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黒岩 実 院長の独自取材記事

つるこうじ小児科内科

(前橋市/前橋駅)

最終更新日:2023/08/30

黒岩実院長 つるこうじ小児科内科 main

限りなく円に近い、十八角形の屋根が通り行く人の目を引く「つるこうじ小児科内科」。同院の黒岩実院長は、40年にわたって小児外科で活躍してきた医師である。同院の診療の特徴は、小児科・内科の診療に加え、小児外科の専門性を生かした慢性的な便秘の治療や、外科的な疾患の手術に対応していること。大学で教授まで務めたキャリアの持ち主でありながら、性格は気さくで明るく、おごりのない黒岩院長。趣味は自転車で、休日には150キロもの距離を走るというエネルギッシュな院長に、診療において心がけていることなど詳しく話を聞いた。

(取材日2023年7月26日)

小児外科の分野で40年の診療経験を有する

木材をふんだんに使った十八角形の建物がとても印象的です。

黒岩実院長 つるこうじ小児科内科1

一般的な医院は、廊下の先に診察室があったり処置室があったりしますが、当院は円のような形になっていて、中央の柱を中心に各部屋が放射状に配置されているんですね。ですから、ひと目で全体が見渡せるような造りになっています。中央の柱周りには、子どもたちが靴を脱いで過ごせるスペースがあり、そこで絵本を読みながら過ごすこともできますし、駐車場が21台分ありますから車の中でお待ちいただくことも可能です。通常は、私がすべての患者さんを診ていますが、休日当番医のときにはどうしても患者さんが多くなりますので、小児科の医師である娘とともにニ人体制で診療し、できるだけ待ち時間が少なくなるように努めています。開業当初は1人でしたので休日当番医のときは大変でしたが、家族の協力もあってペースがつかめてきました。

どのような患者さんが多く受診されていますか?

多くは小児の患者さんです。近所に小学校と中学校がありますし、少子化といってもこの辺りはまだまだ子どもたちが多い地域なんですね。大半の患者さんは近隣にお住まいですが、ここには大型商業施設や高速道路のインターチェンジもあって、利便性の高いところですので、少し離れた玉村町や高崎市、太田市などから受診される患者さんもいらっしゃいます。訴えとしては、咳や鼻水、発熱といった風邪症状の患者さんが多いですね。私の専門は小児外科ですので、外科的な疾患で受診される方もいらっしゃいますし、以前勤務していた病院で執刀させていただいた患者さんが、当院へお越しになることも多いです。内科では、一般的な風邪症状はもちろん、生活習慣病の治療にも対応しています。

40年間、小児外科で活躍されていたと聞きました。小児外科はどのような疾患を診るのでしょうか?

黒岩実院長 つるこうじ小児科内科2

端的に言うと、病気を治すために、外科的な処置や手術を考えなければならないような疾患です。診療部位は首から足までと広範囲で、さまざまな疾患に対応しています。外科と聞くとケガをイメージされるかもしれませんが、便秘も小児外科の診療範囲なんですね。難治性の便秘の原因には、腸の一部が狭くなっていたり、腸がねじれやすかったりという器質的なトラブルが隠れているケースがありますが、そうした場合は手術で治療することになります。また、鼠経ヘルニアなどの手術も小児外科の診療範囲です。

便秘の治療を得意とし、小児外科の手術にも対応する

診療の特徴について教えてください。

黒岩実院長 つるこうじ小児科内科3

専門としてきた小児外科については、地域の基幹病院で長く診療に携わってきましたので何でもご相談いただければと思います。当院では手術を行うことはできませんが、3歳以上のお子さんであれば、群馬中央病院と連携を取り、私がそちらで執刀し、術後のフォローは当院で行うことが可能です。大きな病院では、手術をする医師と術後の管理をする医師が異なることがありますが、術前から術後まで一人の医師が担当するという点が当院の強みであり、患者さんにとってもメリットになるかと思います。また、ほかにも前橋赤十字病院や群馬県立小児医療センターといった病院をご紹介することもできますので、患者さんのご希望に沿ってご案内しています。

ほかに得意としている治療はありますか?

