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池下 育子 院長の独自取材記事

いけした女性クリニック

(中央区/月島駅)

最終更新日:2024/04/15

池下育子院長 いけした女性クリニック main

東京都中央区月島の西仲通りに立つ高層マンションビル2階にあるのが「いけした女性クリニック」だ。院長の池下育子先生は、30年以上にわたって女性のさまざまな体と心の悩みに応え続けている。これまで著書も数多く上梓し、女性が健康で美しく前向きに生きられるよう時代に応じたメッセージを数多く発信してきた。近年は女性を取り巻く社会環境とともに女性医療も大きく変化してきたと話す池下院長。「治療の選択肢が増えてきて患者さん自身が選ぶことができる時代です。自分がどうしたいか主体的に選択できる体でいるためにも、検診を受けることが大切ですね」と語る。診療の特徴や女性医療への思いなどについて聞いた。

(取材日2024年3月26日)

婦人科医療の進化とともに女性の意識も変化

月島に移転・開業なさってから患者さんの層などの変化は感じますか。

池下育子院長 いけした女性クリニック1

以前銀座で開業していた頃は、30~50代の働く女性を中心に診療していましたが、縁あって2023年に月島に移転、開業してからは、患者さんの年齢層がぐっと広がりました。月島の前にはすぐ近くの佃で診療していましたが、そことも患者さんの層が少し違うようです。月島界隈は古くからお住まいのご高齢の方が多く、その一方でマンションも増えて若い世代も多く、患者さんも10代の学生さんから上は80代の方まで来られています。うれしいことに、私が開業前に勤めていた東京都立築地産院で生まれた方や、そこで私がお産で取り上げた方もいらっしゃるんです。中央区明石町にあったその産院は、1999年に東京都立墨東病院に併合されて今はもうありませんが、私が産婦人科医療を学んだ場所です。そこでの思いが今につながっている気がします。古くから続く街ならではのことだと感じますね。

先生は30年以上、婦人科医療に携わっていらっしゃるのですね。

今でこそフェムテックという言葉が話題になっていますが、20年くらい前は生理用ナプキンのCMはあっても、おりものシートなどという言葉はありませんでした。その後、PMS(月経前症候群)の概念が海外から日本に入ってきて、生理前の体調不良が理解されるようになったり、以前は難しいと考えられていた40代の妊娠・出産も増えてきたりしました。また、子宮内膜症などの治療法もかなり確立されてきています。女性の社会進出や晩婚化、晩産化など時代の変化とともに、婦人科医療も大きく変化しました。ここ20年くらいの間に薬も進化してHRT(ホルモン補充療法)なども登場し、女性のさまざまな悩みにより幅広く対応できるようになってきています。

女性の意識も変わってきているのでしょうか。

池下育子院長 いけした女性クリニック2

そうですね。自分の心身不調がPMSあるいはPMDD(月経前不快気分障害)であると感じて受診する方も多いですし、自身の症状をインターネットなどで調べて、こんな病気なのではと相談に来る方もいます。治療法についても知った上で、PMSの症状に対して自分は低用量ピルを使いたい、自分は漢方で、というようにご自身で選択してから来られる方も多いです。以前と比べると女性の医療やご自身の体を守る方法に、女性自身がかなり知識と関心を持つようになっていると実感します。ただ、これは地域によって差があるかもしれません。

痛みの原因となる疾患を早期に発見

診療の際、どのようなことを大切にしていますか。

池下育子院長 いけした女性クリニック3

患者さんに優しく接して丁寧にお話を聞くようにしています。特に患者さんの訴えの中で生理痛などの痛みがある場合は、より綿密に診察します。内科では何か痛みがある場合、メンタル的要因が50%、器質的要因が50%といわれるのですが、婦人科では何らかの器質的要因が70~80%を占めていると考えられます。ですので、その痛みを引き起こしている疾患をできるだけ早期に発見できるよう努めています。ある調査では、生理痛などの自覚症状が何もないのに、婦人科疾患が見つかった人が20~30%いたという報告もあります。今は初潮が早くなって出産回数も減ってきていますから生理の回数も多く、その分子宮内膜症などの疾患になる可能性が高くなってきています。そうした疾患を早く見つけるためにも、検診はぜひ受けてほしいですね。

