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久保 玲子 院長の独自取材記事

徳丸村中眼科

(板橋区/東武練馬駅)

最終更新日:2023/07/14

久保玲子院長 徳丸村中眼科 main

2019年に開院した「徳丸村中眼科」。院長を務めるのは、白内障や網膜硝子体、眼瞼下垂、睫毛内反症、眼瞼腫瘍など幅広い疾患の手術経験を持つ久保玲子先生だ。高い専門性と充実した設備で大学病院と同等の診療を提供する「ときわ台村中眼科」の分院として、地域の眼科医療を担う。「日常的な目の症状から、白内障の日帰り手術、眼瞼下垂、眼瞼腫瘍の手術など幅広く対応しています」と久保先生。午後の開院を待ちきれずに走りこんできた子どもを優しく迎えて待合室に誘導する姿や、笑顔を絶やさず患者の話に耳を傾ける様子からは、この2年で築き上げてきた地域の患者との信頼関係の一端がうかがえた。

(取材日2021年5月25日/更新日2023年6月15日)

近隣のクリニックとも連携し、包括的に患者をサポート

天井が高くてとても開放的ですね。フラットで、幅広い年代に優しい設計も印象的です。

久保玲子院長 徳丸村中眼科1

理事長が院内の設計やデザインを手がけたので、私もできあがってから訪れて驚きました(笑)。待合室の天井は2階部分まで吹き抜けなので、ゆったりした気持ちで順番をお待ちいただけるのではないでしょうか。院内はバリアフリーで、車いすやベビーカーを利用したままお入りいただけますし、高齢の方の歩行を助ける手押し車も院内でお使いいただけます。トイレも十分な広さがあるので、安心してご利用ください。手術室は2階ですが、入り口のすぐ脇にエレベーターがあり、階段を使わずに上がっていただけます。なお、2階は手術に特化したスペースで、休憩リカバリー室とご家族の待合室を設けています。

ゆったりとした居心地の待合室ですが、新型感染症流行のさなかは今と様子が違っていたそうですね。

そうなんです。ここ数年の新型コロナウイルス感染症の流行を受け、当院でもあらためて感染症対策の見直しを実施したのですが、まず行ったのが、待合室のソファーの使用を制限し、ソーシャルディスタンスを取っていただくことでした。とはいえ「ここは座れません」とソファーに無機質な文字やバツ印を貼るのも、どこか寂しい。そこでスタッフの発案で、一席おきに造花を置くことにしたんです。スタッフ全員で選んだというやわらかな色合いの花々に彩られた待合室は、訪れた人たちにも好評で、私もとても気に入っていました。感染症の拡大が落ち着いてきたのを見計らって、当院の待合室も受付のビニールシートやソファーの造花をなくし、少しずつ以前の姿に戻りつつありますが、感染症の流行という大変な時に、患者さんのために居心地の良い環境づくりに徹してくれたスタッフの気遣いは、非常にありがたかったですね。

この辺りは、長いこと眼科クリニックが少なかったと伺いました。

久保玲子院長 徳丸村中眼科2

長く眼科の空白地帯で、患者さんは遠方の病院まで通院されていたようです。アップダウンが多いエリアなので、駅までの道のりも決して楽ではなく、特に高齢の方や小さなお子さん連れの方は通院に苦労していたと聞きました。「やっと近くに眼科クリニックができてうれしい」と言ってくださると、私までうれしくなります。並びに内科と整形外科のクリニックがあるので、複合疾患をお持ちの方からは通院が1ヵ所で済んで助かるといったお声もいただきました。内科と整形外科の先生とはよくお話をして、連携を取らせていただいています。特に糖尿病の方は、合併症の糖尿病網膜症が知らないうちに出てしまうことがあるので、1年に1度は眼底検査を受けるよう内科の先生から勧めていただいたりもしています。

患者にメリットがあれば、院内で手術も実施

メインとなる患者層は、高齢の方ですか?

