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田村 夏奈子 院長の独自取材記事

日本橋ストレスケアクリニック

(中央区/水天宮前駅)

最終更新日:2024/05/10

田村夏奈子院長 日本橋ストレスケアクリニック main

開業から3年を迎えた2024年春に日本橋箱崎町に移転、新たなスタートを切った「日本橋ストレスケアクリニック」。働く人のメンタルヘルスを中心に、うつ病や不安障害、発達障害などさまざまな心の病に対応し、医師だけでなく多職種の専門家と情報共有しながらチームで治療にあたっている。院長の田村夏奈子先生は、杏林大学大学院で研鑽を積む傍ら、国立精神・神経センター精神保健研究所(現国立精神・神経医療研究センター)で研究に従事。精神科の病院やクリニックで勤務医としても診療してきた、経験豊富なドクター。「当院がさまざまな不安や生きづらさを感じている患者さんたちの居場所になれれば、うれしいですね」と笑顔で語る田村院長に、診療の特徴などについて聞いた。

(取材日2024年3月13日/情報更新日2024年5月1日)

心の病を抱えた人の「居場所」となって寄り添う

まずはクリニックの概要を教えてください。

田村夏奈子院長 日本橋ストレスケアクリニック1

当院は心療内科と精神科を標榜しているクリニックで、2021年4月に開業しました。20代・30代のビジネスパーソンを中心に幅広い年代の方々が来院されており、心の病に悩む患者さんに対して、医師だけでなく多職種の専門家と情報共有しながらチームで対応しています。日本橋で開業したのは、多くの企業がオフィスを構えるビジネス街であり、「働く人のメンタルケアを中心に診療していきたい」という私の思いと合致していたからです。それに、水天宮や人形町エリアには小さい頃からよく遊びに来ていてなじみがあり、開業するならこの街がいいなと思っていました。江戸時代からの風情が残る大好きな街で診療できることを、とてもうれしく思っています。

この春、移転されたそうですね。

はい。開業から3年たち、これまで蓄積してきた経験とノウハウを診療に生かしていきたいと思い、日本橋の蛎殻町から箱崎町へと移転しました。最寄り駅はこれまでと変わらず水天宮前駅で、茅場町駅・人形町駅からも徒歩圏内の立地です。内装も以前と同じくナチュラル感を生かして、患者さんがリラックスしてどんなことでも気兼ねなく話せる雰囲気になるようにとデザインしました。メインで使用する診察室の壁は、不安感や圧迫感を与えることのないようガラス張りにしていますが、一部をすりガラス調にすることでプライバシーにも配慮した空間となっています。また、医師から患者さんの全身が見える位置に机や椅子を配置するなど、細かなところまでこだわっています。

待合スペースにもこだわりをお持ちだとか。

田村夏奈子院長 日本橋ストレスケアクリニック2

心の病を抱えていると学校や職場に行くのが難しくなり、家に閉じこもりがちになる方もおられます。ですから、定期的に通う場所をつくり、外出の機会を増やすことがとても大切であり、当院が患者さんの居場所になることができればと思っています。受付の手前にあるスペースにはゆったり座れる一人掛けのソファーを設置し、コーヒーなどのドリンクも用意しています。さらに、受付の奥の窓に面したスペースにはカウンター席とソファーがあります。カウンター席にはコンセントがついていますので、パソコンを持ち込んでお仕事や勉強してもらっても構いません。カフェで過ごすような感覚で、リラックスして過ごしていただきたいですね。

自分らしさを取り戻せるよう、多職種で患者を支援

クリニックの特色である「リライフ・ラボ」について教えてください。

田村夏奈子院長 日本橋ストレスケアクリニック3

当院では以前から働く人のメンタルヘルスに力を入れており、心の病によって休職した方に向けた復職支援プログラムを行っています。一般的に、復職支援は「リワーク(return to work)プログラム」と呼ばれていますが、プログラムのゴールは復職だけでなく、転職や退職も選択肢になります。患者さんにさまざまな道があることを知っていただいて、その人らしい生活を取り戻すお手伝いができればという思いを込めて、当院の取り組みを「リライフ(return to life)・ラボ」と名づけました。具体的には、偏ったものの見方や考え方を修正するための認知行動療法、ストレスにうまく対処するためのストレスコーピングといったセルフケア指導のほか、病気についての知識と理解を深めるための勉強会を行っています。また、心の病を改善するには生活習慣の乱れを整えることも大切なので、睡眠・食事・運動の指導にも力を入れています。