便秘の治療ですね。「便秘くらい」と思われるかもしれませんが、先ほども申し上げたように器質的な問題が隠れている場合がありますし、子どもの慢性の便秘には医師による根気強いアプローチが欠かせません。小さな子に、「うんちが出ないと痛い思いをしたり血が出たりするよ」と言ったところで理解してもらいにくいんですね。下剤を出しておしまいというわけにはいかないのが便秘の治療なんです。経過を見て、飲み薬の量を調整したり、時には浣腸も併用したりしながら、排便習慣がしっかりと確立するまで長い目で治療していく必要があります。便秘でお悩みの際にはぜひご相談いただきたいですね。

診療において心がけていることはありますか?

黒岩実院長 つるこうじ小児科内科4

患者さんの目線になるといいますか、患者さんが早く良くなるように、自分の親族だと思って対応することを心がけています。私は小児外科での経験は豊富ですが、小児科や内科の医師としてはまだまだ駆け出しです。特に子どもは大人のようには話せないので、病気の判別が難しいことが多々ありますし、疾患によっては進行が早いものもありますから注意が必要です。一方で、子どもはもともと治癒力が高く、適切に治療してあげれば早い回復が期待できるんですね。ですから、例えば循環器や呼吸器の疾患など、自分の専門外の病気である可能性があれば、迅速に専門の医療機関につなげるということも大切だと思っています。私は長年地域の大きな病院に勤めていましたので、信頼できる医療機関をご紹介できますし、その点でもご安心いただければと思います。あとは、患者さんが相談しやすいよう、気さくに話せる雰囲気をつくることも大切にしています。

貢献したいという想いを軸に、訪問診療も検討

なぜ医師をめざそうと思われたのですか?

黒岩実院長 つるこうじ小児科内科5

中学生の頃、生物が好きだったんですね。それで人体にも興味を持ったのがきっかけでした。医師をめざしたのは、職業として安定しているということもありましたが、何よりも人の役に立てる仕事だと感じたからです。無論どんな職業も尊いものですが、医師は人の命に直接関わり、病気を治療するという点で非常に貢献度が高い仕事だと思ったんですね。外科を専門にしたのは、ケガで出血している人を前にしたときに、何をしていいかわからず右往左往したくないと思ったからです(笑)。小児外科を選んだのは、外科の中でも全身を診ることができるという点に魅力を感じたのと、子どもが好きでしたし、子どもたちには、この先80年余りの未来が待っているのだと思うと、病気が良くなれば本人も家族もどれほど喜ぶだろうかと。そこに貢献できるならと思ったんです。

子どもの急な発熱など、受診のタイミングについてはどういったことに気をつければ良いでしょうか?

活動性といっても良いかもしれませんが、全体的な元気さを見て判断していただけたらと思います。熱があって機嫌が悪くても、あやせばある程度笑顔を見せるとか、ちゃんと見えていて、反応する、意識がしっかりしているということが大事ですね。そして、お水が飲めているか、食事が取れているか、おしっこが出るかというところも確認し、脱水が起きていないかをチェックしてください。あとは、呼吸ですね。肩で呼吸していたり、唇の色が悪かったり、爪の色が悪いということがあれば迅速に医療機関を受診してください。逆に熱があっても、ぐったりしていなければおうちで少し様子を見てもらって良いと思います。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

黒岩実院長 つるこうじ小児科内科6

現在考えているのは、近いうちに訪問診療を実施したいということですね。例えば医療機器を装着して車いすで受診するというのは、患者さんにとっても、介護する人にとっても大きな負担になりますから、訪問診療でその負担を少しでも減らすことができたらいいなと思っているんです。当院は地域医療を担う医療機関として、必要に応じて大きな病院や専門性の高い医師をご紹介し、窓口としての役割も果たしていきたいと考えています。手術に関しても大きな病院と連携することで、執刀から術後のフォローまで私自身で一貫して行えるようになっていますので、心配なことがあれば、ぜひご相談にいらしてください。

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