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宮本 浩司 院長の独自取材記事

高津心音メンタルクリニック

(川崎市高津区/溝の口駅)

最終更新日:2024/05/01

宮本浩司院長 高津心音メンタルクリニック main

溝の口駅、武蔵溝ノ口駅から徒歩3分の場所に「高津心音(こころね)メンタルクリニック」はある。クリニックを率いる宮本浩司院長は、川崎市内の大学病院や精神科病院で研鑽を積み、日本精神神経学会精神科専門医の資格も取得した精神領域のスペシャリストだ。穏やかな人柄と丁寧な口調は患者に安心感を与え、患者の悩む心にそっと寄り添ってくれる。診療面では、環境調整を重視し、薬に頼りすぎない診療に注力。精神保健福祉士などとの多職種連携や、地域間での充実した病診連携もクリニックの強みの一つだ。「困ったり悩んだりした時、解決への“道案内”をします」と話す宮本院長に、診療への思いを聞かせてもらった。

(取材日2024年4月1日)

多職種連携の大切さを実感した勤務医時代

宮本院長が精神科の医師になられたいきさつを教えてください。

宮本浩司院長 高津心音メンタルクリニック1

子どもの頃から医療に興味があり、新聞の医療コラムを読むのが大好きでした。とはいえ、医師をめざしていたわけではなかったのです。高校では文系を専攻していたので、大学受験をして慶應義塾大学経済学部に進学。ですが、大学生活では何かしっくりこない感覚があり、「本当に自分が学びたいこと」を考えるようになりました。そこで、医師の道に進もうと一念発起して受験勉強をし直し、帝京大学医学部に入学しました。大学時代に興味があったのは、「内科」と「精神科」。その中でも特に学問として興味があり、今でも指導していただいている私の恩師であり、尊敬する教授との出会いがきっかけとなって、精神科に進みました。

大学卒業後、どのようなご経歴を歩まれてきたのですか?

帝京大学医学部附属溝口病院に入局し、主に外来診療と病棟との連携などを担当していました。その後、医局から派遣されたハートフル川崎病院で勤務。こちらは川崎市内では特に規模の大きい精神科病院であり、外来診療のほか、急性期病棟をはじめとする入院患者さんの診療や夜間救急の対応にあたっていました。その中で、看護師さん、作業療法士さん、臨床心理士さん、精神保健福祉士さんなど、それぞれの職種の方々の目線を知ること、意見を聞くこと、そして皆で協力しながら対応していくことの大切さを学ばせてもらいました。医師一人で向き合うのではなく、多職種連携が患者さんのためになるということを身をもって実感しました。また、勤務医時代に日本精神神経学会精神科専門医の資格も取得しております。希死念慮といって、つらくて死んでしまいたいという気持ちが出てくることへの対応などについても、研究を重ねてきました。

2020年にこちらのクリニックを開院されました。

宮本浩司院長 高津心音メンタルクリニック2

患者さんの心の声を聞き取っていきたいという思いで「高津心音メンタルクリニック」と名づけました。メンタルクリニックと聞くと、訪れにくさを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですが、もっと気軽に、不安になった時や困った時、つらくなった時にすぐに気兼ねなく相談できる場所でありたいと思っています。この場所を選んだのは、長く川崎市内で勤務してきたこともあり、必要な時に大学病院や近隣病院とスムーズな連携を図ることができるためです。地域のネットワークを生かして、患者さんにとって最善の医療を提供していきたいと考えています。

今年1月には拡大移転されました。院内の造りでこだわったところはありますか?

