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川原 団 院長、川原 智子 先生の独自取材記事

そうむた脳神経外科・糖尿病内科

(鹿児島市/鹿児島駅)

最終更新日:2022/12/06

川原団院長、川原智子先生 そうむた脳神経外科・糖尿病内科 main

天井が高く、入り口から待合室まで続く広々とした空間が印象的な「そうむた脳神経外科・糖尿病内科」。脳神経外科を専門とする川原団院長と、糖尿病内科の診療を担当する川原智子先生が、関わりが深い2つの科を連携することで地域医療に貢献していきたいと、2022年6月に同院を開業。院内にはMRIやCTをはじめ、頸部エコーや骨密度、血管年齢がわかる検査機器などさまざまな医療機器を備え、尿検査や血液検査についても項目によっては即日結果を出せるようになっている。団院長が特に注力しているのは、頭痛と認知症の診療。検査のデータや画像だけを診るのではなく、「人を診る」診療をめざし、患者一人ひとりと丁寧に向き合うことを心がけているという。

(取材日2022年10月28日)

脳卒中などの大病の予防と、頭痛・認知症の診療に注力

開業に至ったきっかけを聞かせてください。

川原団院長、川原智子先生 そうむた脳神経外科・糖尿病内科1

【団院長】私は患者さんとお話をするのがすごく好きなのですが、勤務医時代はなかなかお一人お一人と接する時間がない状態でした。患者さんは高齢になるにつれてさまざまな疾患と付き合っていくことを余儀なくされますが、そうした病気の1つ1つと丁寧に向き合いたいなと思ったんです。また、救急医療に長く携わってきましたので、脳卒中で命を失うケースにも直面し、できるならそうした事態を未然に防ぎたいと思うようになりました。当院は、私の専門である脳神経外科と、妻が担当する糖尿病内科に対応しています。一見すると2つの科には関連がないように思われるかもしれませんが、実は、脳卒中や心筋梗塞といった大病の予防は、「生活習慣病の管理に尽きる」といっても過言ではないんです。関わりの深い2つの科が連携することで、地域のかかりつけ医としてより頼っていただける存在になれるのではないかと考えました。

脳神経外科では、特に頭痛と認知症の診療に注力されているそうですね。

【団院長】はい。頭痛に関しては、まず見逃してはいけないのが突発頭痛です。それまで痛くなかったのに、急速に痛みが最大になるような頭痛です。危険な頭痛にはそのように普段とは明らかに違う症状が出る場合が多いのですが、中には痛みがさほどではないケースもあります。ただ、そうした場合でもやはり多くの方が「いつもと何か違う」とおっしゃいます。診察では言語障害やまひなど、ほかの神経症状が伴っていないか慎重に診ながら、必要があれば画像診断を行います。一般的な頭痛では、片頭痛などの一次性頭痛に悩む方が特に若い女性に多いのですが、痛みを我慢することに慣れていらっしゃる印象があります。薬を飲みすぎたらいけないと思い、あまり飲まないようにしているとか、逆に慢性的に飲みすぎて、それが原因で頭痛を起こしているという方もいらっしゃるので、いずれにしても正しい知識を得ることが大切です。

片頭痛の治療にはどのようなものがあるのでしょうか。

川原団院長、川原智子先生 そうむた脳神経外科・糖尿病内科2

【団院長】片頭痛は、従来よりトリプタン系薬剤が使用されてきておりますが、最近新しいお薬も出てきました。また、月に1回とか3ヵ月に1回という頻度で注射を打つことによって片頭痛の予防が期待できるという注射薬も出てきております。片頭痛の治療というのはなかなか1回で正解にたどり着くことが難しいのですが、治療の選択肢はいくつもあるので、漢方なども使用しながら適宜対応していくことで頭痛の頻度や痛みの程度を緩和し、生活の質の向上をめざせると考えています。ですから、ぜひ我慢することなく受診していただければと思います。

