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北原 博一 院長の独自取材記事

北原皮膚科クリニック

(千代田区/秋葉原駅)

最終更新日:2022/03/14

北原博一院長 北原皮膚科クリニック main

JR山手線・秋葉原駅電気街口から徒歩約5分。昌平橋そばの北原ビル2階にあるのが「北原皮膚科クリニック」だ。院長の北原博一先生がこれまで培ってきた皮膚科医療を通じて地域に貢献していきたいと2022年2月に開業し、アトピー性皮膚炎からニキビ、水虫など多様な皮膚疾患について専門的に治療を行っている。最近ではマスクの影響で、湿疹やニキビに悩んでいる人が増えているという。「トラブルが起きている皮膚では、本来、皮膚が持つバリア機能が低下しています。皮膚も臓器であり、皮膚症状を放置することで二次的に全身症状が出る場合も考えられます。何かトラブルがあれば早めに受診を」と話す北原院長。大学病院で多様な疾患を治療してきた北原院長だからこそのアドバイスだ。そんな北原院長に診療方針や治療時の注意点など話を聞いた。

(取材日2022年3月5日)

薬の処方だけでなく生活環境まで指導するのが治療

開業の経緯についてお聞かせください。

北原博一院長 北原皮膚科クリニック1

1998年この北原ビルが建てられた時に叔父の北原東一が北原皮膚科を開業しました。残念ながら早くに病で亡くなり、その後は、北原皮膚科を継承するかたちで青木見佳子先生が明神下青木皮膚科として診療してきました。私自身はこれまで複数の病院で皮膚科の研鑽を積み重ねてきており、故北原東一の意思を継ぎ、今後は地域で診療をしていきたいと考え、この2月に新たに北原皮膚科クリニックとして開業することといたしました。この周辺で働いている方や近隣にお住まいの方など、幅広い方々の皮膚のトラブルを診ていきたいと思っています。

これまでのご経歴と専門について教えてください。

杏林大学医学部を卒業後、慶應義塾大学病院での初期研修を経て、慶應義塾大学医学部の皮膚科学教室に入局しました。その後、北里大学北里研究所病院皮膚科、稲城市立病院皮膚科に約2年ずつ勤務し、再度、慶應義塾大学医学部 皮膚科学教室に戻り助教を務めてきました。専門は、皮膚疾患全般でどのような疾患でも診ますが、中でもアトピー性皮膚炎、白癬(水虫)、皮膚腫瘍について数多く診療してきました。アトピー性皮膚炎や白癬を患っている方は一定数いらっしゃいますから、当クリニックでもしっかりと診査診断して、適切な治療を提供していきたいですね。

診療におけるモットーはどんなことですか?

北原博一院長 北原皮膚科クリニック2

患者さん一人ひとりの状況に合わせて丁寧に診察し、治療についても細かいことまでお話しすることです。薬に関することだけでなく治療以外のこと、その方のライフスタイルまでお話しすることが重要で、それらを含めてすべて説明することが皮膚科の診療と考えています。薬の使い方について正しく理解していない患者さんも多いと思います。例えばアトピー性皮膚炎の方でお風呂上がりに保湿剤を塗る場合、完全に水分を拭き取ってから塗るのか、あるいは少し水分が残っていたほうがいいのか。正解は少し水分が残っている状態なのですが、薬の塗り方について正しい説明を受けていない方は少なくありません。治療には生活環境も重要で、衣服の選択や寝室の環境、ペットとの共生、食生活など細かい生活環境をお聞きして、改善したほうが良い点は丁寧にアドバイスしています。

ニキビの治療は長期間の継続が大事

患者さんと接する際に心がけていることはどんなことですか?

北原博一院長 北原皮膚科クリニック3

患者さんの話をよくお聞きして、何に一番困っているのか、何がつらいのかをまず確認しています。その上で最良の治療を考えるとともに、患者さんが知っておくべき大切なことを説明しています。あまり積極的にお話しされない方にはこちらから質問してお困り事を確認しながら診察を進めています。小さなお子さんの場合には、親御さんに薬や保湿剤の使い方を丁寧に説明しています。実際に家でお子さんを見ているのは親御さんですので、お子さんの症状に関して親御さんと原因を一緒に模索し、再発防止に努めていくとともに、症状に対してお薬をどの場所にどのくらい塗ってください、というように親御さんと確認しながら説明しています。いずれにせよ皮膚科の治療は外用剤に頼ることが多いですが、処方しただけでは意味がなく、薬を適切に使用していくことが治療につながります。ですので処方した薬をきちんと使用いただけるように、丁寧な説明を心がけております。

最近多い皮膚疾患や気になる症状はありますか?

