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高藤 浩範 院長、溝渕 真一郎 副院長、秋山 剛 副院長の独自取材記事

中井クリニック 近鉄八尾分院

(八尾市/近鉄八尾駅)

最終更新日:2023/04/14

高藤浩範院長、溝渕真一郎副院長、秋山剛副院長 中井クリニック 近鉄八尾分院 main

近鉄八尾駅から徒歩2分の場所にある「中井クリニック 近鉄八尾分院」は、整形外科・リハビリテーション、内科・循環器内科、泌尿器科・腎臓内科の3つの柱を持つ「小さな総合病院」だ。高藤浩範院長は八尾市出身。地元の地域医療に貢献すべく「困っているならば誰でも、いつでも通えて、気軽に相談ができるクリニック」をめざし、2022年に同院を開業。現在は心療内科にも対応し、3人の医師が専門分野の垣根を超え、患者を多角的に診る診療体制を取っている。「当院の役割は地域の患者さんの最初の医療の窓口になること。当院で対応できることは当院で、重篤な疾患が見つかればすぐに基幹病院へつなぐ病診連携の体制も整えています」と心強い言葉を紡ぐ院長と、チームワーク抜群の溝渕真一郎副院長、秋山剛副院長の3人に、さまざまな話を聞いた。

(取材日2023年4月1日)

整形外科・内科・泌尿器科が連携した地域医療の窓口

整形外科・リハビリ、泌尿器科・腎臓内科、内科・循環器内科という体制はなぜ生まれたのでしょうか?

高藤浩範院長、溝渕真一郎副院長、秋山剛副院長 中井クリニック 近鉄八尾分院1

【高藤院長】私はこの八尾市出身で、20年ほど各地の基幹病院などに務めてきましたが、以前から「地元八尾市で、誰もが気軽に通えて、いろんな治療の考え方が得られる場所をつくりたい」と考えていました。しかし、私が専門とする整形外科だけでは対応できる範囲に限りがあるのでは、とも考え、泌尿器科を専門とする溝渕副院長、内科・循環器内科を専門とする秋山副院長と出会い、3人で開業する運びとなりました。この八尾市は駅や店なども多い一方で、若年層から高齢者まで幅広い世代の方が生活するようなエリアです。その分患者さんのお悩みもさまざまですが、それらの悩みを気軽に相談でき、必要であれば基幹病院につなぐクリニックでありたいと考え、現在の体制となりました。

例えば整形外科で受付をしても、診察の結果によっては泌尿器科や内科を受けることもできるのですか?

【高藤院長】できますよ。例えば腰痛がある場合、整形外科だと考える患者さんが多いでしょう。もちろん整形外科の医師としてエックス線検査なども行いますが、同時に腎臓の専門である溝渕副院長にも「こういう患者さんがいるので意見をいただけませんか」とすぐに声をかけます。手足のしびれなども整形外科だけで完結するのではなく、内科・循環器内科のスペシャリストである秋山副院長にすぐに声をかけ、意見を仰ぎます。泌尿器科と内科は3階で診察を行っている時間帯もありますが、夕方診察には整形外科の隣の診察室で診察を行い、お互いにすぐに声をかけ合える環境にしています。患者さんもスムーズに移動できると思いますよ。1日のうちに横断して受診することもできます。

お三方の知識や経験を総動員して、患者さんお一人お一人の症状を診ていくのですね。

高藤浩範院長、溝渕真一郎副院長、秋山剛副院長 中井クリニック 近鉄八尾分院2

【秋山副院長】三人寄れば文殊の知恵と言いますが、まさにそうやって患者さんの様子を診て、3人で多角的な意見を交わしています。特に大切なのは、重大な疾患を取りこぼさないこと。開業してまだ1年ほどですが、私が担当する内科・循環器内科でも、重大な心疾患などが見つかる可能性もあります。そういった場合には、八尾市立病院や八尾徳洲会総合病院、大阪赤十字病院、以前勤めていた国立循環器病研究センターなどに救急搬送できるよう体制を整えています。患者さんは「何となく動悸がする」くらいの自覚症状で来院されると思いますが、心電図や心エコー検査などで閉塞性肥大型心筋症や肺高血圧症などの特殊で命に関わる疾患が見つかることもあります。

