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藤森 崇行 院長の独自取材記事

ふじもり内科・消化器内科クリニック

(高松市/太田駅)

最終更新日:2021/12/15

藤森崇行院長 ふじもり内科・消化器内科クリニック main

高松市中心街から少し南、スーパーマーケットや飲食店が立ち並ぶエリアにある「ふじもり内科・消化器内科クリニック」。2019年に開業したクリニックの建物は真新しくすっきりとした外観。窓の多い院内は明るくて爽やかな雰囲気だ。「特別なものはないですけれど、緑を置き、落ち着くような空間にしています」と話す藤森崇行院長は、穏やかで優しい物腰のドクター。地元香川大学医学部附属病院の消化器・神経内科、総合内科にて幅広い診療経験を積んでいる。診療では内視鏡検査や腹部エコー検査に力を入れ、健康診断の受け入れにも積極的だ。地域の安心できるかかりつけ医をめざしているという藤森院長に、消化器内科の診療や、今後の展望について話を聞いた。

(取材日2021年6月24日)

内視鏡を専門に研鑽し、精度の高い検査を追求

開業されるまでの経緯を教えてください。

藤森崇行院長 ふじもり内科・消化器内科クリニック1

香川大学医学部の消化器・神経内科に長く所属していまして、胆膵疾患という胆嚢や胆管、膵臓の疾患の診断・治療に取り組んでいました。その後、総合内科に移り、幅広い分野の診療に携わる中で、一般のいろいろな疾患の診察にも興味が出てきました。内科全般についてもう少し深く勉強したいと思い、大学病院から香川県済生会病院に移りました。済生会病院でもさまざまな疾患に対し診療するようになりましたが、地域の皆さんのためにもっと身近なかたちで診療できたらという思いがあって、2019年にこのクリニックを開業しました。

クリニックではどのような診察が受けられますか?

消化器内科に長く携わってきたので、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸の消化管と、肝臓、胆嚢、胆管、膵臓などの消化器系疾患を専門としています。もちろん、日常的な風邪から呼吸器疾患、循環器疾患、高血圧、糖尿病、生活習慣病などの一般内科にも対応しています。来院される患者さんはやはり消化器疾患の方が多いですね。特に目立つのは、機能性ディスペプシアや過敏性胃腸症候群といった機能性胃腸障害です。これらの病気は明らかな原因がなく、潰瘍や炎症がないにもかかわらず症状が出るんです。ストレスや生活習慣、胃腸の動きが関わっているなどいろいろ言われていますが、近年はそういった悩みを持たれている方が結構増えているようです。

機能性胃腸障害というのは、具体的にはどんな症状が起こるのですか?

藤森崇行院長 ふじもり内科・消化器内科クリニック2

機能性胃腸障害の疾患には、先述した機能性ディスペプシア、過敏性胃腸症候群のほかに、非びらん性胃食道逆流症などがあります。非びらん性胃食道逆流症は、胸焼けや、胸の不快感などが生じます。内視鏡で見てはっきりした逆流性食道炎ではないのに胃酸が逆流していることが原因です。機能性ディスペプシアは、胃潰瘍や胃がん、胆石などがないにもかかわらず、上腹部に不快感や胃もたれ感、痛みなどの症状が出ます。胃の動き方や生活習慣、ストレス、知覚過敏、胃酸の出すぎなどが原因といわれています。過敏性胃腸症候群は、腸の問題です。これも大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病といった炎症性腸疾患ではないのに便秘をしたり、下痢をしたり、便秘と下痢を繰り返したり、おなかが張ったりなどの症状が起こります。こういった機能性胃腸障害の患者さんには、食生活や生活習慣を見直していただきつつ、内服薬による治療を行っています。

