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寺井 一隆 院長の独自取材記事

泌尿器と男性不妊のクリニック

(さいたま市大宮区/大宮駅)

最終更新日:2022/05/19

寺井一隆院長 泌尿器と男性不妊のクリニック main

JR大宮駅東口から徒歩2分の便利な場所に、2022年5月に開院した「泌尿器と男性不妊のクリニック」。院長を務める寺井一隆先生は、大学病院で泌尿器全般の治療、泌尿器がんの専門治療などと合わせて、男性の不妊治療を専門にしてきた。同クリニックでも、泌尿器のさまざまな悩みに応えるのはもちろん、特に専門とする医師の少ない男性の不妊治療に力を入れたいと話す。「不妊に男性が関係するケースは半数近いといわれながら、専門に治療する医療機関はまだ少ないため、当院が少しでもお役に立てればと考えています」。同院は男性も受診しやすいクリニックをめざすという。男性不妊の現状や同院の特色について、寺井先生に話を聞いた。

(取材日2021年11月4日/更新日2022年5月2日)

男性不妊を専門とした受診しやすいクリニックが目標

男性不妊の治療に力を入れる理由をお聞かせください。

寺井一隆院長 泌尿器と男性不妊のクリニック1

クリニックでは一般的な泌尿器疾患に加え、男性不妊について最新の知識をもとに診断から治療まで責任を持って行うことをめざしています。クリニック名もわかりやすく「泌尿器と男性不妊のクリニック」にしました。不妊治療を検討されるカップルのうち、男性が関係するケースは半数近いといわれています。しかし、男性側に原因があっても男性の治療は行わず、女性のみが不妊治療を行っていることも少なくありません。これは精子さえあれば、どのような状態であっても不妊治療ができてしまうことや、男性不妊の診断・治療を専門に行う医師、医療機関が非常に少ないことが原因と考えられます。そこで私は大学院の研究や大学病院の診療で男性不妊に取り組んだ経験を生かし、男性でも気軽に相談いただけるクリニックをつくっていきたいと考えています。

産婦人科の医院でも経験を積まれたと聞きました。

都内の歴史ある産婦人科が新宿に生殖医療のクリニックを新設する際に、男性不妊の外来の開設に携わりました。精索静脈瘤の手術や無精子症に対する手術なども行いながら、男性不妊の診療を行ってきました。クリニックでは経験豊かな婦人科の専門医師が多く在籍し、常に最先端の検査や治療が追求されていました。また、立地や診療時間など患者さんが仕事と治療を両立できる環境についても配慮されていました。高度な生殖医療が実際にどのように行われているのか、自分の目で見て多くのご夫婦の治療に携わることができたことは何ものにも代え難い経験でした。また、多くの患者さんの話から、男性ならではの悩みや葛藤などがあることに気づきました。当クリニックではこれまでの経験を生かし、それぞれのご夫婦に寄り添った診療ができるようにと考えております。

どのようなクリニックを目標にされるのでしょうか?

寺井一隆院長 泌尿器と男性不妊のクリニック2

一般の方は泌尿器科と聞くと、受診しにくいイメージがあると思います。受診のハードルを下げるため、大宮駅東口から徒歩2分の立地で、院内も明るく親しみやすい雰囲気にしました。またウェブ問診を導入することにより、直接口では伝えにくいような症状もお伝えいただき、スムーズな診察、治療が行えるクリニックにしたいと考えています。男性不妊の診療については、専門とする医師も少なく、相談できる医療機関も決して多くありません。ただ、インターネットなどにはさまざまな情報があふれ、中には正確でないものもあります。不妊治療は妊娠出産というゴールがはっきりしていますが、なかなかゴールにたどり着けず、治療期間が長くなればなるほど不安やストレスが多くなっていきます。そんな中でも、専門の医師として、ご夫婦が協力して治療に臨めるよう、奥さまの治療の状況も伺いながら、最も良いと思われる治療を提案できるクリニックを目標にしています。

精子の改善にこだわらず、妊娠を不妊治療のゴールに

一般的に男性不妊の治療はどう進められるのですか?

