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吉村 文貴 院長、山口 忍 副院長の独自取材記事

よしむらペインクリニック

(岐阜市/西岐阜駅)

最終更新日:2023/02/07

吉村文貴院長、山口忍副院長 よしむらペインクリニック main

のどかな住宅地に立つ「よしむらペインクリニック」。すっきりとシンプルな外観で待合室は天井が高く、木を多用した温かな雰囲気が広がっている。「痛みを抱えた患者さんが少しでもゆったりとした気分で過ごせるような内装を考えました」と話すのは、吉村文貴院長と山口忍副院長。2人はともに岐阜大学医学部附属病院で麻酔科の医師として「痛みの治療」に携わり、地元・岐阜で痛みに苦しむ人々の力になろうと開業を決めた。大学病院で培った専門的な治療技術と治療機器が同院の強みだ。「お一人お一人に適した治療を行い、痛みでつらい思いをして来院された患者さんに笑顔で帰っていただければ」と穏やかに話す吉村院長と山口副院長に診療にかける思いを語ってもらった。

(取材日2023年1月19日)

診療科にとらわれず痛みの専門的な治療を実施

ペインクリニックとはどのような診療科なのですか?

吉村文貴院長、山口忍副院長 よしむらペインクリニック1

【吉村院長】われわれは麻酔科の医師であり、痛みの治療が専門です。診療対象となるのは病気や部位にかかわらず、痛みを抱えて困っている方々です。例えば、腰痛や肩凝りは、仕事に集中できなかったり、普段の生活に悪い影響を与えたりします。そういった痛みのほかにも、手術後の痛みが続いていたり、帯状疱疹後に長引く痛みなど「痛みで眠れない」、「どの科にかかったら良いかわからない」、「検査で異常がないと言われたけれども痛みが続いている」といった方も対象となります。さらに三叉神経痛など比較的まれな痛みの病気も担当します。痛みは人それぞれで感じ方も異なります。大学病院での経験を生かし、お一人お一人に合わせた治療ができればと考えています。

院内は広く、ソファーやカーテンの色使いが木漏れ日のようですてきです。

【吉村院長】ありがとうございます。患者さんにできるだけ落ち着いた気持ちで過ごしていただきたいと思い、待合室や処置室は広くして、やわらかい雰囲気になるようにしました。当院のロゴは北海道に生息する「シマエナガ」をモチーフとして、地域連携と笑顔を表現しました。白くて丸い姿がかわいく、くちばしが三角形で笑顔になっているところがポイントですので、ぜひご覧ください。

医師を志した理由や、開業に至る経緯を教えてください。

吉村文貴院長、山口忍副院長 よしむらペインクリニック2

【吉村院長】この場所はかつて、祖父のイチゴ畑でした。小さい頃にこの場所でたくさんイチゴを食べたのは良い思い出です。大好きだった祖父が晩年、頸椎症によるしびれと痛みに苦しみ畑仕事ができなくなり、そんな姿を見て痛みを治せる医師になりたいと思いました。岐阜大学医学部附属病院では「痛みの治療」を専門に研鑽を重ね、痛みを抱える患者さんの多くが痛みによって健康的な生活が送れていないことを再認識しました。そして、自分の育った地域で病院と同じような専門的な「痛みの治療」を提供したいと考えるようになりました。

神経ブロック療法、高周波熱凝固療法など幅広く対応

山口先生はなぜ痛みの治療を専門にされたのですか?

吉村文貴院長、山口忍副院長 よしむらペインクリニック3

【山口副院長】私は学生時代から痛みの治療や緩和医療に興味を持っていました。痛みはとても生活に密着していますよね。例えば血圧や血糖値が高いことは良くないことですが、それ自体がつらい、歩けないといったことにすぐ直結するわけではありません。痛みは人がまず感じる不快な、つらい症状で直接生活に支障を来します。痛みで動けない、眠れない、また気分が落ち込むこともあります。臨床医として、患者さんが最初に訴える痛みに向き合いたいと思いました。吉村院長と開業することに決めたのは、院長の診療を見ていて、例えば神経ブロックなどの技術レベルの高さを感じていたからです。院長のスキルがあれば患者さんに安心して治療を受けていただけると思いました。

