北出将之院長の独自取材記事

KITADE DENTAL CLINIC

(桑名市／桑名駅)

最終更新日：2024/03/12

桑名市内のニュータウンである陽だまりの丘。北出将之院長が2015年に開業した「KITADE DENTAL CLINIC」は、団地中央付近の交差点に面したわかりやすい場所に位置し、車でのアクセスにも便利だ。広々と設計された院内は、清潔で温かな雰囲気。天井が高く窓が大きな待合室は開放感があり、リラックスした気持ちで診察を待つことができる。子どもと出勤できる同院は、院内に子どもたちがいてアットホームだ。患者の健康を向上させることを1番の目的とする北出院長は「本当の予防とは何か？」に着目し、食事や生活面のアドバイスにも注力。「全身の健康に歯科分野からアプローチしたい」と語る北出院長に、診療方針や患者と接するときの心がけなど幅広く聞いた。

（取材日2023年9月25日）

「和」をコンセプトとするアットホームなクリニック
歯科から全身の健康へアプローチして健康増進をめざす
患者の健康を第一に考え、アドバイスをする

「和」をコンセプトとするアットホームなクリニック

先生は三重県熊野市ご出身ということですが、こちらで開業されたのはどのような経緯からですか？

開業する場所は、歯科医師になったばかりの頃から10年ぐらいずっと探していました。僕らの仕事は日進月歩なので、常に勉強を続けていかなければいけません。それを考えたとき、地元の熊野市だと講習会等に行くための交通アクセスが不便なのです。ただ出身県内で開業したいとは思っていました。あとは自分自身のスタイルとして、皆でワイワイと楽しく仕事がしたいという気持ちがあったので、それには名古屋のような大都会よりも、くつろげる雰囲気の場所が良いなと思っていました。ここは最初に見に来たときに、すごく明るい雰囲気の町だなと思ったのと、なかなか空いていない角地だったこともあって「ここだな」と感じました。

診療スペースを半個室にしたのはどのような理由からですか？

完全な個室にすると、患者さんが1人で待っている間に不安になったりされることもあるので、半個室にしました。単なるパーティションだと話し声を気にされる方もいらっしゃいますが、天井まで壁があると、意外と外に聞こえないものです。また、診療台の後ろが開いているので、僕らとしても動きやすいのです。そういった設計は、設計士さんにも手伝ってもらって、1年ぐらいかけて考えました。「歩幅が何cmだから、ここからここまで何歩で行けるか」など、細かいところまで計算しましたね。また、スタッフは女性が多いので、カウンターの高さや引出しの位置なども、女性にとって一番作業しやすい高さにしてもらいました。何をどこに置くかという配置もすべて前もって考えましたよ。

診察台の前でお子さんが待っていられる設計なのですね。

親子で受診された際、治療されている親御さんの目が届く場所でお子さんに待っていてもらうのが一番良いかなと思い、診察台の前に子どもがいられるようにしました。お母さんも目の前にお子さんがいると安心できますし、お子さんにとってもお母さんと一緒のほうが良いでしょう。「小さいお子さんがいるので歯科医院に来づらい」というお母さんも多いと思いますが、僕自身「病院は静かにしなくてはいけないって誰が決めたの？」という気持ちがあるくらいで、子どもが騒いでいても注意することはありません。子どものいるスタッフも多く育児慣れしていますし、お母さん同士の話もできて、時には実体験を踏まえたアドバイスなどもしているようです。

歯科から全身の健康へアプローチして健康増進をめざす

診療方針を変更としたとお聞きしましたが、どのように変わったのでしょうか？

これまでは一般的によくある虫歯があったら削って修復する、クリーニングをして予防するといった治療をしてきました。しかし、以前出会った先生のお話を聞いて「本当の予防とは何だろう」と思うようになりました。体の状態が口腔内にも影響をするという考えから、全身の状態、食事や生活習慣などを気にするようになったのです。虫歯にならないためには歯磨きをするのが一般的なケアですが、食事や生活習慣を見直して、根本的に虫歯になりにくい体質をめざすのが本当の予防ではないかと僕は考えています。他にも患者さん一人ひとりに合った食事、体質に合わない金属が過去の治療で口の中に入っていないかなどもチェックします。歯科医院は、元気な方が来る医療機関だと考えていますので、皆さんに元気なままでいてもらえるようにしていくのが僕たち歯科医師の役割です。

