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井上 篤 院長の独自取材記事

甲状腺・糖尿病クリニック 中の島

(札幌市豊平区/中の島駅)

最終更新日:2021/10/12

井上篤院長 甲状腺・糖尿病クリニック 中の島 main

井上篤先生が院長を務める「甲状腺・糖尿病クリニック 中の島」。同クリニックは、甲状腺など内分泌に関わる病気と、糖尿病、高コレステロール血症、高脂血症に代表される代謝異常の病気の診療を大きな2つの柱とする、専門性の高い診療を提供するクリニック。基幹病院との連携を大切にする一方、地域に根差したクリニックならではのきめ細かなケアを大切にし、週に1度の夜間診療や土曜日の診療枠を設けることで、受診のハードルを下げ、気軽に受診できるような配慮をしている。そのため、通院をする人たちの中には、働き盛りの世代も少なくないという。困ったときに気軽に相談できる、頼れる地域のかかりつけクリニックとして、日々一人ひとりと丁寧に向き合う井上院長に話を聞いた。

(取材日2021年1月19日)

基幹病院とも連携、補完し合いながら住民の健康を守る

なぜこの地での開業を選ばれたのですか?

井上篤院長 甲状腺・糖尿病クリニック 中の島1

開業前まで、すぐ裏手にある北海道病院に勤務をしていたというのが1番の決め手でしょうか。土地勘もあるので。今の患者さんのうち、開院後の新規の患者さんが3分の2、3分の1が北海道病院勤務時からお付き合いのある方という感じですね。ご近所の方だけでなく遠方からも患者さんが来てくださっていてありがたいですね。地域の中で、専門性の高い医療に気軽にアクセスできるようにしたいと思っているので、やはり患者さんがいらしてくださることが1番の励みになります。

2018年に開業されるまでの経緯を教えてください。

開業に至ったきっかけは地域完結型の医療が今も今後も必要になると感じたからです。かかりつけ医と基幹病院というものが地域の中に存在して、互いに補完し合いながら患者さんを診ていくというスタイルが必要ではないか、と。大きな病院に患者さんが集まりやすいという流れはあるけれど、必ずしもそれが適切な医療を受けられることとイコールではないんですよね。もっときめ細かなケアというのはむしろ小さなクリニックのほうが得意とするところもあると思うんです。今までは基幹病院で診療をする側だったので、今度は自分自身が地域に出ていって、地域の中で患者さんを受け止めるということをやってみようかなと思ったんです。もちろん、自分のクリニックだけで完結できるとは思っていないので、基幹病院としっかり連携はしつつ、大きな病院ではケアが難しい部分は自分が担うことで補完し合って、患者さんにベストな医療の提供ができればうれしいですね。

先生のご専門について教えてください。

井上篤院長 甲状腺・糖尿病クリニック 中の島2

専門分野は内分泌と代謝です。以前勤務していた病院で興味を持ち、そこから専門として研鑽を積んできました。内分泌と代謝というと、わかりにくい方もいらっしゃると思うので、もう少しわかりやすく言うと、甲状腺の病気・副甲状腺・副腎などの疾患を扱うのが内分泌の範囲です。代謝の異常というと、主なものは、糖の代謝異常である糖尿病、脂質の代謝異常である高脂血症などですが、骨粗しょう症などの骨代謝の領域にも以前から力を入れています。内分泌や代謝というと関わる臓器が多いので、患者さんが受診先を選ぶにあたってわかりにくいかなと思い、甲状腺・糖尿病をクリニック名として掲げています。

困ったらすぐ受診できるようそのハードルを低くする

受診される患者さんの特徴、などあれば教えてください。

井上篤院長 甲状腺・糖尿病クリニック 中の島3

甲状腺の腫れ、頸部の違和感で甲状腺検査に来る方が一番多いでしょうか。あとは、もともとどこかで糖尿病治療を受けていたけれども、通院が途絶えていた方が治療再開のためにいらっしゃることも。あとは、健診で異常を指摘されて、検査のため受診されるという方が多いですね。診察時間もクリニックの場合は幅を設けることができるので、週1回夜間診療で19時まで空けていたり、昼休みなく1日診療したりしています。さらに土曜日も診療しています。多くの基幹病院のように午前しか外来にかかることができないとなると、受診のハードルが上がってしまうと思うので、そこを補完するのがクリニックの役割という想いがあります。そうすることで、患者さんが受診しやすい環境を整えられればと思っているのです。実際働き世代の患者さんが多いというのは当院の特徴といえるのかもしれませんね。

診療の際に先生が心がけていらっしゃることは何ですか?

