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森下 真実 院長の独自取材記事

もりした眼科クリニック

(高松市/三条駅)

最終更新日:2021/12/16

森下真実院長 もりした眼科クリニック main

高松市郊外の中心街にあるレインボーロードの沿道エリアに「もりした眼科クリニック」は2018年に開業した。院長の森下真実先生は香川医科大学医学部を卒業後、県内中核病院などに勤務した後、渡米、コロンビア大学眼科にて、学ぶ。帰国後、香川大学医学部付属病院などに勤務して研鑽を積んだ眼科医師だ。クリニックでは白内障の日帰り手術を手がけ、緑内障、糖尿病網膜症の継続的な診療に取り組む。立地は住みたい街として人気のエリアにあるため、患者層は子ども連れの若い世代から高齢者まで幅広い。優しく穏やかな雰囲気の森下院長は「一人ひとりの不調や不安にじっくり耳を傾け、寄り添いたい」と話す。さまざまな眼疾患とその治療法、めざす眼科医療のあり方について聞いた。

(取材日2021年8月25日)

発展中の新興エリアで開業、地域住民の目の健康を守る

この地域の特性や開業にあたり工夫されたことをお聞かせください。

森下真実院長 もりした眼科クリニック1

レインボーロードの沿道は発展中の新しい商業地域です。その通りから1本東へ入ったこの場所は静かな住宅街で、昔から住んでいた方たちだけでなく、新しく転入していらしたファミリーもお住まいです。こういう場所で、小さいお子さんから高齢の方まで困った時に相談してもらえる存在になりたいと考えて、このクリニックを2018年に開業しました。お子さん連れや高齢の方が負担なく来院できるよう、クリニックはバリアフリー設計にし、玄関にスロープを設けて、靴を脱いだり履いたりが負担になる方もいらっしゃるので靴のまま入れるようになっています。そして待合スペース、検査室、トイレは車いすで行き来できるようにしています。

待合スペースは大きな窓から自然光が差し込んで明るく居心地が良いですね。

眼科の検査は、明るさが一定でないと検査結果に影響することがあるため、検査室には窓がありません。そのぶん待合は明るくしました。内装は真っ白だと症状によってはまぶしく感じる方もいますので淡い色調にしましたが、視力障害のある方は床と壁の境目が見えづらいことがあります。そのため壁と床の接合部に濃色の巾木をつけてもらいました。同じ理由で入り口の手すりや待合のソファーも鮮やかな色にしてコントラストをつけています。観葉植物は3年前、開業のお祝いに頂いたもので、皆で大切に育てております。スタッフのご家族に世話の上手な方がいて、一度鉢の土を入れ替えしてくださったことがあり、おかげで今でも患者さんたちの目を楽しませてくれます。

主な患者層や多い主訴についてお聞きします。

森下真実院長 もりした眼科クリニック2

多様な年齢層と症状の方が来院されます。多いのは緑内障の患者さんの定期的な通院で、症状が安定している方なら1~3ヵ月に1度のペースで来ていただいています。また白内障の手術や、将来、手術が必要になるかもしれない方の経過観察も多いです。白内障は眼球の中にある水晶体というレンズが濁る病気で、最も多い原因は加齢です。若い方でも糖尿病、アトピー性皮膚炎、外傷、ステロイド剤による治療が原因で発症することがあります。手術は濁ったレンズを取り除き、人工レンズに取り替えるもので所要時間は15分前後です。術後はリカバリー室で休んでいただいたのち、お帰りいただく日帰り手術です。白内障は進行すると、かすむ、まぶしい、見えにくい、二重に見えるなどの症状が出てきますが、眼底出血や緑内障など、他の病気でも、同じような症状を自覚することがありますので、見え方の異常に気がついたら放置しないで受診していただくことが大切です。

注意してほしい、自覚症状のない眼疾患

糖尿病網膜症はどんな病気ですか?

