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塩屋 公孝 院長の独自取材記事

しおや内科・内視鏡クリニック

(熊本市南区/平成駅)

最終更新日:2024/03/08

塩屋公孝院長 しおや内科・内視鏡クリニック main

熊本市南区の熊本流通団地の近くにある「しおや内科・内視鏡クリニック」。塩屋公孝院長は済生会熊本病院で10年以上の勤務経験があり、なるべく済生会熊本病院の近くで病診連携しやすい場所を探し、ここで開院を決めたそう。「日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医として初期がんを見つけてあげたい。それだけでなく、さまざまな体の不調を診る地域のかかりつけ医としてありたいのです」と優しくほほ笑む塩屋院長。「私はとにかく人が好きで、人におせっかいをしたい。命に関わる医師の仕事ほど、人と深く関われる職業はない」という想いで医療に携わり、2024年1月で開院から5年を迎えた。そんんな塩屋院長に、診療にかける想いや、クリニックのこれからの展望について語ってもらった。

(取材日2023年12月20日)

済生会熊本病院と連携し、患者に適切な医療を提供

開業までの道のりや、そこに至るまでに何か苦労されたことはありますか。

塩屋公孝院長 しおや内科・内視鏡クリニック1

もともと私は緩和ケア医療の道に進みたくて医師をめざしました。ただ、抗がん剤治療や手術などの積極的治療の適応や限界を見極めることができなければ、適切なタイミングで緩和治療に移行する判断ができないと考え、まずは急性期医療を学ぶ目的で、急性期病院であり、がん診療連携拠点病院である済生会熊本病院で勉強させていただきました。結果、10年半で消化器内科の医師として独り立ちするところまで育ててもらいました。その後、緩和ケア病院で緩和治療に携わった後、2019年にクリニックを開設しました。と言ってもこのクリニックで緩和治療を提供しているわけではなく、一般診療で地域の皆さんの生活を支えつつ、最終的には患者さんがお年を召され人生の締めくくりをするに至るまで「皆さんの健康を支える道案内」的な存在でありたいと思っています。

この地域を選んだ理由を教えてください。

長く勤務した済生会熊本病院の近くで開業したいという思いが強かったですね。済生会熊本病院をはじめとする地域の拠点病院は、高度医療・救急医療を提供する役割がありますので、絶え間なく増え続ける重症患者さんに対応し続けるために、軽症~中等症の患者さんや、手術などの高度医療を受けて安定した患者さんは地域のクリニックに任せたいとの考えがあります。「拠点病院からクリニック」への患者さん紹介を「逆紹介」といいますが、逆紹介をするにあたっては、拠点病院とクリニックの連携が必要です。その点、私は長く勤務していたことで済生会熊本病院の先生方やスタッフ皆さんとお互いの顔が見える連携が可能であり、そのことが患者さんにとっても安心してより良い医療を受けていただけることになるだろうと考えました。

どのような患者さんが来院されているのでしょうか。

塩屋公孝院長 しおや内科・内視鏡クリニック2

内科医としての研修医時代に、最も多いがんは消化器がんだと感じて、消化器内科を専門にしていこうと決めたのです。その後、済生会熊本病院ではずっと消化器内科で働いていて、その経験をもとに内科・消化器内科・内視鏡内科を標榜することにしました。現在来院いただいているのは比較的お若い、40・50代といった働き盛りの方が多いですね。あとは健診で異常が見つかった方の二次精査も多いです。内視鏡内科を標榜するクリニックは少ないので、特に内視鏡には力を入れています。胃カメラ・大腸カメラ・ピロリ菌検査など、大きい病院と比較しても遜色のないレベルの設備をそろえていると思います。お仕事をされている方は土曜日しか受診できない方も多いので、土曜日も胃カメラ・大腸カメラに対応できるようにしています。さらに最近、大腸カメラの前処置室を個室タイプにしたので、リラックスをして検査に臨んでいただくことができます。

なるべく負担の少ない検査で初期がんを見逃さない

診療方針やポリシーを教えてください。

塩屋公孝院長 しおや内科・内視鏡クリニック3

来られた患者さんには何かをもって帰っていただきたいと思っています。専門分野以外では良いアドバイスができないこともあるのです。それでも培ってきた医療知識を総動員して何か提案したい、というのがポリシーですね。これはスタッフ全員で共有して実践しています。もう1つ考えとして持っているのは、がんは完全に予防できないということ。病気は理不尽なもので、どれだけ生活を節制しても一定の確率でがんになります。ただ、がんを予防できなくても、治療できる段階で見つけて、しかるべき治療を提供して差し上げる、というのが僕のスタンスです。治る段階で病気を見つけてあげたい。そのために、胃カメラや大腸カメラで、地域の健康に貢献したいと考えています。

