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塩路 昌吾 院長の独自取材記事

ユニオン歯科医院

(渋谷区/恵比寿駅)

最終更新日:2021/10/12

塩路昌吾院長 ユニオン歯科医院 main

歯が失われた場所に人工歯根を埋め、その上に人工の歯冠を作るというインプラント治療。日本に導入され始めた頃からその画期的な技術に注目し、45年以上の経験を積み重ねてきた「ユニオン歯科医院」の塩路昌吾院長は、日本におけるインプラント治療のパイオニア的存在ともいえる。常に学ぶ姿勢を忘れず、幅広い専門知識を保持することで、患者の口腔内、ひいては全身の健康も考慮した診療を提供し続ける塩路院長。自身のスキルを後進に伝えるため多数の著書を執筆し、勉強会の運営も行うなど、歯科医療への尽きない情熱を感じさせる塩路院長に話を聞いた。

(取材日2012年9月5日/再取材日2019年2月21日)

インプラント治療に早期に注目し研鑽を積む

先生は早い時期からインプラント治療を導入されていたそうですね。

塩路昌吾院長 ユニオン歯科医院1

私がインプラント治療について知ったのは1970年頃で、歯のないところに金属を植えることで咬合ができるという考え方に興味を持ちました。当時日本ではまだインプラント治療はほとんど知られていない中、アメリカでその技術を学んできた乙部朱門先生が1973年に日本で勉強会を開くということで飛びつきましたね。その頃のインプラントは今のように審美的なことは重視されておらず、まず噛む機能を回復することが大事だと考えられていました。成功率も決して高いものではありませんでしたが、それでも当時の私には、自分の歯に代えて何か別のものを埋めるという点がとても刺激的な治療法でした。

最近インプラント治療はかなり認知されてきましたね。

今ではインプラント治療は一般的な治療法になってきていますし、歯牙に代わるような機能と審美性を取り戻す治療として不可欠なものになっているのではないかと感じています。時々、他の病院でインプラント治療を行い、調子が悪くなって来院される患者さんがいらっしゃいますが、そういう症例では処置に問題のあることが多いですね。インプラント治療は、解剖などの基礎的な勉強をしていないと難しいと思うんです。もう一つ大事なのは、インプラント治療に適した状態で処置を行うことです。患者さんが歯周病菌に感染していないかどうかを審査、診断して、歯周病ならばしっかり治してからインプラント治療を行う。歯の土台が整わないところにインプラントを埋めると事故につながります。長期的には咬合の強さに対するケアも大切ですね。

開業当時から通っている患者さんもいるのでは?

塩路昌吾院長 ユニオン歯科医院2

そうですね、1971年に代々木で開業したのですが、その頃の患者さんが今も何人かいらっしゃいます。47年間通ってくださっていることになりますね。昔はインプラント治療ができる歯科医院が少なかったので、埼玉県や千葉県など遠方から来られる方も多かったのですが、最近では「時間がかかるからしばらく中止しましょう」という方もおられます。当院の患者さんが亡くなって、息子さんが「ここで何十年もお世話になって、ありがとうございました」と、菓子折を持ってわざわざ挨拶にいらしてくださったこともありましたね。

インプラント治療後に重要なのは定期的なメンテナンス

先生は「OZの会」という勉強会も主催されているそうですね。

塩路昌吾院長 ユニオン歯科医院3

発足したのは1987年で、30周年を迎えました。業者さんからの新しい製品の説明や会員の発表、特別講演などを行います。いろいろな分野の先端で活躍される先生にお話をしてもらいますから、自分の分野だけでなく多くの知識が吸収できるとても良い会だと自負しています。でも、発表者1人で、観客は私1人だけという大変な時期もありました。あれは寂しかったですよ(笑)。ただ、私はインプラント治療を早期から行っていたので、ある時からインプラント治療の講習会を積極的に開催し、当時ではまだ珍しいタイプのインプラントの話なども組み込むうちに人が集まり、最初は9人だった会員も今では250人ほどに増えました。

やはりインプラント治療を求めて来られる患者さんが中心ですか?