内視鏡検査で、病気を見逃さないよう心がける

診断には、内視鏡や腹部エコーを使っての検査が必要となるのですね。

藤森崇行院長 ふじもり内科・消化器内科クリニック3

胃や大腸の内視鏡検査については、画像処理機能の高いレーザー内視鏡を用いながら、できるだけ苦痛に配慮した検査を心がけています。胃内視鏡検査でいうと、当院では鼻から挿入する経鼻内視鏡を主に使っていて、通常の口から入れる内視鏡よりも咽頭反射が少ないといわれています。胃の内視鏡検査では主に食道、胃、十二指腸を、大腸の内視鏡検査では大腸と小腸の一部を観察します。また、車で帰る必要のない方に関しては、適宜鎮静剤を使った検査も行っています。それから、腹部エコー(腹部超音波検査)では、超音波を腹部に当て、臓器の状態を観察します。膵臓がんなどの膵臓の疾患や、肝臓の腫瘍や脂肪肝、ほかに胆嚢結石、胆管結石、胆嚢がんなどの病気がわかります。

日帰りの大腸ポリープ内視鏡切除手術にも対応されているとか。

基本的に、内視鏡での大腸ポリープ切除手術は日帰りで行っています。しかし、ポリープが大きかったり、個数が多かったりする場合は、切除後の経過観察が必要となるため、入院施設のある病院をご紹介させていただきます。可能なかぎり患者さまにとって安全な治療を心がけております。

胃がんと関係があるといわれているピロリ菌について教えてください。

藤森崇行院長 ふじもり内科・消化器内科クリニック4

ピロリ菌は、胃の中に生息する細菌ですが、感染しても特に自覚症状はありません。幼少時に感染するケースが多いとされ、昔の衛生状況が悪かった時に感染してしまったとか、親子感染が指摘されています。井戸水を飲んでいたとか、ご両親がピロリ菌陽性だったとか、そういう方には、検査をお勧めします。ご高齢の方だけでなく、若い世代でも陽性の方がいますので、ピロリ菌がいるとわかったら、早めに除菌治療を行いましょう。

膵臓がんの早期発見に尽力したい

膵臓がんの治療経験も豊富だと伺いました。

藤森崇行院長 ふじもり内科・消化器内科クリニック5

大学病院では、膵臓がんを専門に診察していましたが、病気がわかった時点でかなり進行していることが多く、また予後も悪い病気なので、できるだけ早期に膵臓がんを見つけることに努めています。クリニックでできることとしては、血液検査や腹部エコー検査が基本になります。何か異常があれば病院と連携してCTやMRI、超音波内視鏡などの検査を進めていきます。私は超音波内視鏡についても長年従事してきたので、超音波内視鏡検査は責任を持って連携させていただいています。

患者さんと向き合うときに心がけていることを教えてください。

なるべく丁寧に問診することを心がけています。一人ひとりの患者さんをちゃんと診断する上で、やはり一番大事なのが問診だと思うので、なんでも言っていただけるように、なるべく時間を設けて聞きやすい状況をつくるようにしています。内視鏡検査を受ける患者さんに対しては、検査前になるべく丁寧に説明をして、緊張されないように声をかけるようにしています。検査の前には専用の部屋で患者さんにリラックスしていただき、検査で鎮静剤を使った方は、検査後、回復室でしっかり休んでもらうようにしています。

今後の展望をお聞かせください。

藤森崇行院長 ふじもり内科・消化器内科クリニック6

力を入れていきたいのは、膵臓がんの早期発見です。今、膵臓がんの早期発見を推進する取り組みが全国で行われていますが、当院も日々の診療で膵臓がんの早期発見に努めていますので、家族歴、飲酒歴、肥満、糖尿病等がある方は、ぜひ検査にいらしてください。もちろん、今までどおり高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にもきちんと対応していきたいと考えています。また尿酸値が高いと心臓や脳の病気になりやすいというデータが最近出されたこともあり着目しています。当院は循環器診療で必要な脈波計やホルター型心電図も導入。また骨粗しょう症の診断な骨密度も計測できるので、消化器系だけにとらわれず、より総合的な目線で診療していきたいです。もともと私は胃が丈夫ではなく、高校の時に内視鏡検査を受け、かかりつけの先生に治療してもらった経験があります。今度は私が、地域の皆さんに安心して頼ってもらえるかかりつけ医になりたいですね。

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