全国のドクター9,294人の想いを取材
クリニック・病院 158,511件の情報を掲載(2024年6月10日現在)

  1. TOP
  2. 兵庫県
  3. 神戸市北区
  4. 岡場駅
  5. やまね小児科
  6. 山根 正之 院長

山根 正之 院長の独自取材記事

やまね小児科

(神戸市北区/岡場駅)

最終更新日:2023/03/06

山根正之院長 やまね小児科 main

2022年に山根正之院長が開業した「やまね小児科」は、三田線岡場駅から徒歩2分ほどの北神中央ビル3階にある。山根院長は、自身も長らくこの地域で暮らし、新生児医療と小児救急医療に携わってきた。「この地域で暮らす子どもが休日に受診しようと思った時に、遠くまで出なくてはならない状況を憂いて開業を決意しました」と語る山根院長は、その決意どおり、土日の午前中も診療を行っている。落ち着いた話しぶりで子どもとその親に向き合う山根院長に、開業の経緯やこれまでの経歴、診療のモットーなど、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2023年1月31日)

「医療の空白を埋めたい」と願い、開業を決意

この地域に開業した理由を教えてください。

山根正之院長 やまね小児科1

開業を決めた理由は、大きく2つあります。私は長らく新生児医療や小児救急に携わってきましたが、年齢を重ねていくうちに、現場で診療にあたるよりも相談役のような立ち位置になっていきました。やはり直接患者さんに関わりたいとの思いを抱いていた時に、救命救急センターが整備されました。整備された結果、ちょうど岡場駅周辺にお住まいの方が休日などの時間外に病院にかかりたいと思うと、遠くまで出なくてはならない状況になってしまったんです。時間外の外来に携わってきた身として患者さんに申し訳ないなという気持ちになり、少しでも穴を埋めたいという思いで開業を決意しました。もともとこの地域の病院に勤めていましたし、自分も暮らしている場所で開業することで、誰かの助けになれたらという気持ちがありました。私の前にここで小児科をされていた先生が引退を考えているという話を聞き、2022年の7月に開業する運びとなりました。

土日も診療されているのですね。

はい。当クリニックでは、土日の朝にも診療を行っています。土曜日に開いているクリニックはほかにもありますが、この近辺で日曜日に小児科へ行こうと思うと、三田とか神戸の辺りまで行くしかなかったんです。体調の変化は曜日とは関係なく起こるものですし、近隣に頼れる病院がないことで「困っている方に不便なことを強いている」という気持ちがぬぐえなかったというのもあります。必要な時に助けとなれる場所にしたかったので、土日も診療しています。特に、日曜日にクリニックを開けていることについては、患者さん側からも「助かります」というお声をいただいていますね。また、当クリニックはウェブ予約も対応しています。クリニックが入っているビルには駐車場があるので、体調の悪いお子さんを連れて車でお越しいただきやすいと思います。

どんな患者さんや相談が多いですか?

山根正之院長 やまね小児科2

来院される患者さんは、この地域にお住まいの方が中心ですね。この辺りはベッドタウンということもあり、比較的お子さんが多いエリアです。中には、前の病院で診ていた時から引き続き通ってくださる患者さんもいます。ちょうど新型コロナウイルス感染症の第7波が来た頃に開業したこともあり、ご相談としては熱や咳、鼻水や嘔吐下痢など、感染症の症状に関することが多いですね。小さなお子さんの場合はご自身で症状を説明するのが難しいので、付き添いの保護者の方からもしっかりお話を伺いながら、症状の判断につなげます。

笑顔になって帰ってもらえるクリニックをめざして

先生が医師を志したきっかけは何でしょうか?

