虫歯や歯周病になるのはなぜか
歯の健康を守る予防歯科の基本
あさひ大沢歯科
(尾張旭市/印場駅)
最終更新日:2021/12/02
- 保険診療
歯の痛みや歯茎の腫れ、出血など、虫歯や歯周病に関連する口腔内の悩みは、誰しもできる限り避けたいものだろう。しかし、毎日歯磨きをしていても、トラブルが起きてしまう人も少なくない。そもそも、どうして口腔内のトラブルは起こってしまうのだろうか。虫歯になりやすい人とそうでない人がいるのはなぜか。口腔内のトラブルに関する素朴な疑問を「あさひ大沢歯科」の大澤祐樹院長に投げかけてみた。大澤院長は、天然歯の健康を守るため、歯の病気を未然に防ぐことに情熱を注ぐ、予防歯科の専門家。そんな大澤院長に、歯にトラブルが起きてしまう原因や、トラブルを防ぐ上で押さえておくべきポイントといった予防歯科に関する基礎知識について詳しく聞いた。
(取材日2021年7月6日)
目次
口腔内の“個性”を知り、適したアプローチを実践するのが予防歯科の第一歩。歯科医院は歯を守るパートナー
- Qなぜ虫歯や歯周病などのトラブルが起きてしまうのでしょうか?
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A
虫歯や歯周病は、原因となる細菌に感染して起こる、いわゆる感染症です。感染は食器の共有などをきっかけに起こるとされています。例えば親御さんに虫歯や歯周病のトラブルが起きているのならお口の中は原因菌がたくさんいる状態といえるので、食器の共有によって親子間での感染リスクが高くなると考えられます。ただ、感染するとすぐさまトラブルが起きるというわけではありません。口腔内が原因菌が活発になりやすい環境となっていると悪さをし始め、歯の痛みや歯茎の出血といった症状が表れます。トラブルを引き起こす細菌が多く、さらに口腔内がそれらの細菌の活動に適した状態にあると、トラブルが起きるというわけです。
- Qトラブルを防ぐためには、どうしたら良いのでしょうか?
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A
親御さんが細心の注意を払うことで親子間での感染リスクを下げることはできても、ゼロにすることは現実的に難しいです。さらに言えば、お子さんが成長すればお友達同士で箸やスプーン、コップなどを共有することも考えられます。より重視すべきは、原因となる細菌が活動しにくい、衛生的な口腔内を維持すること。そのためにも適したケアの方法の実践が重要といえます。口腔内にどんな細菌がどのくらいいるのか、磨き残しが起こりやすい部分、噛み合わせや歯並びの状態など、口腔内の特徴は患者さんごとに千差万別で、それを理解することで適したケアを実践できるようになります。また、クリニックでも定期的にケアを受けることが望ましいです。
- Q歯科医院で定期的にケアを受けたほうが良い理由は何ですか?
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A
患者さんご自身で行える歯のケアは、歯茎より上の部分です。ですが厄介なことに、歯周病の原因菌は歯周ポケットのような、患者さんの手が届かない所を好みます。患者さんの手の届かない場所に適切にアプローチし、歯周ポケットができにくい状態を保つためにも、歯科医院でしか行えない超音波洗浄などを定期的に受けるのが望ましいです。また、口腔内のトラブルは初期段階は自覚しづらいので、定期的にお口の中を見せていただければ、早期発見も期待できます。定期的なケアと併せて磨き残しやすいところの歯磨きのコツなども詳しくレクチャーできますので、患者さんにも「歯を守るため」の機会として活用していただければと思います。
- Q患者さん自身が日常生活で気をつけておくべきことはありますか?
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A
いわゆる「だらだら食べ」は控えましょう。食事を取ると口腔内は虫歯菌にとって優位な酸性に傾きます。唾液の自浄作用によって食後2時間程度で中性に戻るのですが、だらだらと食事を取り続けていると酸性に傾いたままとなるため、虫歯ができやすくなってしまうのです。毎日の歯磨きも重要で、睡眠中は唾液の量が減るので、夕飯を食べたら歯磨きを忘れずに。歯を磨くタイミングに関する見解はさまざまありますが、磨き忘れ防止のためにもやはり食後すぐに行うのが有用といえます。食後すぐに歯磨きをするのが難しい状況であれば、水でゆすぐ、あるいは水を飲むことで、唾液の自浄作用が働きやすい状態に整えておきしましょう。
- Qあさひ大沢歯科の取り組みの特徴を教えてください。
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A
歯磨きや、歯間ブラシやデンタルフロスを使った歯間のケア、洗口液による洗浄などを毎日徹底するのはなかなか大変です。予防歯科に取り組むにあたって、まずはできることを続けていくのが大切と考えます。ただ、ケアで用いる道具の使い勝手が悪ければ、モチベーションも下がりやすくなってしまうもの。当院では耐久性に優れた歯間ブラシや、歯周病対策にお勧めの歯磨き粉など、私自身が厳選したケア用品の中から患者さんに合うものをご提案しています。もちろん、私が良いと思っていても実際に使用する患者さんがそう感じるとは限りません。定期受診の際に不具合がないか確認し、必要に応じて別のものを提案しています。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。