認知症の患者や家族の気持ちに寄り添いサポートする

認知症についても教えてください。

川原団院長、川原智子先生 そうむた脳神経外科・糖尿病内科3

【団院長】認知症はアルツハイマー型がよく知られていますが、ほかにも多くの種類があるんです。これらは重複することや、ときには移行することもありますので、診療には医師の柔軟な対応が求められます。また、中には手術で治癒が見込めるものもありますので、これを見逃さないようにすることも大切です。一般的な加齢による物忘れでは、周囲からの指摘で思い出すことができますが、認知症の場合は、「もうごはん食べたよ」と伝えても納得できずにまた食べてしまうような感じですね。体験したこと自体が抜け落ちてしまうんです。また、加齢による変化のスピードは緩やかですが、認知症は進行が早いことも特徴です。診断には認知のテストや画像検査を行うのが一般的ですが、歩き方や体の傾きなども見ますし、何より一番近くにいらっしゃるご家族から見て、生活に支障を来しているか、来していないかという点が診断の重要なポイントになってきます。

認知症の診療はどのように進めるのでしょうか。

【団院長】認知症の症状は人それぞれで、物忘れのほかに、幻覚があったり怒りっぽくなったりすることがあります。そうしたことで介護するご家族が疲弊してしまうケースが多いですね。そのような周辺症状をお薬で緩和できる可能性はあるので、ご本人やご家族のストレスを少しでも減らせるように、患者さんの症状に合ったお薬の処方をめざしています。また、さまざまなサービスを受けられるように、介護保険の申請など、患者さんの社会環境を整えるお手伝いをしています。ご家族だけでのご相談も受けておりますのでお気軽にいらしてください。

認知症は糖尿病と深い関係があると聞きました。

川原団院長、川原智子先生 そうむた脳神経外科・糖尿病内科4

【智子先生】そうですね。糖尿病の方はそうでない方と比べるとアルツハイマー型認知症に1.5倍なりやすく、脳血管性認知症に2.5倍なりやすいという報告があるんです。また、糖尿病だけでなく、高血圧や脂質異常症も認知症発症の促進因子になるともいわれていますので、認知症を予防するためにも生活習慣に気をつけ、定期的に健診を受けていただくことが大切です。糖尿病内科では生活習慣病全般の診療に対応していますので、健診で指摘された場合など、気になることがありましたらご相談ください。

糖尿病内科と脳神経外科の両輪で、人を診る医療を実践

糖尿病には自覚症状がありますか。また、治療法についても教えてください。

川原団院長、川原智子先生 そうむた脳神経外科・糖尿病内科5

【智子先生】最初は症状はありませんが、血糖が高くなると急に体重が減った、頻尿になった、体がだるい、喉が渇くといった症状が起こり得ます。また、急に目が見えづらくなって、眼科を受診して初めて糖尿病であることがわかったという方も中にはいらっしゃいます。合併症である神経障害、目の症状、腎機能の低下は、糖のコントロールが悪い状態を5年とか10年とか長く放置していらっしゃる方に出てきますので、早めの受診と適切な管理を行うことで合併症を防ぐということが大切だと思います。まず管理栄養士による栄養指導を実施します。どんなにお薬を使っても食事が良くないと上手にコントロールできませんから、食事の内容を見直し、その上でお薬を使って治療していくという流れが基本です。

診療において心がけていることはありますか。

【団院長】一つひとつの病気を丁寧に診るだけでなく、「人を診る」ことを心がけています。人の体というのはすべて連動していますから、検査のデータや患者さんが訴える症状だけでなく、心の状態も含めてその人のすべてを診ないといけないと思うのです。例えば頭痛、めまい、しびれといった症状には患者さんのメンタル面が関わっている場合がありますので、抱えていらっしゃるストレスの度合いにも注意を払いますし、脳卒中や認知症などの診断においても、患者さんとお話ししながら、ちょっとした表情や仕草、体の動きなどから異変を見逃さないように心がけています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

川原団院長、川原智子先生 そうむた脳神経外科・糖尿病内科6

【団院長】専門科に関わらず、何でも気軽に相談できるハードルの低い医院でありたいと思っています。「そんなに重症ではないから」と思って受診を先延ばしにされている方や、恥ずかしくて受診をためらっている方もおられるかもしれません。ただ、ご相談いただければアドバイスできることがあるかと思いますので、気軽に来ていただければと思います。ここ草牟田の地で地域の皆さんに寄り添い、良きかかりつけ医になれるよう精進してまいります。

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