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将来の家族計画が成功への鍵
個々の妊娠力に合わせた不妊治療

torch clinic

(渋谷区/恵比寿駅)

最終更新日:2023/11/22

torch clinic 将来の家族計画が成功への鍵 個々の妊娠力に合わせた不妊治療 torch clinic 将来の家族計画が成功への鍵 個々の妊娠力に合わせた不妊治療
  • 保険診療

近年、保険が適用され、より身近なものとなった不妊治療。経済的負担が減り、多くの方が治療にのぞみやすくなった一方、「本当に自分が子どもを授かれるのか、今の方法が自分に合っているのかな」と不安になり、精神的な負担を抱えてしまう人は少なくないという。そうした中、「お子さんを授かり、幸せな家庭を築くための第一歩はご自身の妊孕性(妊娠する力)を理解し、歩む道を可視化することです」と教えてくれたのが、不妊治療専門クリニック「torch clinic」の市山卓彦先生院長。患者それぞれの生活背景や価値観に寄り添い、一人ひとりに合った治療を提供し続けてきた生殖医療のエキスパートだ。今回は、そんな市山院長から不妊治療を始める際に大切なことや、必要な検査、治療を進める上でのポイントについて詳しく話を聞いた。

(取材日2023年9月28日)

患者の「妊娠力」や価値観に合わせて治療法を選択。「いつ、何人授かりたいか」などの家族計画が治療の軸に

Q「不妊症」とは、どのような状態を指すのでしょうか?
A
torch clinic 「妊孕性」を理解するところから治療は始まる

▲「妊孕性」を理解するところから治療は始まる

人間の妊孕性は約20%と定義されます。20%の妊娠率を積み重ねると半年で74%、1年間で93%のカップルが累積妊娠することになるため、不妊症の定義は、1年間性交渉を行っていても妊娠できない場合を指します。国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査で、不妊の検査や治療経験のあるカップルの割合は22.7%で、夫婦全体の4.4組に1人に達したことがわかりました。 排卵障害や子宮内膜症、子宮筋腫といった疾患が原因となっている場合もあるため、1年を待たずに検査・治療を行ったほうが良いケースもあります。 また、不妊症の原因は女性だけでなく男性にも存在するため、パートナーとお二人での受診を推奨します。

Q不妊治療を始める際、一番大切なことは何でしょうか?
A
torch clinic 不妊治療はパートナーとともに進めていく

▲不妊治療はパートナーとともに進めていく

妊孕性(妊娠する力)と挙児希望の人数を考慮した治療計画の立案です。そのため当院では、必ず最初にお二人の家族計画を伺います。妊孕性は年齢を重ねるごとに低下するので、1人目の妊活、2人目の妊活で状況が変わります。患者さんごとに目標も妊孕性も異なりますから、家族計画のゴールから逆算したロードマップを作成し、道のりを可視化することが重要です。「今自分たちが何のために何をしているのか」足元を照らすわかりやすい不妊治療の提供に努めています。そのためにも子どもを望む場合、早めにブライダルチェック・プレコンセプションケアを受診いただき、妊孕性検査を行い身体的情報を適切に理解しましょう。

Q子宮卵管造影検査は「痛い」と聞いたことがあります。
A
torch clinic 丁寧にヒアリングを行う市山院長

▲丁寧にヒアリングを行う市山院長

子宮卵管造影検査で痛みを感じるのには、理由があります。そもそも子宮は鶏の卵ほどの大きさで、その内腔の容量は3ccほどといわれています。一方、子宮の外側は筋肉でできているため、造影剤の量や圧の加減によっては筋肉痛のような痛みが生じてしまうのです。当院では造影剤の量を調整し、ゆっくりと流していくことで加圧しすぎないよう工夫しており、また、できるだけお話をしながら検査を行うことで、リラックスした雰囲気をつくるように心がけています。 検査時間はその分延びますが、この方法なら痛みを抑えられるはずです。痛みを少しでも取り除き、不妊治療をポジティブに考えていただけるように努めないといけないと考えています。

Q検査後、治療はどのように進めていくのでしょうか?
A
torch clinic 排卵日を考慮して、治療計画を立てていく

▲排卵日を考慮して、治療計画を立てていく

一般的には、タイミング法・人工授精といった一般不妊治療から、体外受精などの高度生殖医療へとステップアップしていきます。ただ、検査結果や家族計画、患者さんの価値観によっては、順序を問わず治療法を選択することも重要です。例えば、新婚の方ですとまず自然妊娠を望まれるかもしれません。ただ、子どもを2人以上望む場合は3年後の自身の妊孕性を意識しないといけません。また治療期間が延びれば、精神的負担も増しますし、体外受精を30代と、40代で始めた人では保険で治療を行える回数も変わり、経済的な負担も変わります。自然妊娠はあくまで「手段」ですから、最終的な家族計画の実現に何が必要かを見極めることが大切です。

Q不妊治療には、通院のしやすさも大事と聞きました。
A
torch clinic 受診しやすい工夫を施し、不妊治療に踏み出すきっかけをつくる

▲受診しやすい工夫を施し、不妊治療に踏み出すきっかけをつくる

不妊治療は一朝一夕で終わるものではありません。就労と治療の両立が困難となり退職を余儀なくされる方も多く、治療が長引けばメンタル面でも大きな負担を伴いがちです。そのため、できる限り通院の負担が少ないクリニックの選択をお勧めします。例えば、土日や夜間に診療しているクリニックであれば、パートナーと時間を合わせての通院やお仕事終わりに通うこともできるでしょう。不妊治療は女性だけのものではありませんから、パートナーの受診しやすい環境は重要です。また当院では、クリニック専用の受診アプリを活用した予約から事前問診、事後会計、更に院内処方を採用し30分程度は在院時間を削減し就労との両立をサポートしています。

ドクターからのメッセージ

市山 卓彦院長

不妊治療は「ゴールの見えない暗いトンネルを歩くこと」と例える人がいます。目的を見失うと、長続きさせることが難しい治療でもあるので、しっかりと将来の家族計画を立ててから治療に臨みましょう。一方で、妊孕性について知る機会は、日常生活ではほとんどないのが実情です。ただ、ご自身の妊娠力を理解することができれば、どんな手段を選べるかがわかってきます。「子どもを持つ」という誰しも持ち併せているはずの権利を守るため、まずは「知る」ことから始めましょう。もしわからないことがあれば、生殖医療の専門家がいる不妊治療専門クリニックをお訪ねください。皆さんが幸せな家庭を築けるよう、きっと力を貸してくれるはずですから。

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