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さまざまな原因で起こる口内炎
口腔外科を受診して適切な診断を

二子玉川OM歯科クリニック

(世田谷区/二子玉川駅)

最終更新日:2022/04/06

二子玉川OM歯科クリニック さまざまな原因で起こる口内炎  口腔外科を受診して適切な診断を 二子玉川OM歯科クリニック さまざまな原因で起こる口内炎  口腔外科を受診して適切な診断を
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いつの間にかできている口内炎。痛かったり食べ物がしみたりなど不快に感じるものの、そのうち治るだろうと放っておく人も多いかもしれない。一度診てもらいたいと思ってもどの科に行けばいいのだろうかと悩んでしまう。「二子玉川OM歯科クリニック」の岡村泰斗院長は、「口内炎といっても原因はさまざまです。歯科材料の金属によって発症する場合や、中には口腔がんである場合も考えられます。1週間たっても治らない場合は、歯科口腔外科を標榜しているクリニックを受診してください」と話す。口腔がんは近年では珍しくなく、国内の罹患者や死亡者が増加傾向だという。口内炎の原因や歯科金属アレルギー、口腔がんなどについて話を聞いた。

(取材日2022年2月21日)

口内炎は歯科金属アレルギーが原因の場合も。増加傾向にある舌がんにも要注意

Q口内炎の原因にはどのようなものがありますか。
A
二子玉川OM歯科クリニック オーラルメディシンを学んできた岡村院長

▲オーラルメディシンを学んできた岡村院長

口内炎の原因として細菌やウイルスによる感染症、全身性疾患、物理的な刺激、降圧剤や抗てんかん薬などの薬剤の副作用、アレルギー反応などがあります。アレルギー性口内炎は歯磨き剤に含まれる合成界面活性剤や防腐剤、食べ物などによって引き起こされます。花粉症の人は特定の野菜や果物を食べた後に食べ物が直接触れた唇や舌、喉のかゆみ、腫れ、ヒリヒリ感などが出てくることがあります。歯科治療に使われている金属のアレルギーが原因となっているケースも見られます。また、口内炎だと思っていても実は口腔がんである場合がある他、白くて硬い白斑や赤い赤班などは口腔潜在的悪性疾患と呼ばれ、悪性化する可能性が高いため注意が必要です。

Q歯科金属アレルギーについて詳しく教えてください。
A
二子玉川OM歯科クリニック さまざまな要因が考えられる歯科金属アレルギー

▲さまざまな要因が考えられる歯科金属アレルギー

歯科治療では、詰め物やかぶせ物のほか、部分入れ歯のバネやブリッジ、矯正装置などさまざまな治療で金属が使用されています。中でもアレルギーの原因として多いのは保険診療で使用されているパラジウム合金です。症状としては口内炎や舌がピリッと痛い舌炎のほか、唇全体が腫れる口唇炎や口角にただれが出る口角炎など、口の周りにも症状が現れることがあります。全身のさまざまな部位の皮膚にアトピー性皮膚炎のようなトラブルが出たり、手の平や足の裏に水疱が多数生じるケースもあります。このように、歯科金属アレルギーは口腔内だけでなく全身にいろいろな症状が出る場合があります。

Q歯科金属アレルギー性口内炎と悪性のものとの違いはありますか。
A
二子玉川OM歯科クリニック 優しく丁寧に患者と対話する岡村院長

▲優しく丁寧に患者と対話する岡村院長

歯科金属アレルギーの場合は、歯科治療を行った歯のすぐそばの粘膜に口内炎ができることが多く、皮膚にも症状が出ている場合があります。口腔がんの場合は、病巣の形や深さなど見た目で判断がつきます。できる場所も特徴的で、舌がんは舌の脇にできやすいです。人間に例えれば人相が悪いといいますか、病巣の様相が他の口内炎とはまったく異なります。また、がんの疑いがあったために病理検査を行った結果その時は何も問題がなくても、数年後急にがんに変異した症例もあります。ですので、その後の経過観察が非常に重要です。歯周病や虫歯の予防のためだけでなく、口内炎のチェックも含めて4ヵ月に1度は定期健診に通うようにしてください。

Q歯科金属アレルギーが疑われる場合どのように対応するのですか。
A
二子玉川OM歯科クリニック 清潔感あふれる診察室で治療をする

▲清潔感あふれる診察室で治療をする

問診を丁寧に行い食習慣や生活習慣などをよく聞きとるとともに、口腔内の状態だけでなく全身の状態についても調べます。皮膚症状が出ていないか、薬剤による副作用はないかなど、さまざまな視点で診察します。また、金属アレルギーのパッチテストや血液検査などでアレルギーの原因となっている金属を特定し、歯科治療に使用されている金属についても特定したら、それらを取り除き、代わりの素材を用いて補綴治療を行います。最近では治療する歯によって、保険診療でCAD/CAMシステムによるレジンのかぶせ物の治療ができるようになっています。口腔内から金属を取り除くことで、症状の改善につなげていくのです。

Q口内炎ができたらどのくらいの目安で受診すればよいですか。
A
二子玉川OM歯科クリニック 「口内炎は口腔外科へ」と話す岡村院長

▲「口内炎は口腔外科へ」と話す岡村院長

口内炎ができてから1週間たっても治らない場合は、歯科クリニック、中でも歯科口腔外科を標榜しているクリニックを受診してください。歯科口腔外科で口腔がんや口腔内の粘膜疾患の診療経験を積んだ歯科医師なら、適切な診査・診断を効率的に行えると思います。よく内科を受診する方が多いですが、口内炎は口腔内の疾患ですので歯科の診療領域です。口内炎は全身疾患との関連も深い上、口腔がんに進行する恐れもあります。最近では若い方に舌がんが多く、患者数や死亡者数も増加傾向です。舌がんは進行すると食事や会話ができなくなったり、手術によって顔が変形したりする恐れもありますから、口内炎がなかなか治らないときは受診してください。

ドクターからのメッセージ

岡村 泰斗院長

口内炎というと軽く考えてしまいがちです。どこを受診していいかわからず、そのままにしている人も多いでしょう。ですが、これまでお話ししたように、歯科金属アレルギーが原因であったり、口腔がんに進行したりする場合も考えられますので、決して軽視しないでください。セルフケアを行う時にご自身の口の中をよく観察することも大切です。もし口の中の粘膜や舌に何か気になるできものができたら、できるだけ早く口腔外科を受診してください。当クリニックでは、患者さんの全身の状態も考慮しながら適切に診査・診断し、症状に即した治療を行っていますので、気軽に相談にいらしてください。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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