マスクによる皮膚疾患です。マスクの中が蒸れて湿疹が出たりニキビが悪化したりというケースが多いですね。ニキビの治療はそのタイプをきちんと見極めることが大切ですね。ニキビには毛穴にすみついているニキビダニが繁殖してできるものがあります。その場合、一般的なニキビの処方薬を塗ってもなかなか改善に向かわないのです。まずニキビダニがいるかどうか顕微鏡でチェックをして、もしニキビダニがいたのならまずはそこにアプローチし、その後、一般的なニキビの治療をするというステップが大切です。ニキビダニは皮脂を餌として好む傾向があるので、厚いファンデーションやオイルクレンジングなどは毛穴に脂が残りやすく、ニキビダ二が繁殖しやすいですね。その他にニキビを悪化させる要因として、洗顔方法や化粧の落とし方、食生活やストレスなども関連しています。

ニキビの治療や皮膚のケアで大切なことはどんなこととお考えですか?

北原博一院長 北原皮膚科クリニック4

ニキビの治療は長く続ける必要があることをまず知っていただきたいですね。ちょっと落ち着いたら治療をやめてしまうケースが多いです。だいたい4ヵ月から6ヵ月は必要です。多くの方が赤く膨れ上がったニキビをニキビとして認識していますが、その周辺には、白ニキビ、黒ニキビと呼ばれる“ニキビの子ども(コメド)”がたくさんいます。赤ニキビが治ったからといって治療をやめてしまうと、やがてコメドが成長して赤ニキビになり、再発します。治療方法もニキビの状況によって異なりますから、それぞれに適した治療を行うことが重要です。患者さんもコメドが再発につながるなんて知らないと思いますので、パンフレットを見せながら説明しています。日常的なケアも患者さんの肌質を見極めて指導していきます。保湿は大切ですが、過度な保湿もまたニキビの治療の妨げとなる可能性があります。

放置せずにトラブルが出たら早めに受診を

皮膚疾患も早期受診が大切なのですね。

北原博一院長 北原皮膚科クリニック5

はい。皮膚は人体最大の臓器で、外敵から体を守るバリア機能や免疫機能を持っています。皮膚にはさまざまな常在菌がいて、健康な時はそのバランスがとれていますが、バランスが崩れると皮膚トラブルが起きやすくなります。湿疹などが起きている場所では皮膚のバリア機能や免疫機能が低下し、そこから細菌が侵入して周囲に感染が広がってしまうこともしばしばあります。とびひや丹毒、蜂窩織炎といった疾患がこれらに当てはまります。また大学病院時代には、薬の副作用による湿疹が出てから1週間もたたないうちに救急車で搬送され、全身の80%以上の皮膚が剥け、治療に2ヵ月以上かかったという患者さんもおられました。最初は単なる湿疹と思っていても、重症化するケースも考えられます。皮膚のトラブルは甘く考えず、何か症状が出たらすぐに受診していただきたいですね。

ところで先生はなぜ医師をめざされたのですか? 皮膚科を選んだ理由もお聞かせください。

このビルで最初に北原皮膚科を創業した叔父の背中に影響されたと思います。やがては自分が医師になって継がなくてはならないと何となく思っていました。皮膚科を選んだ理由は、リウマチ膠原病内科や血液内科など他の内科分野とオーバーラップし、さらには外科手術も行える点で興味深い学問であり、その症状を自分自身の目で見て、触れ、患者さんと話して診断を考えていく点に、医師としてのプロフェッショナルな部分を感じました。実際、皮膚の疾患は同じ病名でも患者さんが違えば一つとして同じ症状はなく、湿疹といってもその表情はすべて異なり、常に患者さんを診察するたびに勉強になる科だと思います。

最後に、今後の展望とメッセージをお願いいたします。

北原博一院長 北原皮膚科クリニック6

この近辺で働いている方や近隣にお住まいの方々、さらに遠方の方まで皮膚のトラブルで悩んでいる方、なかなか治らないと困っている方は、ぜひ診させていただきたいと思います。皮膚のトラブルは生活の質を下げる大きな要因となります。そのまま放置しておくと全身症状が出たり、大きな治療が必要になったりする恐れもあります。何か気になることがあれば、早めにご相談ください。

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