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舟木 将雅 院長の独自取材記事

安佐南内科リウマチ科クリニック

(広島市安佐南区/伴駅)

最終更新日:2023/06/06

舟木将雅院長 安佐南内科リウマチ科クリニック main

広島市安佐南区の住宅や店舗が立ち並ぶエリアにある「医療法人MIRAI・BOSHI 安佐南内科リウマチ科クリニック」は、同区で生まれ育った舟木将雅院長が2019年に開業。「健康への想いをつなげるクリニック」を掲げて、専門領域である呼吸器内科、リウマチを中心とした膠原病の診療を中心に地域住民のさまざまな悩みや症状に対応している。中でも完治が難しいリウマチを含む膠原病については「治すだけでなく支える医療」を大切に患者の気持ちに寄り添って診療に取り組んでいるという。どんな質問に対してもわかりやすく、時に笑顔を交えながら話してくれる舟木院長。その様子から、地域住民の健康を守るために強い信念を持ち診療にあたる姿勢が伝わる。今回はリウマチを中心とした膠原病の診療方針や患者に対する思いなどについて聞いた。

(取材日2021年10月28日)

患者にずっと寄り添っていく地域医療を提供したい

この場所を開業地として選ばれたのはなぜですか。

舟木将雅院長 安佐南内科リウマチ科クリニック1

まず僕自身、安佐南区出身で、なじみがあるということがありますね。それと、この辺りはもともと田んぼだったのですが、ドラッグストアが新しく出店されると聞いて、たくさんの人が集まる場所になると思ったんです。安佐南区は、広島市の区の中でも人口が多い、いわゆるベッドタウン。若い方が増えていますが、同時に高齢化が進み、山間に住むお年寄りは交通手段が限られていて、お困りの方が少なくありません。その点、ここはドラッグストアとの共同駐車場があり、患者さんが通院しやすいとも思ったのも理由の1つですね。

膠原病がご専門ということですが、膠原病とはどのような病気なのでしょうか。

膠原病は、本来、体を守るはずの免疫機能がうまく働かず、自分自身の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。全身の皮膚や筋肉、関節などに炎症が起きる病気の総称で、代表的なものに関節リウマチがあります。関節リウマチの症状で特に多いのは、手の痛みや腫れと、こわばりですね。特に朝、手がこわばるのが特徴です。患者さんは男性よりも女性に多く、特に30代から50代の方によく見られます。

関節リウマチの診断方法と治療法について教えてください。

舟木将雅院長 安佐南内科リウマチ科クリニック2

まず全身のほとんどの関節を触って、痛みの部位や腫れ具合を確認することから始めます。一般的に手指でいうと、第2・第3関節に症状が見られると関節リウマチの可能が高いといわれています。次に血液検査、エックス線撮影、超音波検査などを行います。関節症状が出現し、6ヵ月から骨破壊が始まる方もいますが、エックス線では異常が見られない場合も少なくありません。そこで役立つのがエコー検査です。エコーだと、初期段階でも関節の中で炎症が起きているかどうかを確認することができます。治療法としては飲み薬、注射、点滴などの薬物療法が中心になります。現時点では完治は難しいといわれていますが、最近の薬には早期の症状改善や、骨が変形しないようにするための進行抑制が期待できます。早期診断、早期治療を始めることが大切です。症状を抑えながら関節や身体機能を維持し、支障なく日常生活を送れるようになることを目標に治療を進めていきます。

膠原病は「治すだけでなく支える医療」を

膠原病に対して、どのようなスタンスで治療されていますか。

舟木将雅院長 安佐南内科リウマチ科クリニック3

膠原病の治療では病気とうまく付き合っていくことが大切ですが、「いつか症状が進行するのではないか」「急に悪くなって命を落とすのではないか」など、患者さんは心配や生きづらさを抱えることになります。このような状況に対して、僕たち医療者は適切な病気の説明と根拠に基づいた治療を提案し、患者さんに寄り添い続けることが大事だと思うんです。つまり、治すだけでなく支える医療を提供しなければならないということ。そういう意味で、当院では「心をつなぎ、自分らしく生きることを支えるクリニック」を掲げ、患者さんが生きづらさを越えて、健康なときと同じような幸福感を得られるように支えていきたいと思っています。

