全国のドクター9,299人の想いを取材
クリニック・病院 158,579件の情報を掲載(2024年6月11日現在)

  1. TOP
  2. 鹿児島県
  3. 鹿児島市
  4. 二中通駅
  5. いわや内科・内視鏡クリニック
  6. 岩屋 博道 院長

岩屋 博道 院長の独自取材記事

いわや内科・内視鏡クリニック

(鹿児島市/二中通駅)

最終更新日:2024/02/09

岩屋博道院長 いわや内科・内視鏡クリニック main

鹿児島市電「二中通」電停すぐ目の前の場所に「いわや内科・内視鏡クリニック」はある。患者の話をよく聞くことが診療のモットーだと語る岩屋博道院長は「検査が患者の負担になってはいけない」と常に患者の視点に立って物事を考えている。痛く苦しいといったイメージのある内視鏡検査は、鎮静剤や鎮痛剤を使用するなど工夫し、リラックスして過ごせる環境も整えている。勤務医時代には多くの消化器がん患者に携わってきた岩屋院長。特に専門としている膵臓は自覚症状が出にくく「沈黙の臓器」とも呼ばれ、ゆえに同院では膵臓がんの早期発見のために先進機器である「超音波内視鏡」を取り入れている。インタビューで一つ一つの質問に丁寧に答える姿から、診療・検査への真面目さと熱い思いを感じた。

(取材日2022年8月12日)

高度医療機関に18年勤務、開業への思い

まずは先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

岩屋博道院長 いわや内科・内視鏡クリニック1

小学生の頃は、ぼんやりとではありますが「人の役に立てる仕事をしたい」と考えていました。成長するにつれて具体的に将来を考えるようになり、医療系の仕事だったら人の役に立てるんじゃないかと気づいたんです。というのも、中学の時に母が病気で倒れ、生死をさまようことがありました。その際、母を担当した脳外科医師の素早い判断と手術を間近で見ていたものですから、医師というのはとても尊い仕事であると感じました。ぼんやりと考えていた将来の目標が、はっきりと決まったきっかけでしたね。

開業を決めたきっかけもあったのでしょうか。

開業するまでの18年間は、消化器系を中心とした高度医療に関わってきました。そもそも私が消化器内科を専門に学ぼうと思ったきっかけは、研修医の頃に受け持った患者さんの中で、胃がんや膵臓がんの患者さんが驚くほど早く亡くなっていたからなんです。消化器のがん治療の難しさを学ぶと同時に、自分も診療に携わりたいと消化器内科を勉強し始めました。2016年には膵臓がんをより専門的に学ぶために、数多くの患者さんが訪れる愛知県がんセンター中央病院へ国内留学しました。そこで超音波内視鏡を使った早期診断や抗がん剤による薬物治療を集中的に学び、鹿児島に戻ってきました。がんはとにかく早期発見が大切です。大学病院ではすでにがんが進行している患者さんを主に診療してきましたが、完全な治癒をめざすのであれば、その前段階の早期発見が重要です。地域の皆さまに啓発したい思いも強まり、開業を決意しました。

なぜこの場所に開業しようと思われたのでしょう?

岩屋博道院長 いわや内科・内視鏡クリニック2

いまきいれ総合病院などの高度医療機関が密集しており、非常に連携が取りやすいからです。私自身大きな病院での勤務経験があるので、スムーズな連携がどんなに大切かを理解していますし、常に意識しています。現在も週に1度、総合病院で内視鏡治療に従事していることもあり、当院で診断した患者さんが大きな病院で治療してもらえるような体制も整っており、診断から治療まで速やかに行えるように努めています。それからここは交通の便がとてもいいんです。バス停「二中通」と市電の駅は目の前ですし、当ビル1階に駐車場もあります。学校や仕事の帰り、買い物のついでに当院に立ち寄っていただくこともできるなと思いました。また、土日しか時間が取れないという方のため、土曜は夕方5時まで診療できるようにしています。病気を早期発見するためにはまず検査が必要です。気軽に検査を受けていただくことを考えると、この場所は魅力的でした。

患者に合わせた検査、内視鏡専門の医師としての強み

内視鏡検査を受けることには苦痛を伴うイメージもありますが、何か工夫をされていることはありますか?

