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竹尾 光代 院長の独自取材記事

石川町デンタルクリニック

(横浜市中区/石川町駅)

最終更新日:2023/12/28

竹尾光代院長 石川町デンタルクリニック main

「石川町デンタルクリニック」の院長の竹尾光代先生は、歯にダメージの少ない低侵襲な治療を追究するベテラン歯科医師。「歯を削らない、抜かない治療」は、今や歯科医療のメインストリームとなっているが、竹尾院長は単なるスローガンとしてではなく、歯科医師になった当初から信念としてこの1点にこだわり続けてきた。患者の歯を守るには何が大切かを端的に話す言葉の一つ一つにも、かけられた年月に比例した思いの深さがにじむ。こだわりの強さから、職人気質の厳しい先生では?と思ったが、患者と友人のように笑顔で気さくに話す一面も。そんな竹尾院長に同院がめざす歯科医療について話を聞いた。

(取材日2023年10月24日)

延々と続く治療をストップするために

まずは患者層について伺います。

竹尾光代院長 石川町デンタルクリニック1

年齢や性別関係なく幅広いです。当院は最初2016年に石川町駅の北口で開業し、2021年に現在の南口の場所に移転したのですが、移転後も引き続き通ってくださる方と、ご家族やお知り合いからの紹介で来られる方がほとんどです。県内だけではなく、埼玉や千葉からお越しいただくこともあります。当院では虫歯や歯周病の治療のほか、ホワイトニングも提供しているので、歯の色を気にして来られる女性の方も多いです。患者さんには「歯科医院は歯が痛くなってから来る場所ではないですよ」と常々お伝えしています。また、皆さん歯やお口への予防意識を持って定期メンテナンスにきちんと通ってくださいます。このぶんだと私の仕事はそのうちきっとなくなります(笑)。

開業当初、患者さんたちに共通するある傾向に驚かれたとか。

九州の宮崎からこの横浜に来て開業したのですが、最初に「えっ?」と思ったことがありました。来られる方が口々に「自分は歯医者難民だ」とおっしゃるんです。かかりつけ医がない、どこに行けばいいかわからない、と。驚きましたね。ここ中区は横浜市の中でも歯科医院の過密地域。なのに、大勢の方がどこの歯科医院に行けばいいのかわからないでいるんです。その理由の一つに、「削って詰める」を延々と繰り返す従来の治療の在り方が影響していると私は思うんです。受けている治療に満足できない、何度も通っているのにどうして治らないんだろう……そんな疑問や悩みが、信頼できるかかりつけ医の不在につながっているのだと思いました。

どのような方針で治療にあたっていますか?

竹尾光代院長 石川町デンタルクリニック2

削っては詰め、削っては詰めの繰り返しで歯科医院に通い続けている人たちに、どこでストップをかけてあげられるか。そこが一番大事なところです。要するに歯科医院というのは、延々と治療に通い続けなきゃいけないところだと皆さん思っている。でもそうじゃないんですよ。お口の中を見ると、その人の治療の歴史がわかります。「最初ここの歯を治療して、次にこの歯が悪くなってこんな治療をしましたね?」と確認して、「では、その繰り返しをストップさせましょう」とお伝えします。では具体的にどうやって繰り返し治療をストップするか。ポイントとなるのが、削るべき虫歯か削らなくてもいい虫歯かの見極め、歯周病の治療と予防、そして噛み合わせ。これらがお口の健康を守る重要な要素だと考えています。

削る前にできることを考え、最善を尽くす

削るべき虫歯、削らなくてもいい虫歯、その見極めはどのように?

竹尾光代院長 石川町デンタルクリニック3

「光学式う蝕検出装置」を使っています。レーザーを歯の表面に当て、その「蛍光反射」によって歯の内部の虫歯の有無を調べるもので、この装置を使っている歯科医院はそう多くないと思いますよ。エックス線検査や視診ではわからない小さな虫歯の発見に有用ですが、単に早期発見するだけの装置ではありません。虫歯の進行度も数値化して教えてくれるので適切な治療のタイミングが図れるんです。進行していない初期の虫歯であれば、すぐに削るのではなく経過を観察します。昔は虫歯を見つけたらすぐに削って取り除く治療が主流でしたが、今は初期虫歯は「管理」の対象。口腔ケアをしっかり行って進行防止を図っていきます。

