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高岩 正典 院長の独自取材記事

たかいわ小児科

(松山市/いよ立花駅)

最終更新日:2021/10/12

高岩正典院長 たかいわ小児科 main

国道11号線を一本南に入った住宅街の一角にある「たかいわ小児科」は、2021年4月に開院したばかりの小児科医院だ。岡山県出身の高岩正典院長は地元岡山の大学を卒業後、大学病院への勤務を経て、松山赤十字病院の小児科に入局。小児腎疾患を専門として十数年の勤務を経て、患者のみならずその家族を含めてより親身にサポートしていくことに加え、「未病」の子どもたちの診療を自身の軸とするべく、同院の開院へと至ったそう。「地域の保健室」になるという目標を掲げる高岩院長に、小児科医院としての施設のこだわりや医師として大事にしている思いを語ってもらった。

(取材日2021年6月2日)

小児科医院として子どものための工夫を多く取り入れる

2021年4月に開院したそうですが、施設内の造りに大きな特徴があるそうですね。

高岩正典院長 たかいわ小児科1

当院には入り口を3箇所設け、施設内も3つのエリアに分けています。予防接種や健診などを受ける健康なお子さんのための診察スペース、風邪や発熱などの一般的な診療スペース、そしてインフルエンザやおたふく風邪など、感染力が強い疾患が疑われる患者さんを診療するスペースの3箇所です。すべて同じ施設内ではあるのですが間仕切りをきっちりと設け、患者さん同士の接触を極力減らすようにしました。また来院いただく際も、現在は基本的に予約制を採用しています。一人ひとりの患者さんを手厚く診察できるようシステムを整えています。

開院にあたり、なぜ建物をこのような造りにされたのですか?

今回開院するにあたり、さまざまな医院の先生方に院内を見せていただき、参考にさせていただきました。しっかりゾーニングされた構造は、本来小児科医院にとって理想の造りであるとも言われています。そのためには敷地面積や建物の構造がとても重要です。私たちの医院も十分に広いとは言えませんが、隔離室と母子保健のエリアを先に配置することをテーマに設計士の方と何度も打ち合わせを重ね、特にゾーニングについて考え抜いて行き着いた設計になりました。おかげさまで患者さんの不安を可能な限り取り除くことができる構造になったかと思います。勤務医時代に所属していた病院での、例えば新型コロナウイルス感染症に対する取り組みからも多くを学びましたが、特に本当に多くの小児科開業医の先輩方の知恵をお借りしました。

先生は現在も松山赤十字病院での勤務を続けられていると伺っています。

高岩正典院長 たかいわ小児科2

そうです。海外留学時代に、このように自分の医院を持ちつつ病院での勤務も続けるスタイルを目にしていましたので、開業後も専門診療を外来と入院患者の一部で続ける形を松山赤十字病院のご支援もいただいて始めることができました。この勤務形態の最も大きなメリットは、やはり医療機関との連携がしっかり取りやすいことですよね。当院ではできない治療を行う際の紹介もスムーズですし、転院した後も引き続き私が患者さんの担当医となることも可能です。また患者さんに、治療方針の選択肢をいくつか提示できることもメリットの一つだと考えています。どの方法を選んだとしても責任を持って長いお付き合いができれば、患者さんの安心感も大きいはずですよね。

医療面に限らず、幅広く子どもの健康をサポート

もともと先生ご自身が医師をめざしたきっかけや、専門を選んだ理由は何だったのでしょうか。

高岩正典院長 たかいわ小児科3

原体験となるのは、私自身が幼い頃に小児科領域の慢性疾患を抱えていた点が大きいかもしれません。その治療でお世話になった先生の影響で小児科医師をめざそうという気持ちが生まれ、医師の道を志しました。私は小児科の中でも腎疾患を専門としているのですが、こちらに関しては大学院で師事した先生の影響もあり、学びを深めていくうちにその重要性を強く感じるようになりましたね。とはいえ小児腎疾患を専門とする先生の母数自体がそもそも非常に少ないので、私がこれまで師事した先生方や他の医局の方とも連携を取りつつ、日々情報の交換やアップデートを心がけるようにもしています。

先生ご自身が日頃、診察の中で意識している点はありますか?

