インプラントはメンテナンスが鍵
「噛む」喜びと健康につなげる
とむら歯科クリニック
(北九州市八幡東区/枝光駅)
最終更新日:2024/05/14
- 自由診療
近年、歯を失った際の治療法としてインプラント治療を選択する人が増えてきた。周囲の歯へのダメージを抑えつつ人工歯を補うことができる上、自分の歯に近い噛み心地が期待できる点がインプラント治療の大きなメリットだ。「インプラントを長持ちさせるために重要なのは、定期的なメンテナンス」と話すのは、「とむら歯科クリニック」の戸村和智院長。「インプラントは人工の歯ですから、天然歯よりもトラブルが起きやすい傾向にあります。歯周病に似た、インプラントの周りにできる炎症『インプラント歯周炎』になるケースも多いので、天然歯以上にきちんとメンテナンスやホームケアを行うことが大切です」と解説する。今回は戸村院長にインプラント治療のメリットやデメリットの他、骨造成、そして歯周病との関連性などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2024年4月3日)
目次
天然歯に近い噛み心地が望めるインプラント。治療後は、良い状態で長持ちさせるために定期メンテナンスを
- Qインプラント治療のメリット・デメリットを教えてください。
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A
メリットは自分の歯に近い噛み心地が期待できることです。歯を失った場合の他の選択肢にブリッジや入れ歯がありますが、噛む力は天然歯の20〜30%ほどしかないといわれています。一方、インプラントは天然歯と同程度の噛む力が期待できます。デメリットは手術が必要になる点と、自由診療なので費用が高くなる点でしょう。また、インプラントを支える顎の骨が薄ければ、骨を作るための骨造成が必要で、その場合は3ヵ月から半年の骨造成の期間が手術前に必要になります。とはいえ、現在は機器や技術の進歩によって歯茎を切開せずに骨の状態の確認から埋入まで可能になるケースもあり、手術時間も大幅に短縮されています。
- Qインプラント治療を行う際に大切にしていることは何でしょうか?
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A
無理せず安全性に配慮して手術を行うことが何より大切です。そこで活躍するのが歯科用CTです。インプラントや他の歯を支える顎の骨の硬さ、厚み、神経や血管の通っている位置などをCT画像でしっかり調べ、そのデータをインプラントの埋入時に使用するサージカルガイドに反映させ、安全性の向上を図っています。難しい手術の場合、フリーハンドでの埋入になることがありますが、その場合も歯科用CTで得たデータは確実に活用できますし、患者さんにも「この位置に埋入します」とパソコン上で埋入時のイメージを3Dでお見せできるので、手術に対する不安の払拭にもつながっていると思います。
- Qインプラント治療には歯周病管理も重要とのこと。その理由は?
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A
インプラント治療は歯を失った場合に行う治療ですが、歯を失う最大の原因の一つに挙げられるのが、歯周病。インプラント治療を行う前に、歯周病があればまず治療して、口腔内を清潔に保てるようにすることが重要です。そして手術後には定期的なメンテナンスを続けることで、歯周病に似たインプラント周囲炎になるのを防ぎ、インプラントを長持ちさせることにつなげます。インプラントを入れた場合も、天然歯と同じように常に歯周病対策は欠かせないのです。
- Q歯周病を発症していた場合はどのような治療の流れになりますか?
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A
抜歯やその後のインプラントが必要なほど重症の歯周病であれば、歯を支える骨を作るための処置を視野に入れておかなければなりません。歯科用CTで骨の状態を確認し、必要に応じて歯周病治療の一環として骨造成を行います。骨造成は3ヵ月から半年ほどかかり、インプラント埋入までにある程度時間を要します。また、骨造成時の切開部が感染を起こすと、もともとあった骨にまで影響が出てしまうので、必ず定期的に通院して経過を診ていく必要がありますし、膿が出てくる、患部に腫れが見られるなどの場合はすぐに治療が必要です。いずれにせよ口腔環境を清潔に保つことが重要なのです。
- Qインプラント治療後に気をつけるべきことは何でしょうか?
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A
定期的なメンテナンスに通うことです。定期的に来院してインプラントの状態を確認していれば、状態悪化の防止につながりますし、仮に状態が悪くなったとしても早期に治療できるからです。また天然歯には顎の骨との間に「歯根膜」があり、噛むと歯根膜を介して刺激が顎の骨に伝わり、骨がつくられ続ける仕組みになっています。しかしインプラントにはこの歯根膜がないため、天然歯よりも骨が失われやすい状態になっています。だからこそ、インプラント周囲炎にならないよう、ご自宅の歯磨きや定期的な歯科でのメンテナンスなどでしっかりと防いでいく必要があるのです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/25万3000円~、骨造成/7万7000円~