口内の環境と全身の健康にも注目されているのですね。

ある先生から「歯も人間の臓器の一つであり、全身の健康に関わっている」ということを教えられ、それまで僕がずっと気になっていた部分が氷解して、世界観が変わりました。歯科で用いる金属の全身への影響もその一つですが、体の不調の原因が口の中にあることも珍しくはありません。そのための治療も、薬に頼るのではなく、自分自身の自己回復機能を十分に発揮できる体をつくっていくのが大事だと思います。歯科金属の問題は、現在ではかなり改善されてきたと思いますが、それ以外のことでも、体の他の部分になるべく影響しない治療法を選びながら、全身の健康につながるようなアドバイスにも努めています。

全身の健康につながるアドバイスについて、もう少し教えてください。

健康志向が高い方や、僕の考える「本当の予防」に関心がある方には、平日や土曜日の診療が終了してからの時間に、個別で食事に関するアドバイスに対応しています。以前は診察中に食事についてお話をしていたのですが、ほんの数分では伝えきれませんし、共感を得ることが難しいと感じていました。そのため、現在は健康向上に本当に興味があり、ご希望の方だけに食生活や生活習慣の相談やアドバイスを実施しています。また、繰り返す虫歯などをできにくくするような食事内容もめざしています。現在は岐阜県や愛知県からも通ってくれる方も増えてきました。もし「歯科治療をしているけど虫歯を繰り返す」と悩んでいる方で、全身の健康に興味がある方がいたら、ぜひお声がけください。

患者の健康を第一に考え、アドバイスをする

スタッフについてお聞かせください。

スタッフは、看護師、歯科衛生士、歯科助手がいて、受付は全員で兼任しています。実は当クリニックは子連れ出勤が可能です。保育士がいるわけでもないですし、託児所もありませんが、子どもを連れてきても良いことになっています。そのため、子どもたちがスタッフルームや診療室の中を走り回って遊んでいることもありますね。たまに女の子に小さな制服を着せて、受付をしてもらっているときもあって、患者さんも笑顔で見てくれています。連れてきた子どもはお母さんだけじゃなく、スタッフ全員で見ていますよ。すっかり当クリニックの特徴になっているので、患者さんから「今日はあの子いないの？」と聞かれるくらいです（笑）。

診療の際に心がけていることはありますか？

なるべく患者さんの緊張が解けるようにすること、本当に良くなっていくためにアドバイスすることです。患者さんの健康向上を第一に考えているので、伝えるべきことはきちんと伝えることを心がけています。もちろんコミュニケーションも重視していますが、僕の話が全身の健康に興味を持ってもらえるきっかけになったらなと思っています。虫歯を繰り返してつらいのは患者さんですから。しかし「甘いものは少し控えましょう」とアドバイスしても「甘いものはやめられないよ」と患者さんに言われたら、それはその方の価値観ですから尊重します。僕の考えを伝えることで、体のことをもっと考えてくれる方が増えたらうれしいですけど、価値観は人それぞれですからね。

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

当クリニックは一般的な歯科治療に加え、お口の中から全身へ、さまざまな面からアプローチができます。皆さんにずっと健康でいてもらえるようにサポートし、1人でも多くの方に健康で幸福な人生を歩んでほしいです。健康なうちは問題ない状態が当たり前になっていて、元気の損失についてあまり考えませんよね。そのため、突然がんや心筋梗塞になったときに焦ってしまうのです。虫歯や歯周病は体からの危険を知らせるサインです。虫歯になるのは、「今の食生活や生活習慣では危険ですよ」と体が知らせてくれているサインだと思います。虫歯を繰り返している方は、一度体のために生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。健康になりたい方、気になることがある方は、ぜひご相談に来てください。