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山本 惠太郎 院長の独自取材記事

やまもと整形外科

(宮崎市/蓮ケ池駅)

最終更新日:2022/04/15

山本惠太郎院長 やまもと整形外科 main

宮崎市池内エリアの古くからある住宅街の一角にある「やまもと整形外科」。2015年に開業して以来、整形外科、スポーツ整形外科といった幅広い内容で、地域医療に大きく貢献している。院長を務める山本惠太郎先生は、スポーツ好きと自らの体験から大学の医局でスポーツ整形外科を専攻したドクター。これまでケガで苦しむアスリートの手術なども担当し多くの復帰をサポートしてきた。また、子どもたちの運動機能と成長発達にも興味を持ち、学校での運動器検診の普及にも取り組んできた。「これまでの経験を含めて幅広い整形外科疾患を診たい。気軽に何でも相談してほしい」と語る姿からも、患者に寄り添った診療を心がけていることが伝わる。そんな山本院長に医師をめざしたきっかけやクリニック開業の思い、そして診療のモットーなど話を聞いた。

(取材日2022年3月2日)

スポーツ整形外科で培った経験を地域医療に生かしたい

スポーツ整形外科も診療されていますが、どのような患者さんが受診していますか?

山本惠太郎院長 やまもと整形外科1

以前勤務していた宮崎大学医学部附属病院や宮崎江南病院の整形外科では、スポーツ外傷・障害の患者さんを診ることが多く、そのつながりで当院にもスポーツをされている方が多くいらっしゃいます。今は若い人だけでなく、生涯スポーツという視点から年配の人も運動をされている方が多いので、幅広い年齢の方にご来院いただいており、90歳以上の方が一人で歩いて来院されたりもします。最近驚いたことの一つにランドセルが重くて腰の疲労骨折をした小学生が数人いました。疲労骨折はスポーツをする中高生に多いのですが、生活環境などの変化で整形外科の分野でも治療を必要とする人の低年齢化が進んでいるのではないかと考えています。

この地域で開業しようと思った理由は何ですか?

整形外科のクリニックが少ない地域で土地の広い場所に開業したいなと思って探していた時、ようやく見つかったのがこちらの場所でした。妻の実家が近かったことや、学校検診で訪れたことのある宮崎市立池内小学校の近くであったことにも縁を感じてこちらでの開業を決めました。この近くには、古い団地があって年配の方も多く住んでいらっしゃいます。今までわざわざ遠くの整形外科まで通っていた人も多かったのでしょう。近くに整形外科ができて便利になったとたくさんの人に言っていただけて、ここで開業して良かったなと思います。車で来院される方も多いので、広い駐車スペースを取っているのも特徴です。

先生が医師をめざした理由、整形外科を選ばれたきっかけは?

山本惠太郎院長 やまもと整形外科2

塾へ行く前などに、看護師の母が勤める病院に寄ったりしていました。そこの院長にすごく良くしていただき、子どもの頃から病院というものを身近に感じてきたので自然と医師を志すようになっていましたね。私は広島出身で地元のプロ野球チームのファンですが、小学生の時に肘を痛め、プロ選手たちが多く受診していた整形外科の院長先生に診ていただき、その先生に憧れを抱いたこともありました。大学ではサッカー部に所属していたのですがケガが多く、よく整形外科の先生に診てもらっていました。子どもの頃から何かと整形外科にお世話になっていたことは、整形外科医を選ぶきっかけになりました。大学卒業後は宮崎大学医学部附属病院に入局し、スポーツ全般が昔から好きだったのでスポーツ整形外科について詳しく学び経験を積み、診療や手術以外にも国体の帯同やメディカルチェックなどでサポートしてきました。

子どもたちの運動器の傷害の予防にも取り組む

スポーツ整形外科の診療で思い出深い経験はありますか?

山本惠太郎院長 やまもと整形外科3

以前、サッカーで手首を骨折した高校生の治療を担当した時のことが印象に残っています。患部を保護するためにギプスを巻いたのですが、次の受診日にギプスをしておらず、患者さんが自ら壊してしまっていたという出来事がありました。早く試合に復帰するためにそうしたそうです。幸い回復傾向にあったので事なきを得ましたが、もちろんいいことではありません。しかし、彼の早く試合に復帰したいという思いの強さと治癒力に驚きました。ドクターがサポートできることって何だろう、自分は選手の気持ちを考えた治療をちゃんとできていたのだろうかと、あらためて考えさせられた出来事でしたね。

スポーツ整形外科以外に関わってこられたことはありますか?

