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木村 一史 院長の独自取材記事

金町内科クリニック

(葛飾区/金町駅)

最終更新日:2024/04/24

木村一史院長 金町内科クリニック main

JR常磐線金町駅南口より徒歩2分ほどの場所にある「医療法人社団ヴィナシス 金町内科クリニック」。幅広い年代の地域住民でにぎわう複合施設の2階のクリニックモールに同院が開院したのは2016年1月。以来、地域のホームドクターとして住民の健康管理をサポートしている。院長の木村一史先生は、経鼻内視鏡検査のプロフェッショナル。経鼻による検査は経口に比べて苦痛や嘔吐反射が少なく、ゆっくり検査できることが多いため、丁寧な検査によって胃がんの早期発見・早期治療にもつながりやすいという。「病気になってからではなく、病気にならないために当院を利用していただけたらうれしいですね」と穏やかに話す木村院長に、医師になるまでのエピソードや、胃がんとピロリ菌の関連性、休日のリラックス法など、たっぷり語ってもらった。

(再取材日2018年7月5日)

病気を未然に防ぐため、より多くの人に内視鏡検査を

駅から近い複合施設内にあり、通いやすいクリニックですね。

木村一史院長 金町内科クリニック1

この建物は駅から近く、スーパーマーケットや図書館、託児所などがあり、クリニックモールもあるので、幅広い年齢層の人たちが訪れています。買い物のついでや仕事の行き帰りなどで利用しやすい場所ですね。当院の診療時間は平日の8時30分から18時45分、日曜日は9時30分から14時45分までです。最近は風邪などの内科的診療の患者さん、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の患者さんも増えてきています。私の専門は消化器でもありますので、もっと多くの人たちに内視鏡検査を受けていただき、健康管理に役立てていただけたらうれしいですね。今は比較的、検査の枠も空いていますし、場合によっては当日の検査も可能ですので、気軽に相談していただければと思います。

医師になられるまでの経緯についてお聞かせください。

「医師になりたい」という気持ちはずっとありましたが、経済面や当時の実力などから医学部進学は難しいと考えて早稲田大学教育学部に進学し、卒業後は海外と接点が持てる仕事がしたいという思いから建設会社に就職しました。しかし理想と現実は違って、建設工事で海外へ行くことは少なくなっていったのです。海外への思いを捨てきれないまま3年ほど働いたとき、青年海外協力隊の広告を見る機会があったんです。思い切って会社を退職して青年海外協力隊に参加し、アフリカの高校生に理科と数学を教えました。帰国後は1年ほど中学校の教師をしていましたが、医師になる夢を諦めきれず、30歳の時に福島県立医科大学へ進学したという経緯です。

ピロリ菌の研究も熱心に行ったのだそうですね。

木村一史院長 金町内科クリニック2

ノーベル賞を受賞した研究で、日本人が最も恩恵を受けているのがバリー・マーシャル先生と、共同研究者のロビン・ウォレン先生によるピロリ菌の発見だと私は思います。除菌すれば胃がんのリスクは3分の1に減るともいわれていますので、ピロリ菌の発見は非常に多くの日本人の胃がんを未然に防いだと言えるでしょう。マーシャル先生と初めてお会いしたのは、仙台で行われた講演会に出席させていただいた時でした。その後、機会に恵まれ、オーストラリアのサーチャールズガードナー病院で、メディカルフェローとしてピロリ菌の研究をすることができました。オーストラリアは自然も人の心も豊かで、とても良い国ですよ。私も、私の子どもたちも素晴らしい環境で学ぶことができました。

嘔吐反射が少なく、精密に検査もかのうな経鼻内視鏡

ピロリ菌と胃がんとの関連性について、詳しく教えてください。

木村一史院長 金町内科クリニック3

胃がんになる可能性があるのは、ピロリ菌感染があるか、過去に感染があった人と考えられます。胃がんのリスクを判定する「ABC検診」を行って、ピロリ菌感染がある場合には除菌治療を行う必要があります。一方、ピロリ菌感染がなく胃の萎縮もない方であれば、胃がんになる可能性はかなり低いでしょう。以前はほとんどの方がピロリ菌に感染していましたが、現在ではとても少なくなりました。多摩市に住む40歳以上の方を対象としたABC検診で、ピロリ菌感染が認められたのは全体の約1割だったというデータもあります。胃がんが心配な方は、まずはピロリ菌の感染の有無を確かめることをお勧めします。

