは診察よりも相談という姿勢です。丁寧にお話を聞いて、症状をしっかりとご説明した上で、どうしましょうか、と伺います。こちらから一方的に「こうしましょう」ではなく、こんな治療がありますよとお伝えして、患者さんに納得いただいて、一緒に治療に進んでいくことを大切にしています。ですから、一度持ち帰って、ご自宅でゆっくり考えていただいてから……ということもあります。また内診台に上がるのが不安な方は、内診ではなくエコー検査で上から診ることもできますので、できる限り患者さんの希望に寄り添うように努めています。

先生のパーソナルな部分についても教えてください。

趣味といえば読書でしょうか。推理小説が好きで、海外小説をよく読みます。勤務医時代は、手術のちょっとした合間や飛行機の待ち時間など、それこそ時間があれば医学書を読んでいました。特に大学病院時代は毎年のように研究発表を行っていましたので、常にデータを見て、文献を読む生活だったのです。今はクリニックの診療と母の介護でなかなか時間を確保することが難しいですが、暇ができればガイドラインに目を通し、オンラインで勉強しています。治療の方法や薬も年々進化していますから、今後も日々勉強です。

読者に向けて一言メッセージをお願いします。

松本譲二院長 松本クリニック6

「このくらいで受診してもいいのかな」という方って結構いらっしゃると思うのですが、生理痛や避妊、ピルの服用に関するお悩みや疑問、不安など、病気でなくとも気になることがあれば、気軽にご相談ください。それが地域のかかりつけクリニックの重要な役割ですから。特に更年期を過ぎると、子宮や膀胱、直腸といった骨盤内の臓器が下がってくることがあり、重症の場合は手術が必要となります。無症状でも進行している可能性がありますので、まずは受診していただくことをお勧めします。不安を感じたら、それが最高の受診理由です。ぜひご相談いただき、少しでもホッと安心して帰っていただけたら幸いです。

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