寺井一隆院長 泌尿器と男性不妊のクリニック3

まずは精液検査を行います。精液検査では精液量、精子濃度、精子運動率などを評価することで、自然妊娠が可能な状態であるかどうかを判断します。もし、精子の状態が悪ければなぜ悪いのかを知るために、精子を作っている精巣の超音波と血液検査を行います。超音波では精巣内の状況を観察し、精子の通り道である精巣上体に閉塞がないか、また血流の異常によって生じる精索静脈瘤の有無をチェックします。血液検査では精子を作るために必要な下垂体ホルモンや男性ホルモンの検査、場合によってはさらに専門的な検査を行います。これらの検査結果から、少しでも精液所見を良くするためにはどうしたら良いか、パートナーが妊娠出産するために何をしたら良いかご提案いたします。また、精索静脈瘤の手術や無精子症に対する手術も日帰りで対応いたします。

先生が診療で大切にされることを教えてください。

母校の学是である「仁」を大切にしています。「仁」とは自分本位に行動するのではなく、常に他人の気持ちを思いやり、理解し、敬う心です。これまでも患者さんの生活環境なども伺いながら、悩みや痛みなど、困っていることに寄り添い、できるだけスムーズに解決できるような診療を心がけてきました。また、男性不妊では精子の状態を良くすることも重要なことですが、どうしたらご夫婦が望むゴールに効率良くたどり着くことができるのか、ご夫婦の希望や奥さまの年齢まで考慮してご提案していきたいと考えています。

近隣に開業予定の婦人科のクリニックとも協力されると聞きました。

寺井一隆院長 泌尿器と男性不妊のクリニック4

はい、同じ建物の中に不妊治療を専門とした婦人科クリニックが開院しました。院長は以前から知っている先生で、信頼関係もあり、同時期に開業したので協力しながらご夫婦そろっての診療ができたらと考えています。男女そろって治療をすることはとても重要です。お互いの状況を把握しながら治療を進めることで、ご夫婦間での行き違いが少なくなり、お互いのことを把握しながら、同じ目標に向かって治療を進めることができます。ただでさえ何かと負担が多い不妊治療ですが、精神的なストレスを少なくするお手伝いもできるクリニックにしていきたいと思います。

人生をさらに充実させるためにも早めの受診を

先生が医師をめざされたきっかけを教えてください。

寺井一隆院長 泌尿器と男性不妊のクリニック5

小さい頃から人の役に立つ仕事がしたいと考えていましたので、漠然と医師になることも考えていたのですが、親族には医療関係者もおらず、明確な目標ではありませんでした。そんな中ではっきりと決心したのは、高校生の時に父が腎がんになった時でした。泌尿器科を選んだのもそのことが影響しています。泌尿器科は尿にまつわるトラブルの解決から、膀胱がんや前立腺がん、腎がんなどのがん治療まで診療範囲が幅広く、非常に興味深い分野だと再認識しました。母校の大学病院では泌尿器全般の治療に加え、分子標的薬を使ったがん治療などにも取り組み、充実した日々を過ごしました。そうした中で、私は幅広く診療できるだけでなく、自身の専門性をさらに高めたいと思うようになり、大学院で研究して以来ずっと携わってきた男性不妊の診療にも力を入れています。

休日などはどのように過ごされるのでしょうか?

学生時代は山岳部や陸上部にも在籍していたので、今でも時々山登りに行くことがあります。山は登っている間は大変ですが、途中でふれあう豊かな自然や景色の素晴らしさには毎回感動しています。仲の良い友人と山登りをし、普段とは違う環境で交流を深めることでリフレッシュして仕事に臨むことができます。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

寺井一隆院長 泌尿器と男性不妊のクリニック6

泌尿器科に関して、多くの方は「何となく行きづらい」と感じておられると思います。特に男性の不妊治療は、最初から積極的に受診しようという方は多くないでしょう。また、頻尿や尿漏れなどの多くは命に関わらない症状のため、治療を考える機会も少ないかもしれません。しかし、そうした症状は生活の質の低下を招く要因となり、人生の充実度にも大きく影響します。日常生活をより楽しむためにも早めの受診を検討していただければと思います。男性不妊については、仕事が忙しいからとか、自然に任せていれば子どもはできるはずといった考えから、受診しない方は多くいらっしゃいます。ただし、女性が妊娠、出産できる時間は限られており、不妊治療は後になればなるほど、妊娠の確率が下がることは明らかです。ご夫婦がどのような選択をするにしても、お子さまを希望される場合には、男性の状況をしっかり把握した上でお考えいただくことをお勧めいたします。

自由診療費用の目安

自由診療とは

精液検査(次回結果)/5500円、精液検査(当日結果)/6600円、精巣超音波検査/5500円、血液検査(ホルモン検査)/7700円、遺伝子検査(Y染色体微小欠失検査)/4万4000円

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