削らない治療を突き詰めておられるのですね。

「歯の治療」といいますが、「削って詰めて」は治療ではないというのが私の考えなんです。削ることでまず回復をしなくなります。治療とは「治す」こと。しかし削った歯はもう二度と元に戻らないわけですから、「補修」なんです。そして補修は繰り返すごとに歯にダメージを与え続けます。元通りに回復できないものに人間が手を入れること自体ナンセンスですし、慎重になるべきです。それに、削らなければ神経を取ることもなくなります。神経を抜いて栄養が行き渡らなくなった歯は、変色し脆くなります。子どもの頃に神経を抜かれ、変色した歯に悩んでいる方をこれまでどれほど見てきたことか……。その度に20年前に私が診ていたらと、悔しく思います。「削らない治療、抜かない治療」は、今でこそ多くの歯科医院が合言葉のように掲げていますが、私はもう数十年もこの方針です。削らない治療、神経を抜かない治療は私の理念です。

すでに進行してしまった虫歯の場合はどうですか?

竹尾光代院長 石川町デンタルクリニック4

「削らない」というお話をすると「どんな虫歯でも削らなくていいんですか?」と言う方がいらっしゃいますが、初期の段階でやみくもに歯を削ることはしないということで、進行度によって話は変わります。当院には虫歯が進行してしまっている患者さん、すでにたくさん削っている患者さんなども来られますから、そういった場合はやはり何らかの処置が必要です。でも削るのは最小限にしたい。そのためにレーザーを活用することもありますし、虫歯というのは虫歯菌による感染症なので、抗菌剤を使って殺菌を図れるのではないかという研究が進んでいます。「削らない虫歯治療」が今後広まればいいなと思っています。

外れない、噛める。本来の入れ歯のあるべき姿

入れ歯治療にも力を入れておられるとか。

竹尾光代院長 石川町デンタルクリニック5

そうですね。長年歯科医師を続けてきて思うのは、「自分のお口に合わない入れ歯」を使っている方がとても多いということなんです。ちょっと口を大きく開けただけでかぱっと外れたり、物を食べるたびに歯茎と入れ歯の間にものが挟まって痛んだり。何より残念なのは、皆さんそれがもう当たり前だと思っているんです。入れ歯は合わないものだって。でも、入れ歯というのは、保険診療・自費診療関係なく、本来ぴったりとお口にフィットするべきものです。そこは歯科医師の技術の差が歴然と出るところでしょうね。入れ歯は、外れる・外れない、噛める・噛めない、痛む・痛くないと、その良しあしがダイレクトにわかりますし、毎日の「食べる」という行為に影響します。だからこそ、いい入れ歯を作る必要があるんです。

外れない入れ歯作りには何が大事なのでしょう。

基本の手順を端折らず、最初の型採りを丁寧に行うことです。いい入れ歯には特有の「姿かたち」があって、ひと目で「これはいい入れ歯だ」とわかる。口の中の隅から隅まで必要な情報が集約された丁寧な型採りが、それを可能とします。適当な採寸だと袖丈の短い服ができるようなもので、いい加減な型採りでいい入れ歯は絶対作れません。そして次に大事なのが噛み合わせ。噛み合わせが悪いと噛めないばかりか、全身のバランスにも影響が出るので、入れ歯を作る時も咬合バランスは入念に検査します。このように、当院の入れ歯治療の特徴は、何しろ最初の型採りや検査に時間をかけます。でも最初のプロセスを丁寧に行っている分、完成した入れ歯を調整する回数は少ないと思います。今、入れ歯が合わなくて困っている人は、ぜひ一度相談にいらしてください。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

竹尾光代院長 石川町デンタルクリニック6

皆さんには自分のお口に関心を持ち、状態を把握してほしいと思います。特にこれから子育てに入る親御さんたちには、お子さんが大きくなって歯のことで困らないように、小さいうちから歯の健康を保つ習慣づけをしましょうとお伝えしたいですね。そして、最初にお話しした「疑問を持つ」ことも必要です。これまで受けてきた治療、今受けている治療に対し、どうして治らないんだろう、本当に削らなくちゃいけないの?と疑問を持ってください。歯科医院は、歯科医師の考え方によって診療方針が異なります。なので、治療を受ける際はセカンド、サードオピニオンをお勧めします。当院は、患者さんの歯と体の健康をお守りするため、10年、20年先まで見据えた治療を提供しています。丁寧な説明を心がけていますので、ぜひ気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

詰め物/2万円~、かぶせ物/2万円~、入れ歯・義歯/7万円~、PMTC/3500円~、インプラント(1本)/25万円~、ホワイトニング/8500円~、矯正/30万~

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