山根正之院長 やまね小児科3

私はもともと、中学から高校まで柔道をしていました。柔道で腰を痛めたことがきっかけで、病気やけがを治す医師の仕事に興味を持つようになったんです。そうした経緯から、最初は整形外科を志すつもりでいたのですが、実習でいろいろな科を回るうちに、小児科に惹かれている自分に気づきました。実習中に担当したお子さんと接していて、「小さなお子さんの助けになりたい」「体調の悪いお子さんが笑顔になる手伝いをしたい」という気持ちが芽生えたんです。小児科の医師を志す理由になったこの想いは、今でも変わらず私の中に生きています。

先生の診療方針について教えてください。

小児科の医師になろうと決めた時と変わらず、「患者さんに笑顔になってほしい」という想いで日々診療にあたっています。新生児医療や小児医療では、自分では直接症状を伝えられない赤ちゃんや子どもの状態を短い時間で適切に把握しなくてはなりません。そうした経験から、お子さんのつらさや親御さんが心配に思っていることをできるだけ早く把握して、不安な気持ちに寄り添った説明をすることを大切にしています。大切なお子さんのことですから、親御さんが心配に思うのは当然のことです。一つでも不安をなくしてもらいたいという思いで、診察が終わった後は、「ご自宅でどういうところに気をつけてお子さんを見てもらえばいいのか」というお話もしっかりするように心がけています。

先生が患者さんと接する時に大切にしていることを教えてください。

山根正之院長 やまね小児科4

やはり、しっかり患者さんを観察することでしょうか。なるべくお子さんに負担をかけずに、最小限のことで患者さんの情報を得られるように努めています。そのために、お子さんが緊張している時には抱っこをしてあやしたり、おもちゃで遊んだりすることもありますよ。患者さんに接する時には椅子の高さも一番低くしていますし、不安そうな親御さんには気さくに話しかけるよう気をつけていますね。医療的なことを説明する時にも、なるべく平易な言葉でわかりやすく伝えることを心がけています。専門用語とわかりやすさの間でジレンマを感じることもしばしばありますが、時には雑談を交えながら、できるだけフランクにお話しするようにしています。そうした一つ一つのところに気を配りながら、患者さんとご家族が笑顔で帰っていただけるクリニックになるよう励んでいます。

小さな不安の相談に乗るのが開業した小児科医の使命

お忙しいと思われますが、休日の過ごし方を教えてください。

山根正之院長 やまね小児科5

休みには、妻と出かけて食事をすることが多いですね。あとは、週に1、2回ジムに通ったり、時間に余裕があれば走ったりしています。20年ほど前に勤めていた病院の上司に誘われてマラソン大会に出たことがきっかけで、時間がある時は走っていますね。せっかく始めたのに、大会が終わってやめるのはもったいないなという気持ちで走り続けていたら、一定の頻度で走っておかないとかえって落ち着かない体になってしまったんです(笑)。

今後の展望はありますか?

前に勤めていた病院で、集中治療室を退院して家に帰れたけれど、引き続き医療的なケアが必要なお子さんをたくさん見てきました。実際にそういったお子さんのケアも担当していたことから、在宅医療を必要とするお子さんの訪問診療ができたらと考えています。これまでに診てきた患者さんに、開業した後も何らかの形で関われたらという思いもありますし。今は患者さんの数も多く実行に移せていないのですが、社会的にもニーズがあることですから、ゆくゆくは小児の訪問診療ができるように、第一歩を踏み出したいと思っています。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

山根正之院長 やまね小児科6

お子さんの体調が悪い時はもちろんですが、私は「ちょっと気になる」「考えすぎかもしれないけれど、少し不安だ」という段階からご相談に乗ることが、小児科医の使命だと考えています。私は学生時代から猿顔だと言われることが多く、こわもてに見られがちなので(笑)、ちょっとでも親しみを感じていただけたらという思いで、クリニックのロゴにも猿のイラストを採用しました。小さなお悩みからしっかりお話を伺いますので、安心してお越しいただけるとうれしいです。お子さんのつらさはもちろん、親御さんの不安が少しでも軽くなって、最後には笑顔で帰っていただくために力を尽くします。小児科全般について幅広く相談できるクリニックとして、頼りにしていただけたら幸いです。

Access