一生涯、自分の歯で噛もう
マイクロスコープを生かした歯科治療
御殿山花歯科医院
(武蔵野市/吉祥寺駅)
最終更新日:2022/06/09
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高齢になっても自分の歯で噛んで食事がしたいと誰もが思う。しかし、若い頃から歯科医院通いが続き、歯を削ったり詰め物をしたりと治療ばかりをしていると、自分の歯を長く保つことは難しいのではないかと感じてしまう。「御殿山花歯科医院」では、歯科医療先進国であるスウェーデンで学んだ花山真知子院長が、多くの患者のさまざまな口腔内の悩みの解決に努める。特にマイクロスコープを基本的にすべての診療に取り入れ、できる限り歯質を削らず、患者自身の歯を残すように心がけている。これは、長いスパンで見ると重要なのだそうだ。使いこなすのが難しいといわれるマイクロスコープをどのように生かしているのか、メリットや治療の流れを詳しく聞いた。
(取材日2022年2月3日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qマイクロスコープを使った治療のメリットをお教えください。
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A
マイクロスコープは歯科用の顕微鏡です。最大で20倍まで患部を拡大することができるので、肉眼では捉えられない部位も確認することができ、精密な治療に役立ちます。例えば、歯の神経が露出することを露髄(ろずい)と言います。虫歯で治療する際、再発させないようにするには、感染箇所をしっかりと除去する必要がありますが、虫歯が深い場合、肉眼で削ると露髄を避けられず、結局、神経を取らざるを得ないということになりがちです。しかし、マイクロスコープを使用すると、神経を残した治療がしやすくなり、健康な歯質部分を極力残していくことができます。これは、長い目で見ると、生涯にわたって自分の歯を残すことにつながります。
- Qこちらではどのように取り入れていらっしゃるのでしょうか。
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A
当院では基本的にすべての診療にマイクロスコープを使っていて、2台あるユニットの両方に装備しています。たまたま私は、開業前まで勤務していたいくつかの歯科医院でマイクロスコープに触れる機会があり、かれこれ10年以上たちますが、長く使用していくとどこが見えてどこが死角になるのかがわかるようになります。ですから治療では、こういった死角をイメージしながら処置することが大事です。当院では、同じ基準で医療を行うために、歯科衛生士もマイクロスコープを使用してメンテナンスを行います。患者さんの歯は一人ひとり違い、汚れがつく場所も違います。メンテナンスといえども、歯の表面に傷がつくので、それを極力減らすためです。
- Q検査、診断、また、経過観察にも使用されているのですか?
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A
もちろんです。治療を無駄なく正しく行うには、最初の検査や診断がとても重要です。初診時はどんな治療をされるのかが不安と話す患者さんもいます。自分の口腔内の状態がどうなっているのか、見えない部分に虫歯や歯周病が進行していないかなどを視診や触診、エックス線撮影装置、マイクロスコープを使って徹底的に検査します。マイクロスコープは映像を録画することができるので、患者さんへの理解を深めるのにも役立ちます。見えない部分の見える化ですね。こうした検査や診断は、後の治療計画を立てる上の重要な判断材料になるのです。さらに、マイクロスコープは、しっかりと治療ができているかを確認する経過診断にも役立ちます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1口腔内の検査を行う
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視診や触診、エックス線撮影、CT、マイクロスコープなどを使って、隠れた部分の虫歯や歯周病、歯茎の下がり具合、かみ合わせや顎関節の様子など、口腔内全体の状態がどのようになっているのかを精密に検査する。治療の前に、口の全体の状況と原因を把握し、口腔内の状況に合った治療のための準備を行う。
- 2検査後の説明
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モニターにデータや画像を映し出し、口腔内の詳細な説明を受ける。同院ではただ検査の結果をモニターに映すだけでなく、CTとエックス線の整合性をとり、歯科医師として数字が示す意味を解釈、患者がわかりやすい言葉での説明を心がける。これは、治療計画を立てる上でもたいへん重要で、自分に合った治療法を決める手立てにもなる。費用も含め、心配なことや疑問はこの段階で遠慮なく相談したい。
- 3計画に沿って治療開始
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マイクロスコープを使った治療が開始される。虫歯治療では、歯を削る量を最小限に抑え、根管治療では、複雑な根管内を拡大してしっかりと確認しながら治療を行っていく。また、かぶせ物をする際、土台となる歯をかぶせ物に適した形に形成するが、マイクロスコープを使用して精密に削ることで、隙間なくかぶせ物を装着することを図り、再発予防につなげていく。
- 4治療後の経過確認およびメンテナンス
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しっかりと治療ができているか、マイクロスコープを使って確認。治療が終わって終了ではなく、治療がうまくいっているか、口腔内を良い環境に保つためそこからが予防のスタートラインだ。良い状態をできるだけ長く維持するために、セルフケアも重要になる。定期的な検診とともに、歯磨きや歯周病のチェックも行う。クリーニングや歯周病の検査時にもマイクロスコープが活躍する。
自由診療費用の目安
自由診療とは精密口腔内診査・診断/2万2000円(※マイクロスコープを用いた診査・診断や治療は、内容により費用が異なりますので、詳細はホームページをご確認ください)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。