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武内 克憲 院長の独自取材記事

武内クリニックTAKEPON

(富山市/小泉町駅)

最終更新日:2022/06/13

武内克憲院長 武内クリニックTAKEPON main

小泉町駅から徒歩8分、国道41号線の太郎丸交差点近くに位置する「武内クリニックTAKEPON」は、2022年4月に開業した内科・心臓血管外科・リハビリテーション科のクリニックだ。日帰りの手術から、リハビリテーションまで患者のニーズを幅広く満たすほか、2022年6月にはクリニック2階にメディカルフィットネスジムもオープンする予定で、リハビリテーション終了後も継続的に運動を行うことを促していくという。院長の武内克憲先生は大学病院や地域の総合病院で研鑽を積み、日本外科学会外科専門医、日本心臓血管外科学会心臓血管外科専門医、日本循環器学会循環器専門医などの資格を持つ。武内院長に開業までの歩みや診療の特徴、循環器疾患の治療にかける思い、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2022年5月16日)

新型コロナウイルス感染症の流行拡大を機に開業を決意

先生の開業までの歩みについて聞かせてください。

武内克憲院長 武内クリニックTAKEPON1

私は金沢医科大学を卒業後、心臓血管外科の医師として大学病院や地域の総合病院などで勤務し、知識や経験を磨いてきました。勤務医時代はまるで病院に住んでいるかのようなハードな生活をしていましたが、さまざまな患者さんや医師との出会いもあり、日々充実していましたね。開業を意識したのは、2020年頃でしょうか。当時新型コロナウイルス感染症が流行し、私の勤務していた総合病院でもクラスターが発生するなど、たいへんな思いをしました。感染流行に伴って手術などにも制限がかかっていたので、外科の医師として「自分にできることはなんだろう」と思い悩むこともありました。その中で、「より幅広い診療を行いたい」「手術に至る前の患者さんや手術後の患者さんもサポートしていきたい」という気持ちがより強くなり、開業を意識するようになりました。

こちらに開業したきっかけと現在の患者層について教えてください。

できるだけ自分が勤務していた病院としっかり連携したいと思っていたので、過去に勤務していたいくつかの病院からアクセスが良いことを条件に場所を探しました。中でもこの場所に決めた理由は、国道41号線に近く、大雪など天候が不安定な場合でも患者さんが足を運びやすいのではないかと思ったからです。南砺市など遠方にお住まいの患者さんも来てくださっているので、この場所にして良かったなと思っています。患者層は循環器系の病気でお越しになる方が多いので、高齢の患者さんが多いですね。以前私が手術をした患者さんも通ってくださっています。主な主訴は胸の痛みや息苦しさ、足のむくみなどです。また、新型コロナウイルス感染症の流行に伴って発熱患者さんのための外来も行っているので、発熱症状で受診される方も多いです。

クリニック名の由来や同院のめざす方針についてお聞かせください。

武内克憲院長 武内クリニックTAKEPON2

皆さんに驚かれるのですが、当院のクリニック名は「武内クリニックTAKEPON」までで正式名称です。「TAKEPON(たけぽん)」というのは、私が医師になった時に当時の上司につけていただいたニックネームで、「初心を忘れない」という気持ちを込めてクリニック名にも入れることにしました。患者さんに、クリニックではなく「たけぽんに行ってくる」と言ってもらえたらうれしいです。また、クリニックの使命としては「患者さんの健康寿命を延ばすこと」を掲げています。患者さんに自身の健康状態や病気のことをよく理解していただき、生活習慣の改善やその継続がしやすいよう、工夫して診療をしていますね。

日帰り手術やリハビリテーションなど幅広い診療に従事

同院の診療の特徴は何ですか?