診療の時間を診察内容で分けていらっしゃると伺いました。

そうですね。胃・大腸カメラと一般診療の時間を区切って診察しています。胃カメラは9時~11時、大腸カメラを13時~15時で分けて設けて、一般診療はその間の時間に来ていただいています。もちろんイレギュラーにも対応していますので予約時にご確認ください。来院される方で一番多いのが消化器系、おなかの不調を訴える方が多いです。内視鏡が強みではあるのですが、地域のかかりつけ医でありたいので、一般的な内科クリニックとしての診療も積極的に行っています。

治療においてこだわっていることを教えてください。

塩屋公孝院長 しおや内科・内視鏡クリニック4

初期がんを見逃さないということです。せっかく勇気を出して検査に来てくださる方もいらっしゃるので、それを無駄にしないようにしたい。特に初めての胃カメラが苦痛だったらそれ以降敬遠してしまうと思うので、気をつけています。当院では鎮静剤の投与方法を工夫して苦痛の少ないように独自の改良を重ねています。ピロリ菌については検査から治療までその日のうちにできるようにしています。また、消化器内視鏡について専門的な知識を持つスタッフがいることも大きいです。検査中に医師が指示する前に動いてくれるので、効率的な検査ができるのでたいへん心強いです。

チーム医療で地域に根差し、ともに年を重ねていきたい

診察の際にスタッフの皆さんで心がけていらっしゃることはありますか。

塩屋公孝院長 しおや内科・内視鏡クリニック5

初診の患者さんが来られたときに、何を求めてここに来たのかに思いを至らせることです。「症状の根本的な原因が知りたい」「薬だけでいい」「友人ががんになったので私も心配で……」など患者さんの本音をくみ取るように意識しています。スタッフ全員で問診や声かけの際にその辺りを確認してチームで共有し診療に役立てています。例えば、患者さんが不快になられたポイントなども、きちんと気づけるように指導しています。当院のやり方が正しいとは思っていないので、先輩や同期のクリニックにも見学に行き、常にいいやり方があったら取り入れて改善を図っています。

医師になったきっかけや思い出深いエピソードなどあれば教えてください。

きっかけは人が好きだからですね。ある本で緩和ケアという医療があるということを知り、こんなに人に深く関われる大切な仕事があることを知り医師をめざしました。忘れられない思い出は済生会時代に担当したご高齢の女性患者さんです。3年間にわたりがんの治療を繰り返してましたが、積極的治療が限界となり緩和治療を受け入れてくださいました。その後も私が異動した他院の緩和ケア病棟に希望して転院してこられ、ずっと私が担当しました。ある日の朝、病室の窓辺に立たれて「良い日の出を見た。思い残すことはない。先生ありがとう」という言葉を残して、その数日後に旅立たれました。それから1年がたち、当クリニックを立ち上げた時に、なんと、その患者さんの子どもさんたちが「母からのお祝いです」とお花とお手紙を持ってきてくださったのです。その時、やっと「自分はなりたかった医者になれたのかな」と感じました。とても思い出深い出来事でしたね。

休日のリフレッシュ法は何でしょう?

塩屋公孝院長 しおや内科・内視鏡クリニック6

「旅」です。「鉄道旅」で景色を眺めながら、そこに住む人々の生活を感じたり、「船旅」で海と空しかないところでボ~っと考えを巡らしたり、日常から離れて自分自身を見つめ直す時間が大好きですね。あと学生時代野球をやっていたこともあり高校野球が大好きです。夏は藤崎台や甲子園に入り浸っています(笑)。

最後にこれからの展望をお聞かせください。

「がっつり地域に根づいたクリニック」でありたいと思っています。体調や心身の不調を感じたときに、ふらっと立ち寄れるような場所でありたいです。私も今年で50歳になったので、地域の方々と一緒に元気に1つずつ、年を重ねていきながら、皆さまに頼られるかかりつけクリニックをめざしていこうと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

胃カメラ/1万2000円、大腸カメラ/1万6000円

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