多職種でのチーム医療を実践されているそうですね。

はい。当院では予診として心理士が患者さんから話を聞いた後に私が診察し、その後、心理士らとミーティングをして治療方針を決めています。心理士は臨床心理学に基づく知識や技術を持っています。医師だけでなく、他の専門的な視点からも患者さんの心の問題にアプローチすることで、より良い治療の提供につなげています。治療は患者さんの状況によって薬物療法や精神療法、カウンセリングなど適切なアプローチを選択していきます。女性に特有の心身症状には、漢方処方を行う場合もあります。また、通院中は各種心理検査を行って心の状態を把握するだけでなく、血液検査や心電図検査なども行って体の状態も確認します。その結果、体の病気が見つかったり、より専門性の高い検査や治療が必要になったりした場合には、連携先の大学病院などを患者さんのご要望も考慮して紹介します。

診療の際、どんなことを心がけていますか。

田村夏奈子院長 日本橋ストレスケアクリニック4

まずは患者さんの訴えをよく聞くことです。といっても、患者さんは最初、緊張しておられますし、なかなか話しづらいと思います。ですので、日常的な会話や雑談から入ったりして、少しでも患者さんが話しやすい雰囲気になるよう努めています。話を聞く際は、患者さんの訴えをすべてそのまま受け入れています。聞きながらこちらがジャッジせずに、ありのままに聞き入れるようにしているのです。患者さんは、すべて自分が悪いと自分を責めていたり、自信を喪失したりしていることも多いので、気持ちをしっかり受け止めることが重要だと思っています。

大人の発達障害にも対応。不安があれば気軽に相談を

その他、力を入れている領域はありますか。

田村夏奈子院長 日本橋ストレスケアクリニック5

自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)などの発達障害の患者さんが増えているように思います。当院では患者さんの症状に応じて各種心理検査を行って診断し、エビデンスに基づいて治療を進めています。薬物療法のほか、認知行動療法に基づいたソーシャルスキルトレーニングを行って、生活上の困り事を解消できるようサポートしています。場合によっては、うつ病や不安障害のベースに発達障害が隠れていることもあります。対人関係がうまくいかない、仕事でミスが多く周囲から叱責されるといった症状で悩んでいる場合は、早めに相談していただきたいと思います。

ところで、先生はなぜ精神科の医師をめざされたのですか。

両親が薬剤師でしたので、医療系の仕事を身近に感じていました。思春期に人間関係で悩んだこともあって、人間の心に関心を寄せるようになって精神科の医師をめざしました。杏林大学大学院時代には、国立精神・神経センター精神保健研究所で研究を行いました。その後は、精神科の病院やクリニックでの診療、ビジネスパーソンのメンタルヘルスのご相談にも多く対応してきました。経験を積んだ上で開業し現在に至りますが、精神科の医師としての仕事の重みを今、改めて感じています。どのような医師に出会うかによって、 患者さんの人生が変わることもあり、それだけ責任のある仕事だと思います。当院を受診することで、患者さんの人生が少しでも良い方向に向かうよう、さらに努力していきたいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

田村夏奈子院長 日本橋ストレスケアクリニック6

今、多くの人がさまざまな不安を抱えていると思います。何かつらいことや悩んでいることがあれば一人で抱え込まずに気軽に相談に来てください。大きな問題がなくても、普段より寝つきが悪くなった、同じことをするのにいつもより時間がかかるようになった、不安なことが頭から離れないといったことでも構いません。「こんなことで受診していいのだろうか」などと考えず、気軽に受診していただきたいですね。受診したからといって、すべての患者さんに薬物療法を行うわけでもなく、話を聞くだけで済む場合やカウンセリングだけで済む場合もあります。何かしら解決の糸口やヒントを見つけられると思いますので、ぜひご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

カウンセリング(認知行動療法を含む各種心理療法)/30分5500円、50分8800円

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