武内克憲院長 武内クリニックTAKEPON3

当院では患者さんのさまざまなニーズに応えられるよう、幅広い診療を行っています。まず、私自身これまで心臓血管外科の医師として手術に従事してきたので、静脈瘤や人工透析に必要な「シャント」と呼ばれる血管の造設などに関わる手術を日帰りで行っています。また循環器系の病気では、改善のために継続的な運動が必要となることもあるため、心臓リハビリテーションを中心としたリハビリテーションにも力を入れていますね。そのほか、足の血流が悪い方や糖尿病で足に潰瘍ができている方などを中心にフットケアを実施し、足を清潔に保つためのアドバイスや、適した履物の提案なども行っています。加えて、発熱患者さんを専門に診る外来を設置し、診療や薬の受け渡しを患者さんが車に乗ったままできるよう、ドライブスルー診療も実施しています。また、さまざまなご相談に対応できるようにオンライン診療にも注力したいと考えています。

心臓リハビリテーションではどのようなことが行われるのでしょうか。

患者さんの状況にもよりますが、当院で特徴的なのは「心肺運動負荷試験」が行えることですね。心肺運動負荷試験とは、患者さんにバイクをこぐ運動をしていただきながら、運動中の呼吸のガス、心電図、血圧などを測定する検査です。この検査結果によって、科学的根拠に基づいた運動指導ができます。なお結果によっては、富山では欠かせない除雪の作業を控えていただくなどの生活指導をすることもあります。除雪作業は心肺への負荷が高いことで知られており、これによって病気が再発してしまう方もいるのです。またリハビリテーションは通院している間だけでなく、その後も継続して行っていただくことで初めて健康な状態が維持されるものです。そのため、指導する際は自宅での実践方法や実践時間についても詳しくお伝えしています。今年6月には2階にメディカルフィットネスジムも開設予定で、心肺運動負荷試験の結果に合わせた運動を行うことも考えています。

建物全体や機器について心がけたことはありますか?

武内克憲院長 武内クリニックTAKEPON4

建物全体はブラウンを差し色として、統一感のあるイメージを心がけました。あとは、スタッフや患者さんが動きやすいよう、動線をよく考えて設計しましたね。リハビリ室の機器に関しては、整形外科のリハビリ室と比較するとやや少ないかもしれませんが、心臓リハビリテーションを行う意味では十分だと思っています。また前述の心肺運動負荷試験が行えるクリニックは比較的珍しいのではないでしょうか。今後心臓リハビリテーションについて専門に学んだ看護師も新たに加わる予定なので、さまざまな専門スタッフで協力して、一丸となって取り組んでいきたいですね。

地域に住む人たちの健康寿命を延ばしたい

先生が医師になり、心臓血管外科を志した理由は何ですか?

武内克憲院長 武内クリニックTAKEPON5

私が医師を志すきっかけとなったのは、先祖に医師がいたからです。私の祖父の叔父にあたる方で、開業医をしていましたが、戦時中の空襲で亡くなってしまったそうです。それに心を痛めた祖父が「自分の子どもや孫の代で、その家系を継いでくれる人はいないか」と話しているのを聞き、子どもの頃から医師になることを考えるようになりました。年齢とともに、志半ばで犠牲になった故人の遺志を受け継ぎたいと思い、医師になるという気持ちも強まっていきました。心臓血管外科を選んだのは、大学病院での実習などを経験して、「外科の中でも心臓血管外科は特別だ」と感じたからです。手術のうまい先生の姿を見て、命に直結するところに携わることに憧れを持ちました。

今後の展望について教えてください。

勤務医時代は手術を専門的に行うプロフェッショナルとしてやってきましたが、これからは手術が必要になる前の患者さんや術後の患者さんも含めた幅広い患者さんを診療することで、地域の方々をサポートしたいと思っています。また「患者さんの健康寿命を延ばす」という使命のもと、リハビリテーションなどの運動を通じて、患者さんに笑顔になっていただきたいです。運動を継続して体が前よりも動くようになると、「自分はできる」という自信につながる方もいますので、そのような機会を設けられる場所でありたいです。あと、私はこれまで循環器の知識を生かし、アスリートの診療も行ってきたので、今後はスポーツを熱心に行っている方のサポートにも力を入れていきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

武内克憲院長 武内クリニックTAKEPON6

近年は食の欧米化などに伴って、糖尿病などの生活習慣病にかかってしまう方が増えてきます。体の健康を保って病気を予防するためには、早い時期から運動習慣をつくり、バランスの良い食事を取って、禁煙などに努めることが大切です。また気になる症状があれば医療機関を受診して、専門家に診てもらうようにしましょう。当院は地域のクリニックとして、幅広い診療を行い、必要に応じて専門の医療機関への紹介も行っています。気になる症状があるときは、お気軽にご相談ください。

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