運動器傷害を予防し健康をめざしていこうという世界的な取り組みがあり、その一環として日本でも運動器検診を広める活動に携わってきました。当時、学校で行う健康診断には脊柱側湾症を診断する項目はあったのですが、そのほかの整形外科疾患を診断する項目はありませんでした。そこで2016年から全国の小学校で運動器検診を取り入れ、子どもの背骨や手足について評価を行うということがスタートしました。最近の子どもたちは運動過多の子がいたり、逆に運動をまったくしない子もいたりと、身体の状態もさまざまです。先ほども言ったように、ランドセルが重いことによる疲労骨折やちょっとした外傷での骨折も増えている印象があります。そういう危険がある子たちを運動器検診で見つけ出してあげられたらと考えています。

こちらでは、運動機能の向上を図るためにどんなことに取り組んでいますか?

山本惠太郎院長 やまもと整形外科4

運動器疾患を持つ人に対しては、理学療法士が運動療法や装具療法などによる運動器リハビリテーションを行っています。患者さんがお子さんの場合はリハビリには親御さんも入ってもらい、家庭でどういうことに気をつけてもらえばいいのかを一緒に学んでいただいています。最近は土踏まずがなくなって扁平足になっていたり、外反母趾になっていたりするお子さんも多いんです。X脚やO脚などもそのままにしておくと歩行に影響を及ぼす可能性もあるので、運動器リハビリテーションで改善を図ることをお勧めします。ドクターの診療だけではやりきれないことを理学療法士に入ってもらって患者さんの要望を聞きながら丁寧にリハビリに取り組むことを大切にしています。

「動く喜び、動ける幸せをいつまでも」が診療モットー

整形外科は痛くなってから行くのはなく、予防的な意味も含めて診てもらう必要があるんですね。

山本惠太郎院長 やまもと整形外科5

そういった考え方は大切だと思います。最近は、何もない所で子どもが転んでしまう、走り方がおかしい、といったことを気にされている親御さんも多いです。小児科の先生からも私のところで診てもらえないかと紹介されることも多々あります。当院で装備療法や運動の仕方を学んでもらうことによって、将来的にケガの予防、発育・発達に役立ててもらえればと思っています。親御さんたちに「子どもの歩き方が良くなった」と喜んでもらえ、子どもたちに笑顔で「バイバイ」と言われることが何よりもうれしいです。今後も予防的な整形外科診療に積極的に取り組んでいきたいです。

休日は何をして過ごされていますか?

スポーツ観戦をよくしていました。子どもは4人全員男子で休日はよく一緒に遊んでいました。上3人が小学生の頃には子どもたちがトライアスロン大会に出たり、私も親子マラソンにエントリーしたりと一緒にスポーツを楽しんでいました。ただ最近は新型コロナウイルス感染症の影響に加え、一番末の子どもと一緒にサッカーをした時に肉離れを起こしてしまい、ほとんど身体を動かさなくなってしまいました。子どもも中学生~社会人になって手が離れてきたのをいい機会に私自身ちゃんと身体を動かす生活に戻さなければと思っているところです。まずは患者さんの手本となるような医師に自分がならなければと気持ちを新たに取り組みたいと考えています。

先生が診察で心がけていることは何でしょうか。

山本惠太郎院長 やまもと整形外科6

整形外科には身体の痛みを抱えた患者さんが多く来られます。本人の痛みを100%体感することはできなくても、本人のご家族や友人になったような気持ちで接することが大切だと考えています。整形外科の範囲をしっかり診ないといけないのは当然ですが、地域医療に携わるドクターである以上、それ以外の疾患の可能性も考えたり、何か隠れている病気はないのかということも考えたりしなければならないと思います。整形外科の問題だと思っていたら違う病気であるということも多々あります。そういう徴候を見逃さずにしっかりと次の医療につなげられるアドバイスができる医師でありたいと考えています。「動く喜び、動ける幸せをいつまでも」というのが、私がいつも考えていることです。お年寄りも子どもたちもみんなが元気で身体を動かせるような社会になってもらえればというのが一番の望みです。

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