森下真実院長 もりした眼科クリニック3

糖尿病のために血糖値が高い状態が続くと、糖そのものや、その代謝産物が血管を傷めます。細い血管ほど障害されやすく、毛細血管が多く集まっている網膜が障害されるものが糖尿病網膜症です。初期には毛細血管の壁が弱くなり、毛細血管瘤や網膜出血が見られますが症状はありません。毛細血管が障害されて閉塞し、その範囲が広がると、網膜が酸素不足となり、新生血管と呼ばれる新しい血管がつくられます。新生血管から眼球内に出血(硝子体出血)を来すことがあり、また、増殖膜を形成すると、網膜剥離を起こし、失明につながる場合もあります。網膜症が進行してきた場合は血流が不足した範囲をレーザーにて治療する光凝固を行いますが、硝子体手術や注射による治療が必要になることもあります。初期の糖尿病網膜症は自覚症状がなく、進行しないと見えにくいとは感じません。だからこそ内科での血糖値のコントロールとともに眼科の定期検診をお勧めします。

こちらで受けられる自由診療にはどんなものがありますか?

これまでお話ししたように目の病気には初期には自覚症状がないものが少なくありません。そうした眼疾患の早期発見をめざす眼科の総合健診を行っています。検査内容は、視野検査、角膜の形状解析、緑内障・加齢黄斑変性症の早期発見に有用な眼底3次元画像解析など8項目です。また、白内障手術を行う際に多焦点眼内レンズを選択すると、以前は全額自費診療でしたが、現在は選定療養という枠組みで行えるようになりました。手術は保険診療で行い、レンズの差額分と追加検査の費用を自費でご負担いただくというものです。

診療にあたり心がけていらっしゃることを教えてください。

森下真実院長 もりした眼科クリニック4

一次診療を担う地域のクリニックとして、正確に診断をして正しく治療をすることが何より大切です。そのためには患者さんが安心してなんでも相談できる場所でなければなりません。患者さんの状態に目を配り、訴えに耳を傾け、心を寄せて大事なことを話していただくことが、より良い診療につながると信じています。そして患者さんには、病気を理解し、治療の主人公として取り組んでいただけるよう、難しいこともわかりやすく、模型や画像、検査データを使ってお話しすることを心がけています。もし当院で治療が完結しない場合は、他科の先生や大学病院、基幹病院に患者さんを紹介して診ていただくことになりますから、そうした地域の先生たちや病院とも信頼関係を築いていけるよう努力しています。

より良い眼科医療のために他科の医師との連携も

クリニックの感染症対策についてお聞きします。

森下真実院長 もりした眼科クリニック5

眼科は流行性角結膜炎など感染性の疾患を診ますので、感染の疑いのある患者さんがほかの患者さんと接触しないよう動線を分離するなど、感染症対策は以前から徹底していました。しかし、この新型コロナウイルス感染拡大の中、今まで以上に患者さんとスタッフを守らなければいけないと十分に気をつけています。電話とインターネットで診療予約をお受けしていますが、急に症状が出た方に対応できるよう、予約外の患者さんも受けつけており、予約と予約の間隔を空け、その間に予約外の方を診察しています。診察までお待たせする時は、一度外出していただき、診察が近づいたらお電話でお呼び出しできるようにし、待合室が密にならないよう配慮しています。待ち時間でご迷惑をおかけすることもあり、心苦しく思いますが、こういう不安な時だからこそ患者さんの訴えをよく聞き、私からも治療について十分な説明しなければと考えています。

今後、新たに取り組みたいことはありますか?

良い治療のためには患者さんがご自身の状態を理解していただくことが必要です。そのためのシステムやツールをつくりたいと考えています。その一つが治療の計画や経過を記録する治療手帳で、糖尿病の方、緑内障の方にはすでに、既成の手帳に経過を記入してお渡ししています。こういったものをほかの疾患にも活用して患者さんには目標を持ち、モチベーションを維持していただきたいと考えています。また眼科の経過を見えるようにすることで、他科の先生や施設と情報を交換・共有することができれば、患者さんにとってより安全でより良い医療につながるのではと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

森下真実院長 もりした眼科クリニック6

目は直径2.5センチほどで小さいですが、私たちが外から取り入れる情報の8割は視覚から入るといわれる大事な器官です。しかし、目の病気には、はじめは自覚症状がなく、進行してしまってからでは視力の回復が困難なものが多くあります。そのため、40歳を過ぎたら定期的に眼科検診を受けることをお勧めします。また、目に意識を持っていただき、異変を感じたら眼科を受診することも、病気を早期に見つけるきっかけになります。小さな不安でも気軽に相談できる地域の眼科クリニックをめざしていきますので、気になることがあればご相談いただけましたらうれしいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

眼科の総合健診(散瞳検査なし)/1万3000円~
眼科の総合健診(散瞳検査あり)/1万3500円~
白内障手術(選定療養)に用いる多焦点眼内レンズ/10万7750円~

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