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ストレスから来る体調不良
心と体の不調には漢方薬でアプローチ

はこざき漢方内科・心身医療クリニック

(福岡市東区/箱崎駅)

最終更新日:2022/12/12

はこざき漢方内科・心身医療クリニック ストレスから来る体調不良 心と体の不調には漢方薬でアプローチ はこざき漢方内科・心身医療クリニック ストレスから来る体調不良 心と体の不調には漢方薬でアプローチ
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近年浮き彫りになったものの一つに、地球環境の変化がわれわれ人間に与える影響の大きさがあるだろう。「人間は社会的な動物であり、生まれつき人との交流や絆を求めるもの。そこにコロナ禍というパンデミック由来の新型ストレスが入ることで、人同士の絆が分断され、ストレス疾患を発症する方も多いようです」と穏やかな口調で話すのは「はこざき漢方内科・心身医療クリニック」の千々岩武陽(ちぢわ・たけはる)院長だ。ストレスの受け止め方や出てくる症状は人によって多様であるが、ストレス病の多くでは、画像診断や採血検査での異常が認められないことも多い。そのようなケースにこそ漢方薬は有用だという。千々岩院長に漢方薬の特徴や、漢方薬が用いられる症状、心療内科と精神科の違いや、心療内科の活用の仕方などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2022年11月16日)

起立性調節障害や過敏性腸症候群など、自律神経失調が原因となる体調不良には「漢方薬」という選択肢がある

Q起立性調節障害とはどんな病気ですか?
A
はこざき漢方内科・心身医療クリニック 「朝起きるのがつらいという子どもが例年より増えた」と語る院長

▲「朝起きるのがつらいという子どもが例年より増えた」と語る院長

小学校高学年、中学生などの成長期のお子さんに多く、朝なかなか起きられない、めまい、立ちくらみなどの症状が見られます。脈拍や血圧などは自律神経が制御していますが、急激な体の成長に自律神経の成長が追いついていないこともあり、その乖離が立ちくらみなどの症状になって現れるようです。特にコロナ禍になり、リモート授業など学校生活が変化する中、例年よりも症状を訴えるお子さんが多くなった印象があります。「気合いで早寝早起きをすべし」という根性論では通用しませんし、児童精神科でも対応に苦慮する症状ですが、そのようなケースでも当クリニックでは漢方医学的な視点から漢方薬を処方し、症状の改善を図ることが可能です。

Qこちらには適応障害の患者さんも多いそうですね。
A
はこざき漢方内科・心身医療クリニック クリニックでは漢方薬と現代薬の二刀流で改善を図っていく

▲クリニックでは漢方薬と現代薬の二刀流で改善を図っていく

適応障害とは、仕事のオーバーワークや上司のパワハラなど、ストレスの原因がはっきりしており、それをきっかけにメンタル面の不調が出現した場合に診断されます。適応障害などのストレス関連疾患では、動悸や下痢、めまいなど、その人の生来敏感な部分に症状が現れることが一般的です。身体症状が強い場合、漢方薬が有用な場面は少なくありませんが、症状改善を図るだけでは根本的な改善にはつながらないため、しばしば環境調整を必要とします。オーバーワークであれば時短勤務にする、部署での問題なら異動を願い出る、などですね。ストレスからの一時避難が必要だと判断すれば休養診断書を出すなどのサポートも行います。

Qストレスが原因の疾患と、漢方薬の相性について教えてください。
A
はこざき漢方内科・心身医療クリニック 検査に異常がないのに心身の不調を感じる場合は心療内科の受診を

▲検査に異常がないのに心身の不調を感じる場合は心療内科の受診を

心理的ストレスが原因となり、発症する内科疾患を総じて心身症といいますが、これらの中には血液検査や画像診断などでは異常を認めないケースも多いのです。また、自覚的にとても困っているのに、検査上異常がないため、病気と認知されないもの、例えば冷え症や月経前症候群、機能性胃腸症などが例として挙げられますが、これらの症状にも漢方薬は有用です。患者さんの体質や生体反応に適合した漢方薬を処方することで、QOL(生活の質)の大幅な底上げが図れます。注意点としては、漢方薬にも副作用があること。なので定期的に血液検査を行い、肝機能や電解質の異常やアレルギーがないか確認していく必要があります。

Q心療内科の活用の仕方について教えてください。
A
はこざき漢方内科・心身医療クリニック 初診は1時間の枠を取り、その中で漢方診察も並行して行う

▲初診は1時間の枠を取り、その中で漢方診察も並行して行う

混同されがちですが、統合失調症や双極性障害などの精神疾患と、ストレスで身体面に不調を来す心身症は別物であり、前者は精神科、後者は心療内科の領域となります。もしも当クリニックに前者の患者さんが受診された場合には、精神科医が常駐する医療機関へと紹介することがあります。心療内科受診の際に心にとめておいてほしいのは、身体的な異常所見が検査上、否定されて初めて、ストレス関連疾患の可能性が出てくるということです。甲状腺機能異常や糖尿病など、内科的疾患が原因で体調不良になっている方もおられるので、患者さんが本来受けるべき治療や検査へと導いていくのも、内科出身である私達心療内科医の役目だと考えています。

Q精神科と心療内科では似て非なる部分があるわけですね。
A
はこざき漢方内科・心身医療クリニック 器質的な疾患がないかを検査し、症状によっては精神科を案内する

▲器質的な疾患がないかを検査し、症状によっては精神科を案内する

心療内科医の強みは、心理的ストレスが原因となる身体的不調に強い点です。一方、気象病や、更年期症候群、感染症後の慢性疲労症候群などに対しては、心身医学的アプローチだけでは不十分であり、この場合、西洋医学とは異なる治療体系を持つ漢方医学に一日の長があります。このように東西両医学、そして心身医学を組み合わせることで、さまざまなストレス関連疾患に幅広く対応できることが、当クリニックの特色であると考えています。ちなみにストレス病においても、早期発見・早期治療が重要であり、症状が軽いうちに受診しておくことは、治療期間を短縮する意味でも、とても重要なのです。

ドクターからのメッセージ

千々岩 武陽院長

ストレス関連疾患において、漢方薬であれば改善が期待できるケースは数多く存在します。もちろん、場合によっては抗うつ薬などを併用したほうがいいケースもありますが、当クリニックでは漢方薬のみでアプローチができたケースが少なくありません。「漢方薬は、心身両面に作用してレジリエンス(自然治癒力)を高める」。そのように認識していただければ幸いです。たとえ現代医学的には異常がなくても、自覚的には不調がある、もしくは何かしらのストレスによって体調を崩した方がおられましたら、当クリニックでの心身医学的アプローチ、そして漢方医学的アプローチを、治療選択肢の一つとして活用してくださるとうれしく思います。

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