婦人科検診は受けにくいと感じる人も多いようですね。

会社にお勤めの方は年に1回の企業健診があっても、婦人科検診の項目にチェックを入れるのはためらってしまうかもしれませんね。特に男性が管理や担当をしているとなおさらでしょう。当院ではいろいろな検査ができるので、ぜひ相談に来てください。若い方ができるだけ受診しやすいよう工夫をしています。例えばお母さんを診察している時の雑談の中で、「今度、娘が修学旅行に行くんだけど、生理が心配」といった話題が出たら、「こんな対応もできますよ」と提案することもできます。医師の立場からというより、おせっかいなご近所さんといった気持ちでアドバイスしています。

先生ならデリケートな悩みも相談しやすそうです。

池下育子院長 いけした女性クリニック4

女性がなかなか言いにくいことや相談しにくいこと、どんなことでもお話しいただいて大丈夫です。当院は原則として男性の診察や付き添いはお断りしていますし、プライバシーに配慮して診察しています。尿漏れや局部の違和感、性交痛などの相談も受けつけています。医療脱毛も行っていて介護脱毛を希望される方もいます。いつまでも元気で美しくあり続けたいと思う女性を幅広くサポ―トしたいと思います。

医療体制について教えてください。

毎週火曜日は、産婦人科の医師の安江育代先生に来ていただいています。安江先生は、日本橋人形町で30年以上にわたって診療してきたベテランの医師です。2人の医師の目で症状を確認して話し合うことでより適切な診断や治療につながると思います。当院には非常勤を含めて助産師が2人いますので、出産後の悩みなどにも対応しています。また、当院にはエステティシャンから看護師になったスタッフがいるんです。彼女とは長く一緒に仕事をしてきたのですが、一念発起して看護学校に通い始めたんです。娘さんが看護師になったとのことでそこから刺激を受けたこともあると思いますが、きっとそれだけではない彼女の強い意志と情熱があったんだと思います。そのパワーには、私も元気をもらえますね。

治療法を自分で選択できる体でいることが大切

先生はどんなきっかけで医師をめざしたのですか。

池下育子院長 いけした女性クリニック5

父が青森県で産婦人科の医師をしていました。父は「自分は男だから女性の痛みを完全に理解することはできない。その痛みのわかる女性の医師が必要だ」と話していました。私自身は、小さい時からピアノを習っていたので、将来はピアノの道に進みたかったんです。でも、父から説得を受けて、医学部に進学しました。大学を出てからは一時麻酔科に勤務しましたが、やはり父の言葉通り周産期の現場を見ることが重要と考えて、最初にお話しした東京都立築地産院産婦人科に勤めました。

先生ご自身の活力の秘訣はありますか。

趣味はダイビングで、そこから元気をもらっています。海の中はとてもきれいでいつも感動します。特に八丈島の海が大好きです。本格的に潜り始めたのは子育てが一段落してから。ペーパーダイバーの講習を受けて始めました。潜るためには体力維持も大切ですので、そのためにマラソンにも取り組んでいます。時々大会にも参加しているんですよ。メンタル面ではどんなことでもラッキーと考えるようにしています。何か問題が起きた時はより悪いことを想定して、「こんなことにならなくて良かった。ラッキー!」と前向きに捉えています。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

池下育子院長 いけした女性クリニック6

婦人科というとハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。女性の体のことや心のこと、どんなことでもお話ししていただけますので、遠慮なく相談に来てください。安江先生とともに、これからも皆さんの心や体をサポートしていきたいと思っています。今は治療の選択肢がとても増えています。子どもを産むか、産まないか、自分がどうしたいかを選択できる時代です。病気を早期発見できれば治療の選択肢も広がります。自分で選択できる体でいられるためにも、ぜひ検診を受けていただきたいですね。アフター更年期の世代の方々は、いつまでも健康で元気に美しく、一緒に年を重ねていきましょう。どんな時もあなたがあなたであることを忘れずに、大事にしてほしいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

結婚や妊娠に向けた検診/ブライダルチェック・プレママスタートセット:2万3000円~、卵巣予備能検査/6500円~、緊急避妊薬処方/1万1000円~、医療脱毛/両脇6600円~

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