1番大切にしているのはクリニックならではのアクセスの良さでしょうか。気軽に受診できる、かかりやすさというのは常に心がけています。待ち時間がないようにと配慮はしていますが、一方で、流れ作業のような診療ではなく、患者さんの困っていることにしっかり応えていきたいと思うと、やはり診察にはそれなりの時間がかかってしまいますので、その狭間で葛藤を抱えながら日々診療を行っています。ただ、ささっと終わらせるというよりも、本当に困っていらっしゃることや不安に思っていらっしゃることに寄り添えるよう、丁寧に接したいと思っていて、そこは大事にしていますね。ちょっと気になることがあったらすぐ相談できる、何回でも通いたい、そう思っていただけるクリニックでありたいですね。気兼ねなく相談していただきたい、そう思っています。それこそが、かかりつけ医の役割ではないかと思っています。

クリニックの特徴、こだわりの設備などがあれば教えてください。

井上篤院長 甲状腺・糖尿病クリニック 中の島4

状態が良くなっているのか悪くなっているのか、ということがすぐわかるように院内で検査を行い結果がすぐ渡せるようにしているというのは当院の特徴の一つです。また、整形外科などでは骨密度検査は一般的ですが、内科で当院のように骨密度検査を行っているのは珍しいかもしれません。骨代謝の診療に力点を置きたいという思いもあり、導入しています。病気を早い段階で見つけるということも大切にしているので、検査技師、栄養士、看護師などのスタッフは皆経験豊富なベテランの方を採用しています。患者さんが良い医療を受けられるようにするにはどうしたらよいかということを常に考えて、という思いはスタッフ間で共有しています。また、感染症対策として、2階に待合室を増設し、待ち時間が密にならないよう工夫しています。

常に全身を診て健康寿命を延ばすことに貢献したい

先生の治療方針を教えてください。また、先生ご自身が気をつけていることはありますか?

井上篤院長 甲状腺・糖尿病クリニック 中の島5

食事や運動などの見直しを行うことを前提として治療を始め、極力薬は使わないようにしています。もちろん、血糖値のコントロールの悪い方をそのまま放っておくということではなく、必要であれば薬も適宜使いますし、むしろ必要な時には大胆にしっかりと使います。ただ、薬を使う場合にも、漫然と同じものを使うということはせず、患者さんの今の状態に合わせて処方を変えていく、あるいは薬を使わないようにしていくということを心がけています。糖尿病や脂質異常の方には、体重を落とすように、とか、食事内容に気をつけるようになどのお話をする場面も多いので、自分自身も食事や体重のコントロールには気を配っていますね。

今後の展望について教えてください。

これまでも患者さんの健康寿命を延ばせるような診療を心がけてきましたし、これからも心がけていきたいと思っています。もちろん、それには、私だけではなく、地域のほかの先生方のお力もお借りして連携を強めていくことが大切でしょう。糖尿病や甲状腺疾患などで来院される方が多いのですが、受診のきっかけはそうでも、実は体のほかの部分にがんなどの疾患を抱えていらっしゃることもある。そういう時に、主訴である糖尿病しか見えていないと、見逃してしまうこともあると思うので、できるだけ全身的に診ていくという視点をいつも忘れないようにしています。その上で、自分にできることをしっかりとやり、大きな病院への紹介など必要な時には連携し、お任せする。これからもそのスタイルを守って、地域の皆さまの健康寿命を延ばすことに少しでも貢献していけたらうれしいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

井上篤院長 甲状腺・糖尿病クリニック 中の島6

糖尿病や甲状腺疾患などは、長いお付き合いになることが多い病気です。体のことだけではなく、精神的なストレスなどに関してもご相談に乗りたいと思っていますので、困っていることなどがあれば、お気軽に受診・ご相談ください。ご不安や困っていることに対して、寄り添い、求めていらっしゃる答えに少しでも近づけるよう丁寧に診療していきます。どうぞ、お一人で悩まずにちょっとしたことでも、まずはお気軽に受診してください。

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