経鼻内視鏡検査の技術はどのようにして磨かれたのですか。

経鼻内視鏡検査は勤務医になってからずっと手がけていたのですが、多くの現場経験を積むことができたのは開業直前に勤めていた田村クリニックです。同クリニックでは大手鉄鋼会社の社員の集団検診を請け負っていましたので、月に1度は全国各地へ出張して内視鏡検査をしていました。私が勤め始めた頃はかなり多く、2週間続けてたくさんの方を検査する、ということもありました。田村クリニックでも多くの内視鏡検査をし、精密検査が必要と判断した場合はほとんどの方をNTT東日本関東病院へご紹介していましたので、このときのご縁から月に1度、NTT東日本関東病院の大圃研先生が当院の大腸検査を担当してくださっています。

経鼻内視鏡検査にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

木村一史院長 金町内科クリニック4

経口内視鏡検査は少なからず嘔吐反射がありますが、経鼻内視鏡検査ではほとんどありません。体への負担も少なく、検査終了後もそれほど時間を置かずに日常生活に戻ることも可能です。嘔吐反射が抑えられるというのは、患者さんにとってはもちろん、検査をする側にとっても大きなメリットなんです。患者さんが苦しそうであれば早く検査を終わらせようという焦りが生じますが、経鼻内視鏡では心に余裕を持ち、ゆっくり時間をかけて検査を行うことができる。結果として、経鼻内視鏡検査は早期のがんの発見につながりやすくなると考えています。

一人ひとりの患者と向き合いながら健康をサポート

普段の診療では、どのようなことに気を配っていらっしゃいますか?

木村一史院長 金町内科クリニック5

まずはよく話を聞くことです。そして、自分のできる範囲で、できることを着実に行うこと。自分の専門外のことでより適切な医療機関がある場合には、迅速に判断してしかるべきところへご紹介するようにもしています。これまで勤めてきた医院でも、時間が許す限りは一人ひとりの患者さんとじっくり向き合うようにしてきました。今はまだ余裕があるので、これまで以上にしっかりお話を伺うことができています。これからもっと患者さんが増えても、しっかり話を聞く姿勢は崩さずにいたいですね。また、患者さんがくつろげる環境をつくるということも重視しています。待ち時間も穏やかに過ごしていただけるよう、院内はバリアフリーで余裕を持ったつくりにしています。クリニック全体で安心できる雰囲気づくりをしていこう、とスタッフにも声がけしています。

お忙しい日々を過ごされていると思いますが、リフレッシュ方法などはありますか?

これと言って趣味もないのですが、強いて言えば、英語字幕つきの映画を見ることが趣味であり気分転換の方法でしょうか。最初は英語の勉強になればと思って始め、時間があるときに見ています。あとは映画も診療後に見ていますよ。また、ヘッドホンでジャズやクラシック音楽を聴いています。患者さんのカルテの管理などをしていると、遅いと23時頃になってしまうときもあるのですが、音楽を聴いているとそのまま寝ちゃうときもありますね。

最後に、読者へのメッセージを含めて今後の展望をお聞かせください。

木村一史院長 金町内科クリニック6

胃カメラによる胃がんなどの早期発見・早期治療をモットーに、内視鏡検査の技術と経験を生かした診療を誠実に行っていきたいと思います。潰瘍などがきっかけでその存在に気づくことが多いピロリ菌は、除菌治療することで胃がんの予防につなげていくことが可能ですし、内視鏡検査で早期がんが見つかれば治療の選択肢の幅も広いです。リスクのある患者さんは継続した内視鏡検査が必要ですから、できるだけ楽に検査を受けていただけるようにしています。これまで内視鏡検査でつらい思いをされたことがある人もぜひお越しください。また、高血圧や高脂血症、軽い糖尿病も自覚症状が出にくい疾患ですが、検査をして適切な治療をすれば、大きな病気を防ぐことができます。病気になってからではなく、病気にならないために当院を利用していただけたらうれしいですね。地域のホームドクターとして、検診や診療を通じて健康管理をサポートしていきたいと思っています。

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