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猪島 尚子 院長の独自取材記事

ベルいやしの呼吸器内科・内科

(福岡市早良区/姪浜駅)

最終更新日:2024/04/17

猪島尚子院長 ベルいやしの呼吸器内科・内科 main

かわいらしい犬のロゴが印象的な「ベルいやしの呼吸器内科・内科」に入ると、呼吸器内科の医師の猪島尚子院長と、院長の愛犬たちが出迎えてくれた。猪島院長にとって犬は何よりも大切な存在だそうで、取材も愛犬たちを交えながら終始和やかに進んだ。犬をきっかけに開業し、犬が過ごしやすいように考え造られた同院は、同じく犬をパートナーとする患者が安心して受診できるクリニックといえるだろう。さらに働く女性や思春期の若者の悩みに対し、幅広い治療で応えているのが特徴だ。日本呼吸器学会呼吸器専門医として適切な診断に努めつつ、「悩んでいても仕方がないこともある」と、あえてストレートな説明で患者の心のつかえを取り払うことも。そんな快活な猪島院長に、患者に対する想いや同院の特徴、さらに医師として現在に至るまでの話を聞いた。

(取材日2024年3月8日)

犬が結んだ近隣住民との絆から生まれたクリニック

この地に開業した経緯から伺います。

猪島尚子院長 ベルいやしの呼吸器内科・内科1

一言で言うと、飼っている犬がきっかけですね。というのも、私は昔、人が苦手で、仕事以外ではなるべく人と接しないように暮らしていたんです。しかし犬を飼い始めてから、散歩のために外に出なければならなくなりました。すると犬が大きくて目立つこともあり、近隣住民の方にしばしば声をかけられるように。家にこもって生活するつもりが、気づけば犬仲間や知り合いがどんどん増えていったんですよね(笑)。そこから近所愛にめざめ、他者とのつながりを大切にするようになり、「自身の知識が役立つかもしれないから、近所の人のためのクリニックをつくりたい」という考えから自宅の近くに開業しました。今では毎朝6時半に起床し、犬と一緒に近所の人のところへ遊びに行き、みんなで散歩をする日々を送っています。

医院に込めた思いや、内装などのこだわりも教えてください。

医院名の「ベル」は、私が以前飼っていたバーニーズ・マウンテン・ドッグの名前です。ベルから教えてもらった優しさや愛、地域を大事にする姿勢を忘れず、さらに当院を患者さんの癒やしの場として提供したいという思いをクリニック名に込めました。また、当院では盲導犬や聴導犬、介助犬の入室を許可しています。世の中にそうしたサポートが必要な人がいるにもかかわらず、ペット禁止の看板を掲げる医療機関が多くて驚いたんですよね。犬が来ても大丈夫な医院をつくることも開業理由の一つでしたので、どうぞ気兼ねなくご来院ください。内装に関しては、犬がいても破損などが生じないよう壁も床もタイル貼りにしています。あとは待合室に電気のフェイク暖炉を設置し、季節に合わせて院内を飾りつけて患者さんに楽しんでもらっています。

どのような医療を提供したいとお考えですか?

猪島尚子院長 ベルいやしの呼吸器内科・内科2

クリニックなので入院が必要な検査はできませんが、大きな病院の呼吸器内科の外来でできる検査はすべて行えるように機器・設備をそろえました。CTやエックス線撮影装置の他、肺機能検査に使う測定器なども導入しています。診療の際はエビテンスに基づき、適切な診断をつけた上で治療するのがモットーです。例えば喉風邪に対して喉に作用する薬のみを処方するのではなく、本当に喉風邪だけなのか、時間をかけてきちんと検査してから治療に入ります。まだ開業して間もないですが、ありがたいことに犬好きで頑張り屋さんのスタッフにも恵まれましたので、この幸せな職場で地域医療に貢献していきたいと思います。

肺がん検診から働く女性の悩みまで幅広く対応

患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

猪島尚子院長 ベルいやしの呼吸器内科・内科3

病気や治療についての説明を行うときは、あえてオブラートに包まずわかりやすさを重視します。患者さんからもよく「物事をはっきり言う」と言われますね(笑)。ただそうしているのは、一人で考え込み、迷ってしまう方が多いからこそです。もちろん寄り添うべきお悩みには誠心誠意寄り添いますが、一緒に悩んでもどうにもならないことも中にはありますからね。「あなたにとって今はこれが必要」「今からタバコを吸わないこと。それ以外は何も考えないでください」など、できることを指導するのが私のスタンス。そうしたコミュニケーションを通して患者さんの迷いを解消し、安心感につなげられたらと考えています。

どのようなお困り事でいらっしゃる方が多いのでしょうか?

