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発熱・感染症のための外来
独自の工夫でスムーズな受診を実現

本厚木かかりつけクリニック

(厚木市/本厚木駅)

最終更新日:2024/04/15

本厚木かかりつけクリニック 発熱・感染症のための外来  独自の工夫でスムーズな受診を実現 本厚木かかりつけクリニック 発熱・感染症のための外来  独自の工夫でスムーズな受診を実現
  • 保険診療

新型コロナウイルスの感染拡大ピーク時、医療機関には多くの患者が集中し、待ち時間の長さや予約の取りづらさ、感染を恐れての受診控えなど、多くの課題が指摘されてきた。「本厚木かかりつけクリニック」は、いつでもなんでも相談できる救急科外来のようなクリニックをめざすという笹生正樹院長の方針のもと、早くから発熱・感染症のための外来を設置しパンデミック下の地域医療を支えた。2020年10月から2023年12月まで、発熱・感染症のための外来を利用した患者は3万4000人を超える。その経験と実績をもとに、発熱症状や感染症の患者も、通常診療の患者も、双方がスムーズに受診できるよう、今もなお待ち時間の軽減や診療環境の向上に取り組んでいる。笹生院長に、同院の発熱・感染症を専門に診る外来の特徴や工夫について聞いた。

(取材日2024年3月5日)

待ち時間の短縮や感染症予防に全員で取り組む。より満足してもらえるクリニックをめざし患者対応にも注力

Qこちらの発熱・感染症の診療体制について教えてください。
A
本厚木かかりつけクリニック 1階には発熱患者専用の外来を設けている

▲1階には発熱患者専用の外来を設けている

当院では、2020年6月より新型コロナウイルスの診療を開始し、PCR検査も実施しております。2020年10月からは発熱・感染症の疑いがある患者さんのための外来を設けています。比較的早い段階であったので、東京都内など遠方からの患者さんも多く受診されました。それ以降は、発熱、咳、咽頭痛、感染症腸炎が疑われるような下痢、嘔気嘔吐などの症状がある方、新型コロナウイルス感染症の可能性がある方などの診察・検査・治療、およびワクチン接種を行っています。この間、発熱症状や感染症の症状で多くの患者さんが来院されました。最近は新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの方が多いですね。

Q院内では、どのような感染症対策を行っていますか?
A
本厚木かかりつけクリニック 独自のマニュアルを作成し、感染症対策に力を入れる

▲独自のマニュアルを作成し、感染症対策に力を入れる

発熱・感染症の診療は、専用の待合室も含めて1階に集約し、2階で通常診療を受けられる患者さんとの動線を分けています。また、標準予防策(スタンダード・プリコーション)を踏まえた院内における感染症対策マニュアルを作成し、職員全員がそれに沿って行動しています。さらに感染症対策の基本的な考え方や関連知識の習得を目的とした勉強会を実施し、連携する厚木市立病院から定期的に情報提供やアドバイスを受けるなど、感染症対策の質の向上にも取り組んできました。患者さんに対しては院内でのマスク着用をご案内する他、ウェブ予約やウェブ問診、キャッシュレス会計の導入などで滞在時間の短縮や接触機会の軽減を図っています。

Q発熱・感染症を専門に診る外来を受診する際の注意点は?
A
本厚木かかりつけクリニック 事前予約なしで人数制限を設けず、発熱患者を受け入れる

▲事前予約なしで人数制限を設けず、発熱患者を受け入れる

予約制ではなく、受付順ですので事前予約の必要はありません。その日の受け入れ人数の制限もしていません。発熱や感染は予想できませんから、来院された患者さんはすべて受け入れるのが当院の考え方です。熱がある方、新型コロナウイルスやインフルエンザに感染しているか心配という方はすべて来ていただければと思いますが、その分、待ち時間が生じてしまうことはご理解ください。また、院内ではマスク着用をお願いしています。その他、発熱や感染症の症状で受診される方は問診票をダウンロードして記入して持参していただくことと、お薬手帳もしくは内服中の薬がわかるものを持参していただくとスムーズに進むと思います。

Q受診の流れについて教えてください。
A
本厚木かかりつけクリニック 患者の状況に合わせ、柔軟に対応する

▲患者の状況に合わせ、柔軟に対応する

まず2階で受付をしていただきます。その日によって待ち時間は変動しますが、その間、1階の待合室で休んで待っていただくこともできますし、駐車場の車内で待機したり、外出していただいたりしても構いません。院外の場合は、診察時間が近づいたら電話でお呼び出しをさせていただきます。1階の診察室で検査や診療を行い、終了後は、スタッフが患者さんのもとへ伺ってその場で会計を行います。薬が必要な場合も患者さんのもとへ処方箋をお持ちします。自宅で行った抗原検査キットを持参していただくか、写真に撮って診察時に提示していただければ、クリニックでの検査を省略して診断を行うなど、柔軟に対応しています。

Q患者さんの対応のために取り組んでいることを教えてください。
A
本厚木かかりつけクリニック 日々スタッフ一丸となって、受診環境の改善に励む

▲日々スタッフ一丸となって、受診環境の改善に励む

待ち時間を快適に過ごしていただけるよう待合室に書籍やモニター、飲み物をご用意しています。一旦外出していただくことも可能です。受付から一定時間が経過した患者さんは、カルテを挟んだファイルの色を変えて早く対応するなど職員間で注意喚起を行っています。予約の方で予約時間から20分を経過しても診療にご案内できない場合は受付スタッフがお声かけして様子を確認します。また、ご意見箱やアンケートを活用して患者さんのご要望を集め、対応できるところは改善しています。例えば外国の方からの「英語表記をしてほしい」とのご要望に応えて、掲示物の英訳版を作成しました。職員の接遇マナーの勉強会も行いより良い対応に努めています。

ドクターからのメッセージ

笹生 正樹院長

新型コロナウイルスが流行し始めた当初、一般患者さんの不安や感染リスクを考えると、発熱・感染症の患者さん専門の外来を設けるのは葛藤がありました。しかし、困っている方は受け入れるべきだと考えて開始。結果、多くの患者さんが来られ、私たちもできる限りの努力をしてきました。スタッフも本当に頑張ってくれましたし、成長もしてくれたと思います。その後の経過を踏まえ、感染症予防や診療の合理性という観点から、今後も発熱・感染症の診療体制は必要だと思います。この外来含め、より満足していただけるクリニックとなるために、今後も患者さんの声を聞き、改善すべきところは改善し、SNSによる情報発信も行っていきたいと思います。

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