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吉田 幸平 院長の独自取材記事

新宿おしりのクリニック

(新宿区/新宿三丁目駅)

最終更新日:2022/01/05

吉田幸平院長 新宿おしりのクリニック main

ハードルが高いと思われがちな肛門外科の受診を身近なものにしたいと、2021年開業した「新宿おしりのクリニック」。新宿三丁目駅のC8出口を出てすぐ、新宿駅の東口からも徒歩10分ほどという、通院しやすさもポイントになっているクリニックだ。話しやすい人柄が魅力の吉田幸平院長は、痔の診察や手術を中心に、痔の原因につながる腹部の診療経験も積んだドクター。その豊富な経験から、患者の生活スタイルに合わせた治療を提案でき、痔の日帰り手術も院内で対応している。「肛門外科はハードルが高い場所。来てくれた方はそれだけ悩んでいるということを理解したい」と語る患者想いの院長に、日帰り手術のことや診察時のモットー、恥ずかしさを軽減する工夫などを聞いた。

(取材日2021年12月23日)

長年の症状に悩む人を救うため受診しやすさに配慮

2021年開業とのことですが、どんなクリニックをめざしていますか?

吉田幸平院長 新宿おしりのクリニック1

当院は札幌にある「札幌駅前樽見おしりとおなかのクリニック」が本院になります。本院は肛門外科のほか、内視鏡にも力を入れていますが、当院はお尻の症状に特化して診療を行っています。肛門科にかかるのはハードルが高いと思っている方が多いこともあり、開業時にめざしたのは、老若男女が気軽に受診できるクリニック。お尻は自分では直接見えませんし、不安を抱えている方も多い場所です。診察時にリアルタイムでお尻の状態が見られるモニターなども用いて、症状や治療内容を理解してもらいながら、安心して帰れるクリニックをめざしています。

患者層について教えてください。

女性も多く、男女比は半々くらいです。20~40代の方が中心で、大学生や妊婦さんもいらっしゃいます。何年もお尻の悩みを抱えていたとおっしゃる方が多く、中には中学生くらいから切れ痔だったもののそれが普通になってしまい、30歳になって初めて当院で肛門外科にかかったという方もいました。当院にきてもらえて良かったなと思う反面、もっと早く悩みを相談できる場所があったらとも思いました。長年抱えているお尻のお悩みがある方も、気軽に来ていただきたいですね。また、新宿という場所柄、LGBTの方も多いです。実は開業してすぐの頃、自分の知識不足から相談された内容に適切に答えられなかったのではないかと、とても後悔していることがあるんです。避妊具の会社などに連絡を取って同性同士の正しい使い方を聞くなど日々勉強を重ねて、患者さんそれぞれが抱える悩みを解決できるよう努めています。

女性の患者さんも多いのですね。

吉田幸平院長 新宿おしりのクリニック2

女性はダイエットなどをして便秘になったり、妊娠を機に痔を発症したり、お尻に負担がかかりやすい傾向にあります。最近では、お尻の脱毛をする時に撮った画像でイボがあることを知って、きれいにしたいといらっしゃった方もいました。女性の方にだけではないですが、診察時は必ず女性看護師がサポートをし、診察の体勢が取れるまでタオルでカバーしています。産婦人科のように足を広げるような体勢ではなく、最低限の肌の露出で済むように横向きの体位で診察を行っていることも気恥ずかしさを軽減できるポイントではないでしょうか。また、当院は美容エステサロンなども入るビル内にあり、同フロアには別のクリニックや処方箋薬局も入っているため、ビルに入る時に気恥ずかしさもないと思いますよ。

生活スタイルを崩さず受けられる痔の日帰り手術

先生は手術経験が豊富と伺いました。

吉田幸平院長 新宿おしりのクリニック3

ここに来る前は札幌にいたのですが、JR札幌病院の外科・こう門外科に勤務し、食道がん、胃がん、大腸がん、膵臓がんなどの消化器系のがんの手術に携わり、執刀も行っていました。その際、手術に来ていた「札幌駅前樽見おしりとおなかのクリニック」の樽見先生から声をかけていただき、同院に勤務することになりました。そこで肛門疾患の診断、治療、手術を専門的に学びました。助手、執刀を含めて手術を行うことでしっかりと経験を積めたと思います。

