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山上 貴也 院長の独自取材記事

やまがみ整形外科腰痛クリニック

(名古屋市名東区/上社駅)

最終更新日:2022/11/17

山上貴也院長 やまがみ整形外科腰痛クリニック main

名古屋市名東区の住宅街に2017年11月にオープンした「やまがみ整形外科腰痛クリニック」。父親と母親、子どもを思わせる3つの山のロゴが愛らしい。一番大きな山は当初、ひげを生やしたデザインだったが、院長の山上貴也先生をイメージして、妻がこっそり眼鏡姿に変えてしまったのだとか。「このほうが、らしくていいんじゃない」と言われて、まんざらでもなかったと照れながら教えてくれた。そんな山上院長は、患者一人ひとりの話にしっかりと耳を傾け、つらい症状を抱えて救いを求めている心に寄り添う診療をモットーとしている。その思いや、診療方針についてたっぷりと話を聞いた。

(取材日2018年8月15日)

手術という手段を使わずに痛みや苦しみを緩和したい

こちらではどのような症状で来院される方が多いですか?

山上貴也院長 やまがみ整形外科腰痛クリニック1

医院名に腰痛クリニックと掲げておりますので、腰痛の方が多いですね。過去に治療したけれどもまだ症状が残っているから治療してほしい、と当院を訪ねて来られる方もいらっしゃいます。開院したばかりの頃は、腰痛以外の症状ではかかってはいけないのではないかと考えていらっしゃる患者さんも多かったようです。最近はほかの整形外科疾患も診ることが周知されてきて、ケガをはじめ、肩や肘の痛みなどの症状で来院される方も増えてきました。昔からこの地域に住んでいらっしゃる方もいますし、転勤でお子さま連れで引っ越されてきたようなご家族も多く、年齢層もお子さんからご高齢の方まで幅広くいらっしゃっています。

先生は手術をしない治療を大切にされているそうですね。

今までに勤めてきた病院では、手術を主体とした治療を行ってきました。患者さんに喜ばれることも多く、手術しか方法がない場合もあります。しかしながら、一部では手術をしても症状が変わらなかったり、症状が残る方もいらっしゃるのが実情です。当院では、手術をしない治療を大切にしており、リハビリテーション、注射、薬などの手段を使って、痛みや苦しみを緩和できるような治療を徹底的に受けていただけるクリニックにしたいと考えています。もちろん、症状からして絶対に手術をしなければいけない患者さんには、ためらわず手術をお勧めします。そういった見極めもできる限り正確に行うべく、当院ではMRIなどの設備にもこだわりました。近隣の病院との連携も行っているため、手術が必要な場合はご紹介させていただいております。

手術と保存的な治療、それぞれのメリットについて教えてください。

山上貴也院長 やまがみ整形外科腰痛クリニック2

手術をすることで大きな効果が期待できる可能性は、もちろんありますし、手術でなければ治療できない病態も多く存在します。その一方で、麻酔によるリスク、体にメスを入れることによるリスク、体の中に金属などのインプラントを入れることによるリスクはどうしても伴います。そして高齢になると、こういったリスクは高くなります。保存的な治療には、今挙げたようなリスクはありません。しかし治療自体は、特に慢性的になってしまった痛みに対しては、即効性が期待できるものではないかもしれません。特に腰の場合、いろいろな病院を回っても痛みが取れなくてつらい思いをされている患者さんが多くいらっしゃいますが、ゆっくりとお話を伺うことで、意識を変えるきっかけになれたらと思っています。

患者の気持ちに寄り添った診療を心がける

どのようにして患者さんの意識を変えるのでしょうか。

山上貴也院長 やまがみ整形外科腰痛クリニック3

腰痛に悩まれているような方には、「痛みを取り除きたい」と思っていらっしゃる方が多いと思います。しかし、痛みを完全に取り去ることは、今の医療ではなかなかハードルが高いのです。そこで、まずはいったん、その考えを脇に置いて、「生活の中で何ができないからつらいのか」を伺います。その上で、目標を少し低いところに立てていただくのです。例えば、「痛みをすっかり取り除きたい」というのが最大の目標だとすると、「せめて近くのスーパーまでは痛みを感じることなく歩きたい」とか「せめて好きなゴルフだけはやりたい」「せめて旅行には行きたい」という感じですね。その目標に到達できるように治療を提供していきます。

患者さんとのコミュニケーションを密にとられているんですね。

患者さんのお話の中に疾患の原因だったり、患者さんの性格だったり、治療法のヒントが隠されているので、特に初診時には少しお時間をかけてできるだけ患者さんのお話を聞くようにしています。患者さんの性格やお好みによって、治療法を変えるんです。薬を絶対に飲みたくない方も、注射は怖いから嫌だという方も、リハビリテーションで人に体を触られるのを好まない方もいらっしゃいます。患者さんが嫌がることを押しつけることは絶対にしません。その方が抵抗なくできることで一番有効だと思う方法を選択して、お勧めして、やる気になってくださったところで治療を進めていく。これを理想としています。

リハビリテーションについて教えてください。

山上貴也院長 やまがみ整形外科腰痛クリニック4

大きく分けて、物理療法と運動器リハビリテーションがあります。物理療法はリハビリテーション機器を用いる方法です。運動器リハビリテーションは、専属の理学療法士がついて、患者さんとマンツーマンでリハビリを行う方法です。リハビリの目的は、痛みを取り除く、関節や脊椎の動きをよくする、姿勢をよくする、といったことです。理学療法士がついて、現在の状況を評価させていただき、その方にどのような運動がどれぐらい必要かということをお話しします。そして、ご自宅に帰られてから実際にご自分でやってみていただいて、来院されたときに、またご様子を拝見して評価し、指導する。これを繰り返しながら、体をより良い状態へと導きます。

啓発活動で健康づくりを手伝いたい

先生は、ロコモティブシンドロームの予防にも力を入れていらっしゃるそうですね。

山上貴也院長 やまがみ整形外科腰痛クリニック5

ロコモティブシンドロームは、体を動かさないことによって、筋量の減少、関節の縮み、体力の低下などが引き起こされ、体の運動機能が落ちている状態のことを言います。ご高齢になっても健康で居続けるためにもロコモティブシンドロームの予防は大切です。予防のために特別にこれと決めた治療をしているわけではないのですが、患者さんとお話をしている中で、その方が生きがいを感じていることを思う存分できるようにするお手伝いをしています。趣味でバレーボールをしていたけれども膝が痛くてできなくなってしまった、という方がまたできるように、膝をガードして痛みを少しでも緩和させてあげる、といったやり方です。

医師としてめざす姿とはどのようなものですか?

何でも話してもらえる医師でありたいと思っています。膝が痛くて通い始めたけれど、本当は肩も痛い。でも言い出せなかった。そんな、患者さんに気を遣わせてしまうような医師にはなりたくないですね。痛いところを遠慮なく教えていただけるような、話しやすい雰囲気づくりを心がけています。今後もかかりつけとして患者さんに寄り添っていきたいです。

最後に、今後の展望を教えてください。

山上貴也院長 やまがみ整形外科腰痛クリニック6

心も体も健康になれるクリニックにしたいですね。まだ案の段階ですが、ヨガや太極拳のようなゆっくりと全身を動かすような運動は腰痛にも良い影響を与えることが立証されていますので、地域の皆さんにそれらを体験していただける機会がつくれればと考えています。クリニックにスペースを確保してありますので、いずれは啓発活動をしていって、皆さんが健康になるお手伝いができればと思っています。どこも悪いところがなくても予防のために通えたり、相談を受けつけたりするような場にしたいですね。

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