治療においては早期発見がとても大事なので、明確な発病までには至ってない「未病」の状態のお子さんを見落とさないよう非常に気を配っています。またそのためには医院だけでなく、患者さんのご家族や学校との連携も非常に重要になってきます。世界的に見ても日本は腎疾患の治療が進んでいる国です。腎疾患はもともと自覚症状が出にくく、病状が進んでから診断されることも多いのですが、学校検尿などの日本では一般的な優れたシステムがあります。特に松山ではご家族、教育機関と地域医療の連携がとても密で、尿の異常など子どもさんのちょっとした変化も「未病」の段階から細かく拾いあげてくださいます。そういった点は松山市の子どもを温かく見守る土地柄によるものと感じましたが、非常にありがたいですし、理想の医療のかたちだと思っています。

教育や医療、家庭の垣根を越え、一致団結して子どもの健康を見守るということですね。

高岩正典院長 たかいわ小児科4

腎疾患に限らず、それが本当の意味で子どもたちの健康をトータルで守ることにつながると思っています。当然治療に関してもこちらの方針を一方的に押しつけるのではなく、それぞれのご家庭の環境や生活スタイルに合わせたり、ご家族や患者さん本人の希望に沿えるものをいくつか用意して選択肢を提示したり。時にはご両親、お母さんの普段の子育てに関する心配・不安もサポートして、家族ぐるみでペースを合わせて一緒に歩いていくような。言うなれば、この辺りに住むご家族の「地域の保健室」となれるような対応を、常に心がけていますね。

「地域の保健室」を目標に、患者に寄り添って

院全体で「地域の保健室」の姿勢を大事にされているんですよね。

高岩正典院長 たかいわ小児科5

当院に勤務する看護師、医療事務も、ありがたいことに非常にさまざまな知識と経験を持つスタッフがそろっています。小児科経験が長いスタッフ、予防接種や保険、アレルギーの専門知識を持つスタッフもいれば、婦人科の勤務経験があるスタッフもいて。そのため非常に幅広い知識や質の良い情報を、患者さんとそのご家族の方にたくさん提供することができるんですね。いつ来ても頼りになるスタッフがいる医院は、とても安心感もあるのではないでしょうか。専門性が高い医院というよりは、その専門分野につながる入り口となるような医院であることを意識しています。私だけでなくスタッフ全員、医院全体で、患者さんにどんな小さなことでも気軽に相談していただける場所にする。そういった点を、今後も大事にしていきたいと考えています。

そういった医師としての姿勢や価値観は、ご家族の影響も大きいと伺いました。

特に私の妻がきょうだいも多く、子どもをとても大事にする人で。結婚して家族が増え、そのような価値観を持ち込んでくれたことで、子育てや患者さんのご家族に対する認識が私の中でも大きく変化しましたね。接し方も変わりましたし、患者さんの悩みや主張を前よりもきちんと正しく受け止められるようになったかな、と。それに気づかせてくれた家族の存在はとても大きいと思います。今は休みの日も家族と一緒に過ごすことが多いんですが、最近は昔趣味にしていたカメラを再び始めまして。そのカメラで子どもたちや妻の何げない瞬間を撮影することを、ちょっとした趣味としています。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

高岩正典院長 たかいわ小児科6

「こんなことで病院に行くのは大げさかな」というような些細なことでも、ぜひ積極的に「地域の保健室」として当院を頼っていただければうれしいです。医師個人としてだけでなく医院全体で子どもさんのケアや治療にあたるだけでなく、小さな不安や悩みに対しても手厚くご家族をサポートする姿勢を何よりも大事にしていますので。また一般的な小児科診療だけでなく、万が一の専門的な治療や精密検査に関しても、しっかりと診断・治療に結びつけるためのお手伝いをさせていただきます。長期にわたる治療の際もかかりつけ医として長く一緒に並走することが可能なので、ぜひ安心して当院にお越しください。

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