やはり咳が出るというご相談が多く、咳が続いているなど慢性的な症状に困っているケースが多いです。肺の疾患はエックス線検査では診断が難しいため、当院では胸部CTによる検査を行っています。近隣だけではなく福岡市東区など遠方からも患者さんが受診されるようになってきました。また、近隣の先生方からの紹介でCT検査を受けにいらっしゃるパターンもありますよ。その他目立つところでは胸の痛みや息苦しさといった主訴も。開業当初は30〜40代の働く女性の患者さんが中心でしたが、開業から1年がたち、ご高齢の方の来院も増えてきたように感じます。

これから力を入れていきたい診療についても教えてください。

猪島尚子院長 ベルいやしの呼吸器内科・内科4

やはりCT検査ができる呼吸器内科というのが当院の一つの特徴ですし、私自身も検査・診断というところにはこだわっていきたいと思っていますから、胸部CT検査には注力していきたいと考えています。肺がんは早期発見が難しい病気の一つで、導入している低線量CTであれば被ばく量を抑えた検査が可能です。肺がんは見つかりにくいがゆえに死亡率が高いがん種です。検診などで受けるエックス線検査で肺がんの疑いが見つかった時にはかなり進行している状態なので、できる限り早期に発見して治療につなげられるよう皆さんをサポートしていきたいですね。また引き続き喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎の治療にも取り組む他、美容皮膚科や更年期障害など女性ならではのお悩みにも寄り添っていきたいと思います。

適切な検査・診断により肺がんなどを早期に発見したい

先生が医師をめざした理由や、呼吸器内科の医師としてのやりがいを教えてください。

猪島尚子院長 ベルいやしの呼吸器内科・内科5

私の祖母は体が弱く、自分が医師になれば待ち時間なく病気を診てあげられると思ったのが理由です。残念ながら私がアメリカに留学している時に亡くなってしまったのですが、医師免許を取得した時はとても喜んでくれましたね。医局からの熱心な誘いを受けて選んだ呼吸器内科は、扱う疾患の多くが適切な診断を行うことで治癒がめざせるというものです。エックス線撮影とCT検査によってほぼすべての病気を明らかにし、「この病気かもしれない」ではなく証拠がある上で診断をつけ、適切な治療へつなげられるのがやりがいです。そのため勤務医時代はひたすら検査・診断の技術を高めてきました。複数の医療機関で多くの患者さんを長年診療してきた経験は、現在のある程度の自信につながっています。

開業からもうすぐ1年半が経過しようとしています。今後の展望をお聞かせください。

現在でも初期段階の肺がんに対する内服治療には対応していますが、将来的には抗がん剤治療にも取り組めるクリニックにしていきたいという思いがあります。抗がん剤治療には検査を含めて時間がかかり、病院を朝受診しても帰れるのは夕方です。体力的な負担が大きいことはもちろん、何度も通院することを考えると、働いている方には時間的な負荷もかなりのものです。でも近くのクリニックで抗がん剤治療を受けられるようになれば、患者さんの負担軽減につながるはずですからね。また、2024年4月からは週に1日、福岡大学病院の呼吸器外科の先生が来てくださるので、肺がんの発見から手術による治療への連携もより強化できるのではないかと期待しています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

猪島尚子院長 ベルいやしの呼吸器内科・内科6

働く女性に限らず、日々の生活の中で苦痛を感じている方は、ぜひ一人で悩まず当院へお越しください。新型コロナウイルス流行下では咳症状を理由に受診を断られてしまうようなケースもありましたが、長引く咳は喘息が疑われます。当院でしっかり診断できれば幸いです。あとは更年期障害の患者さんで、治療法があることを知らずに困っている方にも来てほしいですね。適切な治療を受けられていない方にきちんと診断をつけ、治療を行うのが目標です。またCT検査に関しても「怖い」というイメージが先行して躊躇される方がおられますが、不安なく受けられるよう努めていますので、何か心配事があれば気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ニキビ治療/1500円~

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