その経験が同院の日帰り手術に生かされているのですね。

そうですね。忙しい方にも生活スタイルを崩さず受けてもらえるので、日帰り手術は当院の柱になっています。イボ痔、あな痔と呼ばれる痔ろうなども日帰り手術での治療が可能です。切れ痔を繰り返すと肛門狭窄といってお尻の穴が狭くなってしまうので、その拡張手術も行っています。肛門周辺に症状が現れる性感染症、尖圭コンジローマの切除手術も日帰り手術で対応します。手術ではまず患者さんの主訴となるところの改善をめざし、腫れにくいような処置も注力している点です。腫れてしまう方も中にはいるのですが、方法によって腫れにくいように切ることもできますので、きちんとした解剖学的知識に則って手術に臨んでいます。

そのほかの治療内容について教えてください。

吉田幸平院長 新宿おしりのクリニック4

日帰り手術に力を入れているというと、受診したらすぐに切除手術を行うというイメージを持つ方もいると思うのですが、当院では患者さんの希望や生活環境に合わせて治療内容を選択できるようにしています。術後の生活制限が少ない注射療法は切らないので、小さいお子さんがいる方にも勧められる方法です。注入軟こうや内服薬など、薬のみの治療で対応できる方もいます。また、痔の原因につながる下痢や便秘、過敏性腸症候群などの治療も行っており、原因が改善することで痔も回復するケースがあります。切除以外の方法もたくさんありますので、怖がらずに一度相談していただきたいです。

患者の気持ちを理解し、生活を考えながら治療を提案

先生が診療の際、大事にしていることは?

吉田幸平院長 新宿おしりのクリニック5

肛門外科は受診のハードルが高い科だと思いますので、いらっしゃった方はそれだけ悩んでいるということを理解して接するようにしています。そして、なるべく恥ずかしくなく、怖くなく、痛みが少ないような診察と治療を心がけています。なぜ今の状態になったのか、現在の状況、治療の流れをきちんと伝え、患者さんに理解してもらうことも大事です。診察台にはリアルタイムでお尻の状況を患者さんも見られるモニターを設置していますし、治療経過は毎回画像で保存し、治療結果も患者さんにわかりやすく共有できるようにしています。日帰り手術をはじめ、患者さんの日々の生活に影響を与えない治療をめざしていることも当院の特徴です。会社勤めの方や子育て中の方も多くいらっしゃるクリニックですから、社会生活を営みながら柔軟に受けられる治療内容を提案できるようにしています。

先生が医師を志したのはどのようなきっかけがあったのでしょうか?

僕は幼稚園の頃から医者になりたいと思っていて、小学校1年生の時のタイムカプセルに「医者になる」と書いて埋めたくらいなんです。きっかけは小児麻痺で障害がある幼なじみの存在です。小さい時は障害という言葉も知らず、そういう特徴の子という認識でしたが、ある時、障害があるからつえをつく、車いすで移動するということを知りました。そこで、母に障害を治すのに自分が携わるにはどうすればいいのか聞いたところ、「お医者さんになればいいんじゃないの」と、教えてくれたんです。幼稚園の頃なのでどうやってなったらいいかもわからなかったのですが、「じゃあ医者になろう」と決意。そこから医者をめざして今に至ります。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

吉田幸平院長 新宿おしりのクリニック6

お尻に何か不調を感じたら勇気を振り絞って来ていただきたいです。日帰り手術は当院の特徴ですが、手術は一つの選択肢であり、絶対に手術するわけではありません。お一人お一人の社会的背景を考え、生活スタイルを崩さない治療をめざしています。市販の薬を使って治そうという方も多いのですが、原因が感染症のときは逆効果の場合もありますので、治らないと思ったら早めに来てください。仮に手術もする際も大きくなる前に取ることで、痛みも少なくて済みます。恥ずかしく感じる方もいると思いますが、毎日使う大事な場所です。薬だけで治療できるケースもありますので、まずは気軽に相談に来てください。

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