検査機器を充実させ、救急患者を見逃さない

「地域医療の窓口」としての役割を果たすために検査設備も整えられているそうですね。

高藤浩範院長、溝渕真一郎副院長、秋山剛副院長 中井クリニック 近鉄八尾分院3

【秋山副院長】さまざまな検査機器を導入しています。10分ほどで結果が出る血液検査、心エコー、心電図だけではなく、労作時呼吸困難があった場合に心臓と肺どちらに原因があるかを見極めるための呼吸機能検査、そして溝渕副院長の泌尿器科では腎臓を診るエコーや内視鏡、院内のお手洗いで尿の勢いなどを測定するための機器なども導入しています。いずれも比較的簡便な検査ではありますが、緊急性が必要かどうかを見極めるためには非常に役立つものばかりです。泌尿器科であればできないのは手術のみで、必要な検査装置は一通りそろっています。MRIやCTが必要になった場合は徒歩圏内にある近隣のクリニックや病院と連携しているので、そちらで検査を受けていただき、また当院で検査結果や今後の治療方針をお伝えするようにしています。

心療内科と再診の患者さん以外を予約なしで受け入れているのは、緊急性がある場合に対応するためだとか。

【秋山副院長】特に循環器は一刻を争う疾患が隠れている場合があります。しかし、患者さんは案外「ちょっと血圧が高いみたいなんですが……」と、重症だと気づいていないことがほとんどなんです。そういう点でも「気軽に来院できる」という当院のコンセプトは、人命救助に直結しているのではないかと思います。他にも健康診断で高血圧や血糖値を指摘された働き盛りの方が「今後どうしたらいいのでしょう?」と相談にいらっしゃることもあります。もちろんよくある風邪などにも対応しているので、本当に何でも相談していただけると思います。

まさに地域のゲートキーパーですね。泌尿器科はいかがでしょうか。

高藤浩範院長、溝渕真一郎副院長、秋山剛副院長 中井クリニック 近鉄八尾分院4

【溝渕副院長】泌尿器科では、膀胱炎や頻尿で受診される方が多いです。特に頻尿の原因では過活動膀胱などの尿をためにくい場合と神経因性膀胱や前立腺肥大症などの尿を出しきれない場合があります。過活動膀胱の薬では尿を多くためられるようにすることをめざしますが、副作用で残尿が増えてしまうことがあり、エコーなどの検査で症状の原因をきちんと確認し、薬を飲んでかえって悪くなったということがないように注意しています。また腰痛やむくみは整形外科や内科以外に腎臓・泌尿器科疾患が原因となっていることもありますので、必要に応じて意見交換し、治療させていただきます。

介護・福祉サービスにも注力し、地域医療を支えていく

スタッフさんに心がけてほしい点などは伝えておられますか?

高藤浩範院長、溝渕真一郎副院長、秋山剛副院長 中井クリニック 近鉄八尾分院5

【高藤院長】基本的なことではありますが、あいさつと笑顔を大切にしてほしいと伝えています。当院は19時15分まで受けつけていて、会社帰りや部活帰りの学生さんなども予約なしで来院しやすい環境を整えていますが、初診だとやっぱり緊張したり、不安になったりしますよね。そういう時にも入ってきやすい、話しかけやすい雰囲気ができていれば、次の来院につながり、そしていつもと違う症状が出ても「とりあえず中井クリニックに行けば何かわかるかも」と足を運んでくださるようになると思うんです。それが結果的に、患者さんの命を救うことにもつながるはずですから。

介護保険の相談などにも対応されているとか。

【溝渕副院長】独居の高齢者の方もいらっしゃるので、患者さんから相談を受けることもありますが、こちらから提案することも大切だと感じています。何となく介護保険があると患者さんが知っていても、どう申請すればいいのか、自分にはどんなサービスが向いているのかはわからないということがほとんど。そこでこちらから介護や福祉のサービス内容や手続きなどの情報を積極的にお伝えしていきます。当院は地域医療の窓口であり、介護・福祉サービスの窓口でもあるんです。

今後の展望についてお聞かせください。

高藤浩範院長、溝渕真一郎副院長、秋山剛副院長 中井クリニック 近鉄八尾分院6

【高藤院長】心療内科は今、まだ週に1日のみですが、診療回数を拡充する予定です。また認知症や精神疾患の方も来院されていて、この春からは在宅医療などを含めた障害福祉サービスの拡充も行っていきたいと考えています。整形外科では理学療法士による運動器リハビリの充実、泌尿器科では自由診療になりますがEDなどの男性の健康に寄与するための治療にも対応していきたいですね。内科・循環器内科は命に関わる疾患もあり、これまでどおりしっかりとカバーすること、加えて花粉症などのアレルギー的なご相談にもさらに力を入れていく予定です。とはいえ「誰でも、いつでも来れる」というコンセプトは変わりません。「予約がないので診ません」ということは絶対にありませんから、気になること、相談したいことがあれば、どうぞお気軽にお越しくださいね。

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