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宮川 雄一 院長の独自取材記事

オハナこどもクリニック赤羽

(北区/赤羽駅)

最終更新日:2022/09/02

宮川雄一院長 オハナこどもクリニック赤羽 main

JR埼京線赤羽駅より徒歩3分、ビルの2階に位置する「オハナこどもクリニック赤羽」は、小児科の医師であり、小児内分泌領域にも精通する宮川雄一院長が開業したクリニックだ。院名の「オハナ」は、ハワイ語で『家族を中心につながる人々』という意味だという。「絆やつながりという意味の言葉を入れたいと思っていたところ、ハワイ語の『オハナ』という言葉に出会い、ぴったりだと感じたのでつけました」と話す宮川院長。小児内分泌に関する知識は小児科一般の診療にも十分に生かすことができ、視点を変えた診察も可能だという。父親の立場で子どもの健康と向き合う中で、「ご家族が気軽に相談できるクリニックをつくりたい」と考え、開業を決意。小児科と小児内分泌分野の視点から、治療への想いを聞いた。

(取材日2022年5月16日)

小児内分泌を知ることで、多角的な診断にも役立つ

感染症患者さんと一般診療の患者さんの待合室が分かれているのですね。

宮川雄一院長 オハナこどもクリニック赤羽1

最近は分離された待合室を造るクリニックも多いのですが、開業の話が進んだのがちょうど新型コロナウイルス感染症の流行と重なり、今後を見据えたときに、当院でも十分に分離された待合室を造ることが重要だと考えました。空間で分けられていないと時間で分ける必要があります。当院は空間で分けられているので、一般診療や予防接種、乳幼児健診も、希望する時間帯で受けることが可能です。

先生は小児内分泌の領域にも詳しいそうですね。

小児内分泌と聞くとちょっとマニアックな印象を持たれるかもしれませんが、身につけた考え方は、一般診療にも生かせると思っています。小児内分泌の面白いところは、一般的な診療と専門的な診療とのバランスが良いところです。まれな病気を診ることもありますが、一方で、お子さんの身長がなかなか伸びない、お子さんの思春期が早く始まっているかも知れないなどで悩まれているご家族も多くいらっしゃいます。そのような相談を受ける際に、小児内分泌領域を知っているのといないのとでは、同じ症状のお子さんを診るにしても、アプローチの仕方が変わってくると思います。例えば、低身長のお子さんにどこまで詳しい検査や治療が必要か、そのために高次医療機関への紹介が必要かという見極めにも影響すると思います。こうした相談は開業医が入り口になることが多いのですが、最初の関わり方によって、その後のご家族の気持ちも大きく変わってくると思います。

具体的に、どのように変わってくるのでしょうか。

宮川雄一院長 オハナこどもクリニック赤羽2

私は、低身長に限らず、「入り口」である開業医がどのようにご家族と接するかはとても重要だと思っています。例えば、様子を見られると判断した場合は、どこに気をつけてどこまで様子を見るのか、家でできることはないのかをお話しすることが大切だと考えています。高次医療機関への紹介が必要と判断した場合は、ご家族にお話しした内容を紹介先の医療機関と共有することが大切だと考えています。「入り口」である開業医がしっかりとしていないと、ご家族も「出口」が見えにくく不安になると思います。一方、自施設ですべてを完結させようとするのではなく、適切な関係機関に適切なタイミングで紹介することも、開業医にとっては重要だと思います。

家族の想いを受け止めることを大切にしたい

先生が診療時に大切にしていることは何ですか?

宮川雄一院長 オハナこどもクリニック赤羽3

小さいお子さんを診療する際は特にですが、ご家族からいかに話を聞き出すかということですね。症状をうまく伝えられないお子さんを常に目の前で見ているのはご家族だからです。ご家族がこの医師には話してもしょうがない、怖いからこの医師には話したくないと思わないために、まずはご家族の想いを受け止めることを心がけています。受け止めた内容をもとに、医学的な観点も踏まえて、必要十分な治療を提案できればと思います。

付き添ってきた親御さんの治療も行えるのでしょうか?

当院では、風邪などでお子さんと同じ症状の方と授乳中の方に限り、処方を行っています。特に授乳婦さんは、授乳中だからといって処方を断られたり、処方された薬を飲んで良いのかわからないなど、悩むことがあると聞きます。当院では、「母乳とくすり」のハンドブックを備えています。授乳中でも服用可能な薬を、根拠を示しながら処方しますので、ご安心いただけたらと思います。薬を飲んで良いのかわからないからと痛いのを我慢したり、鼻水を我慢したりするのは、子育てで大変な体にさらに負担となってしまうこともあるでしょう。授乳中の方に限らず、ご家族の体調を整えることはお子さんと過ごす上で大切だと思います。

診療や検査時に泣き出す子もいるのでは?

宮川雄一院長 オハナこどもクリニック赤羽4

私は、予防接種のときも乳幼児健診のときも一般診療のときも、お子さんに何かをする時はなるべく、これから〜をするよ、とお子さんにも話しかけるようにしています。その上で、お子さんには泣いてもいいよと話します。お子さんは普段と違うところに来て、何をされるかわからず不安になってもいるのですから、泣くのは当然だと思っています。

子どもが泣くと親は動揺してしまいますよね。

そうですね。ご家族にも、お子さんに何かをする時はその内容を説明すると同時に、泣いてもいいんですよとお話をします。ただし、大きいお子さんには「予防接種の時は泣いてもいいけれど、腕は動かさないようにね」とお話をして、ご家族にも協力をしていただいています。

成長と発達、総合的に診療する点が小児科の特徴

先生のおじいさまも医師だったそうですね。

宮川雄一院長 オハナこどもクリニック赤羽5

そうです。私が医師をめざしたのもその影響が大きいと思います。祖父は昔ながらの町医者で、小さい頃よく遊びに行ったり健診を受けたりしていました。内科が中心だと思うのですが、何でも診ていました。私が医師になった最初の年は市中病院での勤務だったのですが、祖父を見て思っていた「医師」のイメージと差はありませんでした。大学病院で勤務をするようになった時は、診療がより専門的になり、研究の比重が増したので、新鮮さを感じました。

なぜ小児科を選んだのですか?

医師になるならなるべく幅広く診られるようになりたいと思っていました。しかし、内科は細分化されていて、総合診療科以外で、全体を診ることはなかなか難しいと感じました。実際に総合診療科へ見学に行き、どうしようかと悩んだこともありましたね。その中でもう1つの決め手となったことは、診療の縦軸と横軸に関することです。縦軸は成長と発達、横軸は診療の幅、小児科は両方を兼ね備えていると感じています。縦軸と横軸を織り交ぜた診療に携われることがとても魅力的でした。

今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

宮川雄一院長 オハナこどもクリニック赤羽6

広く展開するよりも、一人ひとりのお子さんを丁寧に診て、その中で必要なニーズに応えていきたいと思っています。同時に、ご家族が気軽に話せる雰囲気をつくることも大切だと感じています。お子さんのことで困ったことがあったら、こんな些細なことで、と思わずに、いつでもご相談ください。他の医療機関を紹介してほしいというご要望でも構いません。小児内分泌医として培った視点も交えてお話しすることで、安心していただける部分も多いのではないかと思います。成長と発達は小児診療の重要な二本の縦軸だと考え、今後も、そこにしっかりと携わりながら、診療を続けていきたいです。

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