以前のクリニックが手狭になってきたため、現在の場所へ移転しました。診療室をはじめ精神保健福祉士さんとお話しする相談室、カウンセリング室、血液検査などを行う処置室を設けています。院内は、自然を感じていただけるようなデザインにしました。緑のある場所は、精神面にも良い影響を及ぼすとされているんです。そのため、木目調をベースに、緑色を差し色として使い、患者さんが落ち着いて過ごしていただけるよう意識しています。現在は、看護師さん、医療事務さん、臨床心理士さんが常勤で一人ずつと、非常勤で数人のスタッフさんに来てもらっています。カウンセリングや心理検査、先進の知識・技術を用いたさまざまな医療を患者さんに届けていきたいです。

薬に頼りすぎないことを前提に環境調整に注力

主な患者層を教えてください。

宮本浩司院長 高津心音メンタルクリニック3

溝の口は比較的年齢層の低い街ですので、学生さんや働かれている方をはじめ、若い世代の方に多く来院いただいています。働いている中で心がつらくなってしまった、朝に起きられなくなったというような適応障害や、急に不安に襲われて動悸が生じるパニック障害、寝つきが悪い睡眠障害などの症状を訴える方が多いです。日本の通勤は非常に大変ですので、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う厳戒態勢が緩和されたことで、負担を抱えられている方も増えている印象です。

クリニックにはどのような特徴があるのでしょうか?

基本的に、適応障害の方へ最初からお薬を使うことはしません。そのため、当クリニックには無投薬での診療を希望する患者さんも多くいらっしゃいます。「環境調整」といい、職場や学校で患者さんが困っている環境を調整してあげることを重視しています。働いている方ですと、例えば、部署の異動や休職など、労働状況を変えて負担を軽減させてあげることから始めるようにしています。それでも症状が改善しなければ、ご本人と話し合った上でお薬を使っていきます。精神科を受診するとお薬をたくさん処方されて、飲み続けることで依存してしまったり、副作用が出てしまうこともあるのではと心配する方は多いですよね。そういった不安を軽減し、自然な社会復帰をめざせるという点でメリットだと考えています。他の疾患に関しては、患者さんのご希望があれば漢方を使うこともあり、バリエーションを持たせた治療を行っています。

患者さんと向き合う際に、どのようなことを大切にされていますか?

宮本浩司院長 高津心音メンタルクリニック4

患者さんが何に困っていて、どうしたいと思って受診されたのか。それを丁寧にヒアリングして、すくい上げるようにしています。当クリニックでは、初診の段階から分業せずに、私が診察を行っています。そして、どのような治療を進めていくかということも、こちらが押しつけるのではなく、患者さんと一緒に考えながら話し合っていくことを大切にしています。

悩んだ時、解決への道案内をしてくれるクリニック

メンタルクリニックは、どんな時に受診すべきかわからない患者さんも多いかと思います。

宮本浩司院長 高津心音メンタルクリニック5

困り事やつまずきがあれば、何でもいいんです。まずはお話だけしに来て、教えていただければと思います。お薬を使った治療だけではなく、例えば、環境調整や産業医の先生への相談というアプローチがあることをお伝えしたり、暮らしの中でお困りのことがあれば、役所の相談窓口をご案内するなど、その方に合った対応を私たちが“道案内”します。そして、患者さんは早めにSOSを出すことも大切です。苦しい時や困っている時に助けを求める行動を「援助希求行動」といいますが、ぜひ早い段階でご相談に来ていただければと思います。

お忙しい毎日かと思いますが、趣味などはありますか?

もともと論文を読むことが好きなんです。変わっていると言われるのですが……(笑)。夜はクリニックで論文を読んでいることが多いかもしれません。最新の情報や世界標準の医療を学ぶことができますので、趣味と仕事があまり離れていないというか、生かせる点も多くありますね。特に薬物治療では、論文で示された科学的根拠に基づく最新のデータを取り入れた治療を行っていきたいと考えています。

最後に、読者の方々へ向けてメッセージをお願いします。

宮本浩司院長 高津心音メンタルクリニック6

より一層、患者さんのニーズに応えていけるクリニックにしていきたいと思います。日々の生活の中で何か気になることや困ったことがあれば、遠慮なくご相談に来てください。お待ちしています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

カウンセリング/1回7700円(税込)
心理検査/知能検査:2万2000円(税込)

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