岩屋博道院長 いわや内科・内視鏡クリニック3

個人的に、検査というものは「楽で継続しやすいもの」であるべきだと考えています。もちろん内視鏡検査もそうであるべきなんですが、やはり皆さん痛い・苦しいというイメージをお持ちです。実際、内視鏡検査を受けて、もう二度と受けたくないと思っている方も多いのではないでしょうか。当院では患者さんの負担軽減のために、基本的には内視鏡検査の際には鎮静剤や鎮痛剤を使用しており、ご希望も多いです。とはいえ眠っていても痛みを感じると表情がゆがんだり、体が動いたりするので、検査中は患者さんの顔や様子をよく観察しながら慎重に検査を進めています。定期的に検査を受けてもらうためにも、検査の苦痛を軽減することはとても重要だと思っています。前処置の下剤の服用が困難な方にも個別に対応しています。

「超音波内視鏡」を導入されているのも特徴的ですが、目的や強みを教えていただけますか?

膵臓がんの早期発見を目的に超音波内視鏡を取り入れました。そもそも膵臓というのは「沈黙の臓器」とも呼ばれていて、がんができても自覚症状はほとんどありません。自覚症状が現れた時にはかなり症状が進行している場合が多く、病院で膵臓がんと診断された方の2割ほどしか手術できる状態になく、残りの8割は手術すら難しい状態であるというのが現実なのです。また手術しても治癒が難しいのも膵臓がんの特徴です。また予防方法もまだ発見されておらず、難しい病気です。しかし現在は膵臓がんになりやすい傾向というものもわかってきています。超音波内視鏡による膵臓がんの検査は精度が非常に高く、発見率の向上につながり注目されている検査である一方で、正確に検査や診断できるようになるには知識・経験・技術が必要です。私は愛知県がんセンター中央病院での経験を生かして、超音波内視鏡検査による早期発見をめざしています。

患者さんと接する上で気をつけていることはありますか?

岩屋博道院長 いわや内科・内視鏡クリニック4

患者さんの話によく耳を傾けるように心がけています。基本的なことですが、だからこそ大切にし続けています。患者さんが何に困っていて何を知りたいのか、こちらに何を求めているのかなどを聞かせていただくことから始めています。そうした患者さんのニーズを理解した上で、一緒に問題解決をしていくのが当院のスタンスです。しっかりとお話を伺いたいので、患者さんお一人にかかる診療時間が長くなる場合もあります。待ち時間が長くなるのは心苦しいのですが、来院していただいたからには満足して帰宅してもらいたいと思っています。ですから、わからないことや不安なことがあればどんな小さなことでも結構ですのでお尋ねください。

「町のかかりつけ医」として、気軽に相談してほしい

「便秘」のパンフレットが置いてありましたが、便秘でも相談していいんですか?

岩屋博道院長 いわや内科・内視鏡クリニック5

はい、もちろんです。便秘が病気であると認識している人は少ないのではないでしょうか。人に相談しづらい内容でもありますし、市販薬で済ませようとする方も多いと思います。しかし市販薬を乱用したり体に合わないものを使い続けていたりすると、便秘が悪化することもあるんです。最近は便秘に対する薬で新しいものも出てきましたので、一度専門の医師に診てもらうことをお勧めしたいです。特に女性は月経や出産などで体が変化することも多く便秘になりやすいですし、なんといっても便秘はつらいと思いますので、ぜひご相談ください。

病院勤務時代から多くの患者さんを診てこられたかと思いますが、印象的な方はいらっしゃいますか?

消化器内科の医師になって5年ほどたった頃に担当した40代の男性で、その方は末期の胃がん患者さんでした。病院として当時でき得る治療を施したものの、残念ながらお亡くなりになってしまって。私にとってこの出来事は末期がんの治療の難しさを知るとともに、このような方がいなくなること、つまりは「早期発見の重要性」を身にしみて痛感するものでした。だからこそ開業する際には、胃がんに限らずあらゆる消化器がんを早期発見し、救える命を救うクリニックをめざしたのです。

一貫して早期発見への強い思いを感じました。改めて、今後どのようなクリニックにしていかれますか?

岩屋博道院長 いわや内科・内視鏡クリニック6

やはり膵臓がんなどの消化器がんが心配な方や、腹痛などの症状がある方への診断の精度をより高めていきたいですね。検査のご希望をお受けするのはもちろんですが、おなかに何かしらの症状があればご相談いただけるとうれしいです。そういった意味でも、ほっと休まるような場所にもしていきたいですね。いつでも気軽に立ち寄れて、ちょっとしたことでも相談ができるクリニックをめざしていきます。地域の方が通いやすい、町のかかりつけ医という理想に向けて精進します。

Access