久保玲子院長 徳丸村中眼科3

開院してすぐ感じたのは、90歳代の方が結構多いなということ。高齢の方が多いことは今も変わりませんが、少しずつ地域に浸透してきたのか、小さいお子さんも増えた印象です。私自身、1児の母で子どもが好きなので、子どもたちを診療できるのはうれしいですね。子どもの症状の大部分は目の充血やかゆみ、そして視力の低下です。特に就学時健診の後は、近視を指摘されたお子さんと保護者が多く来院されます。「ゲームをやめないんです」「姿勢が悪くて」なんて相談を受けると他人事ではなくて(笑)。同じ親として悩みを分かち合ったり、子どもへの声かけについて一緒に考えたりしながら、視力悪化を防ぐためのアドバイスをしています。

高齢の方は、どのような主訴でいらっしゃるのでしょう。

最も多いのは、「見えにくい」というご相談ですね。検査をして原因を確定し、治療に移ります。手術を希望して来られる方も、受けるかどうか悩んで来られる方もいらっしゃいますが、基本的に手術は患者さんに明確なメリットが期待できるときにしかお勧めしません。白内障で手術をすべきか迷っている方には「ほかの病気をチェックしながら経過を見ていきましょう」とお話しするようにしています。手術の後も初期はゴロゴロしたり、炎症が出て思ったように視力が上がらなかったりすることも多いので、医師と患者の信頼関係が何より重要だと思います。

院内ではどのような手術に対応できるのですか?

久保玲子院長 徳丸村中眼科4

硝子体の手術は本院で大学の医師が執刀しており、当院では白内障をはじめ、睫毛内反症やできものの手術、眼瞼腫瘍や眼瞼下垂などまぶたの手術を行っています。眼瞼下垂に関しては、「運転中、上が見にくい」「まぶたが重く、疲れる」といった症状で受診して見つかるケースが多いですね。一般的には高齢の方に多い疾患ですが、ハードコンタクトレンズを長年使用している方などは40代で発症するケースもあります。生活の質や見た目にも関わる問題なので、気になる方はご相談ください。検査をして視野狭窄が認められれば、保険適用で手術をすることが可能です。ただし、術後はどうしても腫れたり、皮下出血が起きたりすることがあることをご理解いただかなくてはなりません。手術の前には、しっかり時間を取ってご納得いただけるまでご説明しています。

身近なかかりつけ医として、患者とともに歩む

先生のこれまでのご経歴をお聞かせください。

久保玲子院長 徳丸村中眼科5

実家が整形外科医院で、幼い頃から診療をする父の姿を見て育ち、仕事として「病気を治す」ことに憧れを持っていました。また、当時からお裁縫が好きだったことは、その後の手術への興味に結びついているかもしれません。大学時代、もともとは大学院への進学を考えていたのですが、大学卒業後に多くの手術を手がける病院に勤務したことがきっかけで考え方が変わりました。そこからは臨床一直線でしたね。白内障はもちろん、硝子体の手術も経験したいと思っていたので、御茶ノ水の「井上眼科病院」本院で研鑽を積み、網膜硝子体手術をメインとする西葛西の分院にも勤務しました。その後も白内障と眼瞼下垂手術が得意なクリニックなど、手術症例数の多い市中クリニックで研鑽を積んでいます。

診療では、どんなことを大切になさっていますか?

患者さんが質問しやすい雰囲気をつくることと、質問されたらわかりやすく丁寧に答えることを心がけています。スタッフにも、手が空いたらできるだけ診察室に入ってもらって、私がどんな話をしているのか、患者さんがどんな状態なのか、その場で共有するようにしているんですよ。患者さんが「見えにくい」とおっしゃっているのを聞けば、自然と院内の移動をサポートするために動けるようになりますし、私の説明を聞くことで患者さんとのコミュニケーションにも役立つと思っているからです。同時に、スタッフからの意見に耳を傾けることも大切にしていますね。特に、送迎車の運転手さんは社会経験が豊富で、患者さんの医師には言いづらい悩み事を車中の何げない会話からくみ取ってくれることも。おかげで患者さんの精神面をフォローできて、とても助かっています。

今後の展望と、患者さんへのメッセージをお聞かせください。

久保玲子院長 徳丸村中眼科6

開院から2年がたち、少しずつ顔なじみの患者さんも増えてきました。女性の先生だと話しやすいと思っていただけたら、とてもうれしいですね。これからも身近なかかりつけ医として、地域の皆さんに向けた勉強会なども開催しながら、気楽に困り事を打ち明けてもらえる関係を増やしていきたいと思っています。本院のときわ台村中眼科とも連携し、地域の眼科医療を支えていきたいですね。「何かおかしいな」と思って2~3日で症状が治まらない場合は、自然治癒力をもってしても治りにくい悪いことが起こっているのかもしれません。気になることがある方は、どうぞお気軽にご来院ください。

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