痛みの治療専門の医師が2人そろっていることがクリニックの強みですね。

【山口副院長】そう思います。例えばがんの治療では標準的な治療が決まっていますが、慢性的な痛みはその成因が複雑であることが多く、原因の解明や痛みの解消のためにはさまざまなアプローチが必要な場合が多くあります。どんな検査をしてどんな治療が奏功するかを検討する上で、2人であれば診療の幅も倍以上に広がるのではないかと考えます。1人よりできることも多くなりますし、いつでも信頼できる相手に相談できることはありがたく、互いにとっても患者さんにとってもメリットは大きいと思います。

こちらではどのような治療が受けられますか?

吉村文貴院長、山口忍副院長 よしむらペインクリニック4

【吉村院長】まず薬による治療です。鎮痛、血行改善、神経の興奮抑制を目的とする薬や漢方薬などを症状に合わせて処方します。次に、局所麻酔薬を用いて神経の遮断を図り、痛みを軽減するための神経ブロック療法があります。専門的な技術が必要ですが、当院ではエックス線装置または超音波装置を利用して、精度と安全性に重きを置いた施術をめざします。また高周波熱凝固療法・パルス高周波法といった、特殊な神経ブロック療法も対応していて、こうした専門的な治療を数多く扱うクリニックは珍しいかもしれません。針を刺される治療に不安がある方には近赤外線治療など痛みのほとんどない治療も選択できます。また当院ではDEXA法による骨密度検査により、適切な骨粗しょう症診断を行い、骨折の予防や早期の治療にも取り組んでいます。

痛みに寄り添い、笑顔で帰ってもらえるように

医師として、診療ではどんなことを心がけていますか?

吉村文貴院長、山口忍副院長 よしむらペインクリニック5

【吉村院長】患者さんによって、痛みの原因、強さ、そして生活背景は違います。しかしすべての方に共通するのは「痛みは不快な感情であり、健康的な生活を阻害するものである」ということです。また痛みは人にうまく伝えづらいため、我慢したり悩んだりと、心にも悪い影響を与えてしまいます。そうした患者さん一人ひとりに真摯に向き合い、その方に合わせた「痛み治療」を提供したいと思っています。
【山口副院長】まずは症状を適切に把握することを大前提としており、痛みの原因が内科的疾患でないかどうか、急性治療が必要でないかどうかの見極めを重視しています。疾患があれば病院あるいはその専門科のクリニックにすぐに紹介します。

どのようなクリニックにしていきたいとお考えですか?

【山口副院長】現状、ペインクリニックはまだまだ一般的に浸透していない状況ですので、私たちがここで頑張ることで多くの方に知っていただき、痛みを抱える患者さんの助けになれればと思います。町のクリニックなのでお気軽にいらしていただければうれしいです。また大学病院では整形外科や内科と連携して治療することも多かったのですが、当院でも地域のクリニックやすぐ近くにある市民病院はじめ大学病院、総合医療センターなど総合病院としっかり連携していきたいと思います。長らく岐阜で診療してきましたので、患者さんの症状やお住まいの地域に応じて通いやすい医療機関を適切に紹介できると思います。通院が難しい場合は、往診などで対応しますのでお気軽にご相談ください。

吉村先生も今後についてお聞かせください。

吉村文貴院長、山口忍副院長 よしむらペインクリニック6

【吉村院長】患者さんの中には「検査をしても異常がないと言われた」「年だからしょうがない」「我慢しよう」といった方々もいらっしゃいます。私たちの願いは、患者さんの不安を解消し笑顔になってもらうことです。痛い思いをして受診されるわけですので、できるだけ早く治療を開始し、帰る時には表情が和らいで、できれば笑顔で帰っていただきたいと思っています。慢性の痛みでは、「痛みを完全になくす」というのは難しい場合も多いのですが、肉体的にも精神的にも健康的な生活を送ってもらえるよう、患者さんに寄り添い、安心して治療が受けられるクリニックとなるよう努めてまいります。将来的には、往診や訪問診療など、訪問看護ステーションとも連携しながら地域医療に貢献していきます。

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