膠原病の治療においては、チーム医療で患者さんに関わっているそうですね。

課題解決のためには、医師だけでなく、看護師、医療事務スタッフも含めて、それぞれの立場から患者さんに関わることが必要だと考えているんです。初診では、まず看護師が問診と症状の聞き取りを行います。発症からの期間が長い方の場合は、これだけで30分かかることもありますね。その後、情報共有をして診察を始めます。また、膠原病とその関連疾患は厚生労働省の指定難病になっていて、公的な支援が受けられることがあります。そういった情報についてはスタッフから詳しくご説明し、必要に応じて役所に相談したり介護部門と連携したりもしています。

舟木先生が専門分野としてリウマチおよび膠原病と呼吸器内科を選んだ理由を聞かせてください。

舟木将雅院長 安佐南内科リウマチ科クリニック4

緊張すると呼吸が速くなり、呼吸法でリラックスできるように、僕は「生きることは呼吸すること」だと思っているんです。「呼吸して動く」という意味で、呼吸は呼吸器内科、動くは関節や筋肉を診る内科と捉え、呼吸器と膠原病を専門に選びました。きっかけは研修医の時の経験です。ある膠原病の患者さんがあちこちの関節の痛みを訴えられ、息がつらくなって酸素吸入器を使うようになり、肺炎と判明。原因がなかなかわかりませんでした。最終的に、間質性肺炎という難治性の肺炎だと診断されました。その患者さんの治療を通して、もっとこの分野を勉強したいと思うようになったんです。

女性が生き生きと自分らしく過ごせるようサポート

医師を志したきっかけについてお聞かせください。

舟木将雅院長 安佐南内科リウマチ科クリニック5

父をはじめ家族に医師が多く、祖父は外科の医師で病院を開業していました。僕はおじいちゃん子でよく遊んでもらっていたのですが、ある時白衣姿の祖父の後ろをついて行き、自宅の前にある祖父の病院に初めて一緒に入ったんです。その時、患者さんが「こんにちは。先生、元気になりました」「退院することになりました」などと、にこやかに話しかけてこられたり、祖父の手を握って涙を流されたりという様子を目にしたんです。「お医者さんということは知っていたものの、こんなにも慕われているんだ」と驚くとともに、顔を合わせただけで患者さんが元気になるような医師像に憧れを抱き、その時、医師になりたいという思いが芽生えましたね。

お休みの日はどのように過ごされていますか。

小学生の子どもといろんな公園に遊びに行っています。子どもが行きたがるのもありますけれど、実は、僕自身が公園にはまっているんですよ(笑)。公園って子どもの頃は行っても大人になると行かなくなることが多いですよね。でも、たくさん遊具があったり、アスレチックが充実していたり、大人も楽しみながら運動できたりすると、大人も行きたくなると思うんですよ。今、高齢者の孤独が問題になっていますが、公園をうまく活性化すれば元気なお年寄りを増やして健康寿命を延ばすことができるのではないか、そんなふうに考えながら子どもたちと遊んでいます。将来的にそんな医療プラスアルファの社会的処方箋への取り組みにも関われたらなんて思いを巡らせながら、楽しんでいます。

最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

舟木将雅院長 安佐南内科リウマチ科クリニック6

膠原病の発症が多い30代から50代の女性は、仕事や子育てに忙しい一方、更年期に差しかかり自律神経や女性ホルモンの影響を受けることが多くなります。中には、検査では異常はないけれども症状はある、症状はあるけれども病気ではないという、いわゆる未病の患者さんも少なくありません。病院は病気にならないと行けない場所ではなく、病気にならずに済むように相談に来てもいい場所です。僕は女性の皆さんが自分らしく生き生きと過ごせるよう、サポートできることは全力でして差し上げたいと思っていますので、気になる症状や心配なことがあれば何でもご相談いただければと思います。

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