新患の方は近隣の歯科医院や「OZの会」を通じて紹介で来られる方がほとんどです。今、力を入れているのは、これまで多数行ってきたインプラント治療後のメンテナンスですね。インプラントは放っておいては絶対に駄目だということがはっきりしていて、スウェーデン式に必ず何ヵ月かに一度は来院していただき、診させていただく必要があると強く感じています。そうしないと、患者さんは惰性に慣らされてしまって口腔内をきちんと管理できなくなるので、今はメンテナンスに必死です。昔はあまり強くものを言うほうではなかったのですが、今はちょっと強めにその重要性を伝えていますね(笑)。

インプラントの歯ではブラッシングの仕方が異なるのでしょうか。

塩路昌吾院長 ユニオン歯科医院4

やはり特性はありますね。多くの場合天然歯は小臼歯では幅が7ミリ、大臼歯だと10ミリ以上あるのですが、インプラントは4~5ミリが多いんですよ。形が違いますから歯ブラシを挿入する角度も変わります。一番大切なのは歯頸部。昔は審美的なことはあまり言われなかったので、歯肉と補綴物の境目があってインプラントが見えていても平気でした。磨きやすいということもありましたしね。今は全部白くするため境目も覆いかぶせるから歯磨きも難しくなり、感染しやすくなっている。診ていると、天然歯よりインプラントのほうがずっと感染しやすいのではないかと思います。天然歯は歯根膜があって、脈管もあちこちから来ているため栄養供給も十分なのでなかなか進行しませんが、インプラントは一回菌に感染して油断すると、あっという間に駄目になります。歯ブラシには5分以上、日に一回は10分以上時間をかけてほしいですし、電動歯ブラシも良いと思います。

歯周病の予防は口腔内と体の健康の基礎

最近、患者さんの口腔環境に変化を感じることはありますか?

塩路昌吾院長 ユニオン歯科医院5

今は、歯を失うのは虫歯よりも歯周病が原因のことのほうが多いかもしれません。歯周病は成人の80%以上が罹患しているといわれることもあるようですが、症状が目に見えないまま進行するので、気づいていない人がたくさんいます。腫れた、血が出た、膿が出る、そういう症状が出る前に専門家の目で見極めてもらうことが大切です。歯周病も咬合もそうですが、まず口の基礎となるものを治してこそ健康といえる。インプラントにしたいと来院される方も、歯周病は大丈夫か。私の治療ではまずそこから始まります。

歯周病は体の疾患とも関連があるそうですね。

それが歯周病の怖いところです。糖尿病や心内膜炎といった全身の病気と関係しているというデータも出てきていますね。以前聞いた話ですが、体の不調を感じてあちこちの病院に行った患者さんが、最終的にある総合病院で心内膜炎だったとわかったそうです。先生に「歯科で治療しませんでしたか?」と聞かれ、「この前、歯石を取りました」と答えたら、「原因の一つはそれです」と言われたそうです。歯石を取ると血が出るでしょ。血が出ることによって、そこから歯周病菌が全身をめぐり体全体に影響を及ぼすことがあるのです。逆に、何か体に疾患があると、免疫力が落ちて歯周病にもなりやすくなります。そういう意味でも、まず歯周病を治す・予防することが健康づくりの基礎なのだと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

塩路昌吾院長 ユニオン歯科医院6

医療の進歩に伴い、歯周病の治療においてもどんどん新しい知識や方法が出てきています。「OZの会」30周年の記念講演では、デジタル技術を駆使した先進のインプラント治療のお話をしていただきました。すごかったですね。デジタルもあそこまで進化するのだと思うと、勉強の必要性を痛感します。昔はインプラントを入れたら一生大丈夫だといわれることもありましたが、歯周病になりやすいので、しっかりブラッシングをしていただきたいですね。歯周病予防のためにもブラッシングは重要です。努力なしに自分の歯の健康は得られませんから、定期的に検診に行って、PMTCなどでメンテナンスを受けることも歯周病ケアには大切です。自分に合った方法でケアしてもらい、ブラッシングの方法や歯周病予防に重要な食事の仕方もプロからの学びを聞くことがいいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療(補綴込み)/40万円~、歯列矯正/80万円~
※症例によって費用が異なる場合がございますので、詳しくは歯科医院へお問い合わせください。

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